工業製品には必ず「公差」が存在します。公差を詰めれば精度が上がり、大なり小なり性能向上も見込めますが、コストも上がります。(^^;
そこでコストを適切に抑えるため、実用上問題にならない範囲の誤差を設定して設計します。ですから、公差の範囲内の数値のずれは特に影響はありません。(建前)
私も一応エンジニアリングの世界の片隅の端の日陰の奥の一角の更に末席に身を置く者。そんな事は分かっている、分かっているさペンチノン...。
そして、
建前の裏には本音がある事も。(笑)
さて本題です。
アオテッツァ君のキャンバ角、最大限付けると左右で揃いません。かなり差が出ます。(笑)
まさか、公差最大値を自分の車で目の当たりにし、その影響をモロに受けるイベントが、自分の人生にあるとは思いませんでした。(笑)
アオテッツァ君のフロントキャンバ角、今まで左右-1.5度まで揃うという認識だったのですが、実は右が調整範囲一杯まで動かしても-1.2度という事が、先日のアライメント調整で判明しました。(^^;
#左は-1.6度以上いけるのですが...。
その原因ですが、どうやら
フロントサブメンバが中心からずれているらしい...。
右側はサブメンバとサイドメンバに隙間があります。
しかし左側は、サブメンバとサイドメンバがぴったり当たってます...。
イカスーッ!
メンバが一杯まで左にずれてるぢゃん!
サブメンバは物理的にこれ以上動きませんから、取付公差最悪状態と思われます。orz
そうか、キャンバが揃わないのは、これが原因だったのか...。衝撃の事実です。
御トヨタ様の設計要件は分かりませんが、一般論で考えると一カ所位置決め穴(ボルト)を決めて、あとはある程度のバカ穴にするはず。
精度について、車のパネルスポット溶接はコンマ数mm程度、ボディの各セクション毎の精度は1㎜程度を狙っていると聞いた事があります。(真偽は不明)
とすると、足回り位置決めの要であるサブメンバに、これほど大きな公差を設定するものだろうか...? 目分量ですが、4mm~5mmはありそう。(^^;
単純に考えると、
車体中心に対して、トレッド中心が2mm~3mmずれている事になります。(^^;
いや、もちろん
公差範囲内のはずですから、何も影響は無いはずですし、この程度で影響あるとは思いませんが...。
とは言え、知らぬが仏とはこの事で、知ってしまうと気になります。(笑)
もしシャシ関係の設計者の方がいたら、この辺りの公差ってどういう考え方なのか、向学のためにも内緒でこっそりメッセージで教えてくれると嬉しいであります。(笑)
ロアアームが付くメンバが左にずれれば、左のキャンバが増えて右のキャンバが減るのが道理。つまり、現状の右側キャンバが調整幅一杯でも左より少ない事と辻褄が合います。
東三河アライメントセンターさんも主治医も、これに気付いて何とかメンバを中心に動かそうとしてくれましたが、ボルト緩めてもメンバが動かない....。
そう、動かないんです。実は想像以上にネジ穴の精度が高くてガタが無いのか、あるいはエンジンが重くて動かないのかは分かりませんが、とにかく動きません。
となると、エンジン吊り上げて負荷を無くしてから動かすか、あるいはあるいは
リジカラ入れるか?
リジカラはバカ穴にアルミテーパ部材ぶっこんで、ボルトで強引に締める事によってセンターを出しつつ、バカ穴のガタを無くす様ですから、センターは出そうな気がします。ただ、もしサイドメンバのボルト側位置が公差の関係で左に寄っているなら、あまり改善は望めないかも知れません。
色々個人的に思うところあって、リジカラを導入する気はあまり無かったのですが、とにかく何らかの方法でサブメンバを中心に移動させないと、キャンバ左右角度の問題は解決しません。
嗚呼、考えると結構気になります。(^^;
あまり悩んでもしょうがないので、取りあえずキャンバ-1.2度でサーキット走ってみたのですが、明らかにタイヤ外側の温度が高いので、キャンバは不足気味と思われます。
国内は時計回りコースが多いので、左側のキャンバだけ元の1.5度に戻すという選択肢もありますが、やはり左右数値は揃えておきたいところ。
さて困った。一体どうしたものか....。
と、ここまでが1月の状態。
ふと気づいたら、2月下旬に何故かアッパーアームが青くなってました。うーむ、実に不思議な事があるものです。しかもこのアッパーアーム、キャンバ角が調整出来るらしい。(笑)
キャンバ左右調整幅の問題はサブメンバ動かさないと解決出来ないのですが、アッパアーム長を左右で変更して、-2度でキャンバ角揃えてみました。
さすがにファミリーカーで2度は多過ぎな気もしますし、アッパアーム長が変わると厳密にはタイヤストローク時の幾何学的軌跡も左右で変わるのですが、物は試しです。鈍感な私なら、きっと何も体感出来ないから、結果的にはノープロブレム?のはず。(笑)
#ホントはダメですよ。
きっとキャンバ不足を解消した事により、ノーズがゴリゴリとインに入ってぐいぐいと曲がり、ポ~ンとベスト更新出来ずはず!
という目論見は見事に外れ、ベスト更新どころかかなり遅いタイム...。キャンバ-1.2度でも-2度でもタイムに大差ないとは...。世の中の厳しい現実を知りました。orz
ここまでが先週の話。
さてさて、次の一手はどうしたもんか。
まずR1Rの使い方を色々試して、本来の性能を少しでも発揮させてあげるのはもちろんですが、機械は常に正常な状態にしておきたい質なので、フロントメンバのセンタ出しも何とかしたいところ。で、左右のアッパアーム長も合わせなければ。
リジカラ試してみるか、一旦エンジン吊ってサブメンバ動かしてみるか...。
地味ですが、当面の課題です。
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Posted at
2017/03/19 13:20:00