
今後EV市場が拡大するにつれ問題となるのがバッテリーのリサイクルです。希少金属であるリチウム元素は全量を特定の国からの輸入に依存していて、いつまでも無尽蔵に使えるようなものではない。 廃棄部材から特定の物質を抽出するリサイクル技術は日本が進んでいるとはいえ、リサイクルにかかるコストは高く、まずは廃材として処理する前に電池としてリユースをする方がコストメリットが大きい。 問題はどこで使うかであるが、もっとも電気を浪費している電車の事業会社にリサイクルバッテリーの利用を義務付けることを提案したい。
電車は効率の良い運輸手段であるが、朝夕の通勤ピーク時間に大量に電気を消費していて、それを平滑化すれば首都圏だけで原発数個分の節電が可能である。 最近の電車は減速時にエネルギー回生を行っているが、架線に戻された電気のほとんどが線路沿いに設けられた回生電力吸収設備によって熱に変換され大気中に捨てられています(減速する電車と加速する電車のタイミングを合わせることはできないので、余った電気は捨てざるをえない)。
この設備内の抵抗器を二次電池に置き換えエネルギーを捨てずに再利用すれば地球温暖化防止に大きな寄与ができます。電車に蓄電池を搭載するのは重量が増し、車両コストが高くなるだけなのでやめた方が良い。
ローカル線のディーゼル車を電池駆動電車(EV-E301系など)に置き換えていくのは大気汚染防止に効果的ではあるが、電気利用比率の大きい首都圏の電車から対策するべきである。 JRにとっては初期投資が必要だが、節電金額も大きいので数年で投資回収可能と予想します。 設備にリユースバッテリーを義務付ける法案を提案してくれる国会議員いませんかね!? 電気代をそのまま運賃に転嫁できる事業者にまかせているといつまでたっても電車の節電が進みません。
家庭用では太陽光発電と蓄電池を組み合わせることでゼロエネルギー住宅(ZEH)を目指すというのが最近のハウスメーカーの売りになっていたりしますが、機器の導入コストや維持費を考えると経済的なメリットがなく普及は難しいでしょう。 簡単に試算すると設置費用(太陽光パネル、制御機器、蓄電池、家の断熱化、オール電化など)は300万円を超え、月2万円程度の電気代がゼロになったとしても元をとるのに12年半かかります。そして10年を超えると、機器は故障や劣化するのでメンテ費用がかさみます。 新築で安く売りだされていて、かつ補助金をうまく使ってようやく収支トントンになる程度なので、非断熱の既存住宅をZEH化する場合には完全に赤字になるはずです。 政府はZEHを推進しようとしていますが、今のところ絵に描いた餅でしかない。 ただし地球環境に対してはGOODなので、初期コストが下がり普及することを願うばかりです。
【参考】
画像はJR東日本のEV-E301で床下に95kWhのバッテリーを搭載しています。長距離を電池だけで走ることはできないので使える区間が限られているのが残念なところ。
Posted at 2016/10/20 16:59:18 | |
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