2020年07月03日
日産ARIYAの高性能バージョンが相当高くなることは容易に想像がつく。大容量バッテリーにモーターを2個搭載した4WD(e-4orce)、大柄なボディに自動運転(プロパイロット2.0)、大きな液晶画面に自動運転用の精密地図を搭載したナビ、、、
価格が高くなる(約700万円~)のは必然だが、それでも売れなければ鳴り物入りで登場させる意味がない。高くても売りきる力が日産の販売店にあるだろうか? メルセデスベンツやレクサスなどとは顧客層が異なり、700万円をポンと支払える人はごくわずかだろう。都心のワンルームが買える値段ですからね。投資用ワンルームマンションなら毎年約50万円の利益を生んでくれる(表面利回り7%)がクルマは維持費がかかる負の財産で値落ちも大きい。バブル崩壊前に500万円のシーマが飛ぶように売れた時代が懐かしいがあのときは土地バブルで不動産を転がして儲けた人が多かったからね。今はコロナ不況でタイミングは最悪。
結果として買えるのは外資系に努めているマネージャー層、開業医、不動産経営、投資家などの高所得層だろうが、日産の顧客リストに何人該当する人がいるのだろう? GT-Rの様に伝説化したクルマなら勘違いして買ってしまう変人がいるのだが、オールニューのアリアの場合そんな購入者がいるとは思えない。
一番売れるのは多分2WDの廉価バージョン(約500万円~のなんちゃって仕様)、しかも残価設定ローンを利用した買い方になるだろう。よほどこのクルマが気に入った人じゃないと色んな意味で厳しいでしょうね。
特に気になるのが奥さまを説得する材料が乏しいこと。ZESP2ならどんなに走っても定額で燃料費が安くなるよといえたがZESP3だとそうはいかない。スタイルが都会的なのに充電設備がないマンションに住むような人が買うべきクルマではないというミスマッチ。
高性能バージョンはべらぼうに速いがサーキットへ持ち込む様なクルマではないから、その性能を楽しむ場所がない。
7人乗りの設定があればミニバン代わりに買い換える人がいるだろうが、残念ながら定員は5人。
日産がどのよう顧客層をターゲットにしているのか良くわからないクルマだと感じる。社内資料にはITベンチャー企業の若き社長(ヤングエグゼクティブ向け)とでも書いてあるのだろうが、そんな人はクルマを所有しない時代だったりしますw
メルセデスベンツのGLA/GLB、BMW X5、レクサスRXあたりのライバルから顧客を奪うには企業イメージが悪くなりすぎたとも思う。メインマーケットは北米でしょうが、そこには強敵テスラがいるので国内で頑張るしかない。2年で10万台売らないと開発費を償却できないが経営的には厳しい結果しか見えない。
日産様へ
奥様を説得する強力な材料を与えてくれたら買いますよ~
流行りのSUV、先進の高性能EV、こんな言葉は奥様には通用しないのです。
【オマケ】
たまにリーフを知人に運転させると「速すぎて怖い」と言われることが多い。ARIYAの様な高性能なクルマを欲しがる人は国内にはほとんどいない様に感じます。昔は0-400 m何秒で走るとか速さに憧れていた時期もありますが、時代は変わりましたね。ZOOMと提携してノマドワーカーが使える様なクルマに仕立てたら面白いかも。
Posted at 2020/07/03 12:54:36 | |
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