独VW、違法ソフトで規制クリア 米国の排ガス試験
このニュースを見てまずい!と感じた自動車メーカーのエンジン設計、認証担当者は多いのではないでしょうか。
エンジン制御において燃費、エンジン出力、排ガス浄化性能、耐久性を高度にバランスさせることは非常に難しく、どれか一つを犠牲にすれば他の性能を大幅に向上させることができるのは業界関係者であれば常識。たとえば燃費を良くするには理論空燃比よりも燃料の比率を下げいわゆるリーンバーン状態で燃やしてあげればよいのだが、その場合NOxが大量に発生し排ガス規制の基準値を下回ってしまいます。 カタログ数値で少しでもライバルに勝ちたい、そのためには認証試験のときたけ動作する制御ソフトをこっそり組み込んでおけば良い・・・多くのメーカーがずるしていることは市場に出回っているクルマを抽出して検査してみればすぐにわかること。
少し前だとエアコンのボタンなどを特殊な操作することによって強制的に認証試験モードに移行させる方法でしたが、最近では走行パターンから認証試験であることを自動認識して認証試験モードに入るようになっていたりしています。 特に直噴エンジンは低負荷時にリーン燃焼させることが多く排ガス規制値をクリアする難易度が高いため、何らかのトリックが仕組まれていることが多いと推定できます。 最近規制が厳しくなってきているのはエンジン始動時の排ガス。 触媒がまだ冷えている状態で活性化が困難なときに、エンジン回転がストールしないようにあえて濃い空燃比にしているのですが、それだとやばいくらい排ガスが汚いです。 認証試験のときには環境温度がさほど低くないのでストールする心配は不要、したがってこのときだけは理論空燃比で燃やしたい・・・(以下省略
また認証試験項目には急加速するようなシーンは存在しないのですが、急加速したときに黒煙があがるようなクルマが多いですね。 加速時には空燃比をおもいっきりリッチにしているためですが、このときの排ガスも規制する必要があると思います。
さて、次に摘発されるのはどこのメーカでしょうか? 社内でのコンプライアンスチェックがまともに機能しているか否かが問われることとなりそうです。
排ガスとは無縁のEVであれば、こんなくだらない開発競争は不要になるんですがね~♪
Posted at 2015/09/19 15:50:00 | |
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