
四輪アライメント調整、その測定値って、果たして正確なのでしょうか? 例えば複数のショップで測定した場合、ほぼ同じ数値が出るものでしょうか...。
成り行きで(笑)、そんな疑問を少しマジメに検証してみました。
ただ、あくまで2店での比較ですから、厳密なものではありません。(^^;
たまたま今回はこうだったという程度の参考レベルです。l
まずアライメント測定ですが、現在の主な方法は以下の3種類かと思います。
1.糸と錘
→測定器が安いので個人向けであり、路面の水平が出ていればどこでも
出来るので現場向けでもあります。
→測定や調整はそれなりにスキルが必要で、目盛りの
読み方によっては誤差も出ます。
→でも校正等必要なく、物理的に直接測定するので、ハンドルセンタに狂いが
無く、正しく作業すれば数値自体は案外正確な気がします。
2.各ホイルに測定器を装着
→おそらく一番多いタイプだと思います。
→測定器が高価ですし、センサの定期的な校正が必要です。個人で持ってる人は
まずいないでしょう。(笑)
3.測定器(カメラ)は床に設置し、ホイルにはターゲットを装着してカメラで測定
→最近増えつつある、3Dアライメント測定と呼ばれる方法です。
→カメラでターゲットを認識し、車両を動かしてキャリブレーション後、測定します。
一般的に四輪アライメント調整で使われる方法は、2番が多数でしょう。
どの方法でも、ある程度正確な値が出るはずですし、複数店舗で測定した結果を比較しても、大体同じ数値になるはずです。が...、案外そうでもありませんでした。(笑)
実は昨年10月位からのタイヤ片べり対策として、12月に糸と錘方式でアライメント調整してもらいました。設定値は、
Fトー0度、Fキャンバ1.5度、Rトー20分、Rキャンバ1.75度
です。しかし内べりは解決せず、前後ローテしたタイヤも1月には内べりが発生...。(^^;
この時点で単純なアライメント計測では分からない問題が隠れている可能性を考え、複数店舗で四輪アライメント測定をして頂きました。A店は通常のホイルにセンサ取付ける方式。B店はいわゆる3Dアライメント測定方式です。
結果、理由は分かりませんが、店舗によって測定値に結構違いがある事が分かりました。比較結果がこれです。
※なお、これはたまたま今回の測定結果がこうなったというだけであり、測定方法や店舗がどうこうという話ではありません。
A店は1月20日、B店は1月27日の測定結果です。ほぼ同じ数値は緑、差の大きい数値はピンクで表しています。
トーはA店はmm、B店は度が測定時の結果ですが、比較出来る様にmmに換算しましたので、多少誤差があるかも知れません。
以下、順番に測定値を確認してみます。
●右前トー
内べりの激しい右前ですが、A店測定結果はほぼ0mm。 B店測定結果は2mmのトーアウトを示していますが、この程度のトーアウトでであれ程激しい内べりするものだろうか?
●左前トー
これはA店、B店ともに、かなり大きなトーアウト傾向を示しています。これだと直進させるため僅かにステアリングを右に切る必要があり、その影響で右前が内べりしている可能性があります。
12月にFトーは0度に調整してもらったはずですが、この状況から察するに、何故かトーアウトのままだった様です。片べり原因は、やはりFトーアウトと見て間違いなさそうです。
A店/B店のトータルトーを比較すると、A店ー3.2mmに対してB店は-7mmとなります。トーはハンドルセンターが少しでもズレていれば変わるでしょうし、どちらが正しいかは分かりませんが、激しい内べり状況考えると、B店の方がより正確かなという気がします。
●右前キャンバ
これはA店/B店共きれいに揃ってます。12月に調整してもらった数値とも合ってますので、信用して良いでしょう♪ 問題ありません。
●左前キャンバ
A店/B店で多少誤差ありますが、約0.3度ですから目をつぶりましょう。(笑) 12月調整値とA店測定値も、ほぼ同じです。
●右前キャスタ
アルテッツァにはキャスタ調整機構ないので、一度も触ってません。測定結果は0.7度の違いがあります。
●左前キャスタ
こちらは約0.8度の誤差があります。どちらもA店の方が多めの数値が出ています。
●インクルード角、キングピン角
これについては、A店/B店共にほぼ同じ数値でした。まったく問題無いでしょう。
●左後トー
これもA店/B店ほぼ同じ数値です。12月調整時の数値とも概ね合致するので、問題ありません。
●右後トー
リアトーは、FRにとって大切なパラメータです。個人的には、一番大切だと思ってます。RCでも、Rトー不足すると巻いて走れません。0度はありですが、トーアウトは絶対NGです。
で、A店測定値ではほぼ0ですが、B店測定値ではかなり大きなトーアウトを示しています。どちらの数値が正確なのかは何とも言えませんが、もしB店が正しいとしたら、思い当たる節があります。
昨年
12月のもろまえ、ブログにも書いてある通り、リアが流れてずいぶん苦労しました。また、オートランド作手のブラインドも、アクセル少しでも抜くとタックインが激しく出るので、いつも苦労してます。
それ以前にも、今は無き
YZ本コースでの巻き巻き現象とか、過去何度もリアが流れ易くなる時があって、結構悩んでいたのです。
これはもしかしたら、リアトーが0度ギリギリで、何かの拍子(ブッシュの潰れ具合等の経年変化)でトーアウト気味になった時に発生していたのかも?
とにかく個人的にリアトーアウトは、ダメ、絶対...。
●左後キャンバ
A店/B店、ほぼ同じ数値です。12月設定値は1.75度ですが、まぁ多少の違いですからヨシとしましょう。
●右後キャンバ
これはA店/B店で約0.8度ずれてますし、12月設定値からも約0.5度ずれてます。
ざっと俯瞰すると、前はトーとキャンバでA店/B店の差が大きく出ており、後は右側のみ差があるといった感じでしょうか。
さて、今回の調整はB店でやってもらいました。その結果、オートランド作手のブラインドで、アクセル抜いた時に発生する過激なタックインが収まりました♪
これはリアトーが正常になった結果と考えてよいでしょう。また、コーナ立上りでリアが出る症状も改善しました。やはり、リアトー正常化の恩恵と考えられます。
調整前のリアトーの数値ですが、A店はトータルトーでインでしたが、B店はトータルトーでアウトでした。これをを根拠として、私は3Dアライメントの方がより正確であろうと考えます。個人的に。(笑)
副次効果?として、何故か真直ぐ走る様になりました。(笑)
いや、こう書くと今まで流れていたのかと聞かれそうですが、自分の感覚では今までも真直ぐ走ってました。若干左に流れる感はあったのですが、まぁ日本の道路なので、多少は左流れは出るかなと。
これが今回の調整で、とても真直ぐ走る様になったのです。これがアルテッツァの本来の直進性だったのか...。恥ずかしながら、改めて気付きました。(^^;
さてさて、同じ四輪アライメント測定といっても、店舗によって実測値にはかなりの違いが発生する事が分かりました。では、同一店舗による測定結果再現性はどうでしょうか?
無論ぬかりはありません。B店について実測データがあります。(笑)
1回目と2回目のインターバルは一週間。B店で、同じ担当者に測定してもらった結果がこれです。
ブッシュの僅かな潰れやタイヤの減り、その他モロモロの影響がありますから、多少の誤差は出て当然でしょう。
右前キャスタで0.5度の差が出ているのが謎ですが、他は多くても0.1度程度ですから、同一店舗ならば再現性に大きな問題無さそうです。
因みにA店はホイルに測定器をセットする一般的な方式、B店は3Dアライメント測定方式です。ホイルにセットする測定器は定期的に校正を行う必要がありますが、3D方式は原則として校正はいらないらしいです。
そろそろまとめたいと思いますが、A店とB店、どちらが数値として正確なのか?
正直言って分かりません。
どのお店も、測定結果を元に一生懸命作業してくれます。つまり、測定結果は正確と信じるところがスタートです。しかし、本当にその数値が正確かどうか、個人に分かるはずもありません。
結局のところ、最後は自分が何を(どの店を、人を)信じるか? というのが、私自身の答えです。
なお今回のアライメント調整については、東三河アライメントセンターさん(B店)に大変お世話になりました。3Dアライメントという新しい機材を使っていますが、実走入れて2回測定した結果で調整するという手間暇かけた丁寧な作業にとても好感がもてます。
若干料金は高目ですが、2回目からは測定料半額となりますし、個人的にはお勧め出来るお店です。