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テスラはタッチスクリーンが５年程度で機能停止するという内容の大規模リコールを行うこととなった。普通の車ならカーナビが停止するとしてもリコールにはならないがテスラ車の場合はほとんどの機能をタッチスクリーンで制御するためその機能停止は致命的。

原因はフラッシュメモリーへの書き換え回数の制限値を越えたことによるものだそうだ。初期のNAND型フラッシュメモリーは１００回程度しか書き換えられなかったが最近のものは５０００回位になっているものの、システムのON-OFF毎に書き換えるバックアップメモリーとして使うには物足りない。クルマでは頻繁に書き換える必要のあるバックアップメモリーにはS-RAMを使い電池でバックアップするのが常識なのだが、テスラはその辺りの設計に慣れていなかったのだろう。
ダメになったメモリブロックを使い捨てにするパソコンと同じような作りではダメなのだよ。

対策はMCU(メディアコントロールユニット)内のeMMC対応nandフラッシュメモリーをより高耐久なものに交換すると共に、プログラムを修正してなるべく書き換えないようにすることになるだろう。ただしこれは暫定対策で根本的にはハードウェアの設計変更によりS-RAMバックアップが必須と思う。どちらも大変なコストがかかるので経営へのインパクトは避けられない。株価は今かなりの高値圏にあるが一旦利確することをオススメします。

【オマケ】
該当MCUはテスラ車の中枢頭脳、自動運転用の高価なAIチップを搭載するので交換コストは一台あたり30万円を越えるだろう。リコール台数が16万台というからざっと480億円もかかる。さらに対象台数は膨れ上がるはずなので最終的には1000億円を越えるだろう。小さな自動車メーカーなら倒産する規模です。