
日産の決算報告から気になる点をピックアップ。
2020年3月期予想
売上高(収益) 10兆2,000億円
営業利益 850億円
親会社の所有者に帰属する当期利益 650億円
これだけ利益を抜かれたらまともな先行開発投資はできないだろう。
有利子負債 7兆9,938億円
利益剰余金(内部留保) 4兆9,619億円
ROA(総資産利益率) 1.68%
借金が1年間の売り上げに迫る位あるが、利益率が異常に低く利子の支払いに追われるサラ金の多重債務者状態。
財務諸表を見る限り成長が見通せない。固定費を減らすリストラが必須だが、過去2回のリストラで従業員は4万人も減っていて約2万人位しか残っていないためこれ以上の削減は見込めない。また売れる資産がほとんど残っていないので従業員の給与削減位しか打つ手はなさそうだ。
苦しい中少ない開発費でヒット車を作り出すことができるかどうかが浮上のキーポイントだが、過去のリストラで優秀なエンジニアを失っていて、残っているのは英語力だけが取り柄の無能管理職ばかり(人事政策の失敗)。
北米ではインセンティブを減らしたら売上が急減、頼みの中国はコロナウイルスの影響で操業停止、国内は新車投入の遅れで青色吐息。
財務諸表からは何一つ光明が見えないし、商品力強化の道筋も見えない。株価はまもなく500円を割り込み年度内に300円を切る勢い。厳しい言い方になるが、ルノーにお尻の毛まで抜かれ生存するのにやっとというのが現状だろう。
一発逆転があるとしたら残された選択肢はソニーとの協業くらい、現在の役員にその選択はできないだろうから、まずは役員の総入れ替えが必要(銀行主導)。東大 機械工学卒の役員ばかりではITの天才を集めたテスラに勝てるわけがない。
過去日産の株価が500円を大きく割ったのは2回。
1998/10 290円 (過剰債務)
2009/02 261円 (リーマンショック)
その後株価が500円に戻すのにそれぞれ2年程度かかっている。
ルノーが43%株を保有しているのでさすがに300円を割ることはないだろうが、さらに下がるのは容易に想像できる。
その後3度目の復活はあるのだろうか?
Posted at 2020/02/14 16:39:32 | |
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