
先日
プリウスPHVのトランクルームの狭さを指摘させていただきましたが、理想的なPHVにするにはどのようにすべきかを考えてみました。
トヨタの乗用車の外装デザインのポイントはルーフラインの低さにあります。ルーフが低いと格好良く見えると信じているのでしょう。その分室内空間は狭くなり、各種部品レイアウトの設置要件は厳しくなります。 典型的なのはカリーナEDという4ドアクーペでバブル世代に爆発的にヒットしました。 座高が高いと頭がルーフに接触するほどルーフが低く、セダンのくせに、まるでスポーツカーのようなデザインが売れた主因です。 トヨタのクルマはカローラからマークXまでどれも似たような背が低い4ドアですが、国内シェアを向上させるのに大きな役割を果たしています。 顧客から室内が狭いという声があがったときアルデオという背が高い理想的なセダンを作ったのですが全く売れなかったため、以降ルーフの高いセダンを作らないようになってしまいました。 今のデザインポリシーでまともな室内空間を得るためにはクラウン以上のサイズが必要と思います。
さて本題のPHVの件ですが、小型車レベルで大きな駆動用バッテリーを邪魔にならないように搭載する場所は下記の2か所しか考えられません。
①フロア下
リーフなどがフロア下に駆動用バッテリーを搭載していますが、10cmくらいフロアを持ち上げる必要があるのでトヨタの好きな低いルーフラインは実現できません。 クルマの重心を低くして、回転中心に重量物をおくことになるので理想的な重量配分となるメリットがあります。
②センタートンネル付近(FRであればドライブシャフト+ガソリンタンクのあたり)
5ナンバーレベルではちょっとしんどいので1900mm程度の車幅が欲しい。ここにバッテリーを置いているテスラモデルSは車幅が1950mmもあります。 PHVの場合ガソリンタンクを撤去するわけにはいきませんがスペアタイヤなしなら両立可能でしょう。
トヨタがどちらを選択するかは明らかですね。低いルーフラインを実現するため車幅を広げる決断をすることになるでしょう。 この場合国内では使いにくいクルマになってしまいますが、国内ユーザーを切り捨ててでもルーフの低さを優先することになるはずです。
写真はゴルフGTE PHVですが、リアシート下に8.7kWhのバッテリーを収納しています。 ルーフが高いからそこに置けるわけで、トヨタのようにルーフを低くしたらリアシートのヘッドクリアランスがなくなってしまいます。現時点でPHVの教科書のような作りになっている点はさすがVWといえましょう。
テスラのモデル3が登場したとき、エンジンを搭載したPHVが必要なのか再度考えることになるでしょうけどね。
Posted at 2016/08/29 17:06:55 | |
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