車の未来 3-2
将来の車の動力は最終的にバッテリーの電気を燃料とするEVであるという予測に変わりはないようです。
しかし、バッテリー自体はその制御技術こそ進化しているようですが肝心要のバッテリー本体の容量アップに関してはなかなか進歩しないようですね。
私が免許保持している間に500km普通に走れるEV車が実用化、普及しているのか?
微妙な情勢になってまいりました。
現状ではシティ・コミューター?
都内だったら航続距離100km未満の用途でのみ使用可能といった用途限定。
ご近所走るだけのミニ自動車意外に実用化の目途はたっていないもよう。
ただ、EV車への進化途中形態としてHVやPHV、さらにはFCV(燃料電池車)は順次普及していくわけでHV、PHVの次はFCVか?
トヨタが水素を燃料とするFCV、「MIRAI」を年末から販売開始するらしい。
水素をどこで給油ならぬ給気するという問題は置いといて、最大の懸案はやっぱり衝突時の水素タンクの安全性。
福島の原発も東北地震の際は原発から漏れ出た水素が原子炉を覆う部屋に溜まりそれが爆発して屋根が吹き飛んでましたからね。
タンクはカーボン製で一説には乗員が死んでしまうような衝突事故でもタンクだけは大丈夫だとか・・・。
密閉空間で酸素と結合しないかぎり水素は爆発しない。
水素自体はガソリンほどカロリーが高くないのでタンクから漏れ出てもガスバーナーの様に燃えるだけ。
酸素と混じり合わなければ水素は爆発しない、車両内での水素漏れの対策も万全ってトヨタは言ってますが、水素が詰まった燃料タンクは700気圧。
事故の際、仮に燃焼を伴う爆発はなくても、700気圧の高圧タンクが破裂した場合はどうなる?
700気圧っていうのはたぶん航続距離400km走らせるために必要な水素の量と車に乗せられるタンクの容量から決まった数値のはず。
タンクが破裂した場合の被害予測から安全性を見込んで圧力が決められたわけではなさそう。
タクシーに使用されているプロパンタンクが8.5気圧だそうなんでそれの80倍以上の圧力で水素を詰めこんでいるわけです。
お祭りなんかで売っている風船に空気を入れると風船は15-30気圧になる。
風船が割れると風船内で加圧された空気が大気に開放されてバーンという衝撃がありますが、水素タンクはそれらの40-50倍に圧縮されてるわけです。
燃料満タンで事故を起こしてタンクがちょっと破損しただけでも700気圧が一気に開放されるエネルギーは大変なものでは?
スキューバダイビングで使用する酸素ボンベ。
これが150気圧。
実験でダイバーがこの水素ボンベを背負った状態で150気圧のタンクを破裂させたら人体バラバラになったという話し。
気圧も5倍近く高い、容量もずっと多い車の水素タンクが破裂したら車も木っ端微塵になるんでしょうな・・・・。
と危惧しております。
ただ、アジア諸国では経済の発展にともない急激なモータリゼーションが進み地球は車で溢れかえる。
これからは地球環境に配慮した車造りしなきゃならんっていう趣旨は良く理解できますが、地球温暖化の進行って言われてもなかなかぴんとこない。
ヨーロッパの人は普段の生活でもCO2排出量減らそうっていう意識が個人にも蔓延してるんですか?
いずれにせよ、これからの車造りのトレンドは以下の3つに集約されていくんでしょうな。
1. ポスト内燃機関エンジン及び低燃費(低CO2排出量)エンジン
2. 車体の軽量化
3. 安全装備の充実、及び自動運転の実用化
最近日本車では「衝突被害軽減ブレーキ」、「車線逸脱警報装置」が普及しつつあり、行政でも国交省が「予防安全アセスメント」としてそれら上記2種の試験をそれぞれAEBS試験、LDWS試験として実施、結果を公表しはじめました。
その結果をみると各社横並びという訳ではまったくない。
特に「衝突被害軽減ブレーキ AEBS」ではぶつからないようにどうやって車間を計測するかの手段が各社違っていて(レーザー、レーダー、デジカメ)そのせいなのか各車かなりの性能差があります。
今年10月の試験では国内8メーカー、26車種で試験しましたが、スバル圧勝(3車種)、だいぶ離されて日産(3車種)、次いでトヨタ・レクサス(6車種)、マツダ(2車種)、もうどうしようもなくボロボロなのがホンダ(4車種)、スズキ、ダイハツの三社連合。
スバルのアイサイトⅡが圧倒的に優秀なんですね。
最新のレヴォーグが満点、フォレスターやインプレッサも限りなく満点に近い。
トヨタはレクサスLSが満点だしましたが、それ以外は惨敗と言って良い状態。
ハリアーおろかレクサスNXあたりでも全然駄目、日産以下。
日産が思ったより良かったのは意外でしたが、ホンダは普通車でもスズキの軽に負けてますからどうにもならん状態ですな。
ちなみにレクサスLSはレーダーとステレオカメラの併用で満点。
でも、そのオプション選んだら136万円。
さらにレーンキープとナイトビジョン(ベンツSに付いてる警備カメラ・モニターみたいなあれですな。)とか付けたら164万円。
もう・・・・、「164万円!?、 はっ?」
という感じですな。
スズキやダイハツの軽自動車がオプションにコストを掛けられないので結果が思わしく無かったのは理解できますが、トヨタがレクサスとは言え164万円のオプション装着車でようやく満点取りました・・・。
「うーん・・・・。」
と思わず唸ってしまいました。
もうトヨタ、この分野では完全に出遅れた存在だったんですよ。
それが、突然今月トヨタは2015年の車から「Toyota Safety Sense」なる予防安全システムをリーズナブルな価格で新車に装備するって言い出したんですな。
概要見るとPとCにそのシステムは別れていてコンパクトカー向けにはレーザーとシングル・カメラを組み合わせた「C」, ミディアム・大型クラスではミリ波レーダーとシングルカメラの「P」。
こういうところでも差別化しちゃうところがトヨタらしいと言っちゃトヨタらしいのですが、自社での「AEBS」、「LDWS」を模した試験ではかなりの好結果と言ってるらしいのでコンパクト向けのCでも日産を超えるくらいは行くんでしょう。
「P」だったらスバル並になるのか?
ただ私が気になったのは「Toyota Safety Sense」なる新装備が車同士の双方向通信に対応しているっていうところ。
私、個人的にこの車同士がクラウドを通じて通信しあう(双方向通信する)っていう事に興味があってネットで関連記事とか注意してみてるんですが2020年くらいの実用化って言われていたんですよ。
それが2015年にトヨタが実用化する。
衝突被害軽減ブレーキの性能ではスバルや日産に比べて大きく出遅れていたトヨタがこれで一気に挽回、さらには双方向通信の実用化で一気にトップに踊りでた可能性があるわけです。
路上にある車がアクセルを踏む、ブレーキを掛ける、車速データ、ワイパー作動の有無、温度計等のCAN BUSデータを各車が発信、クラウドで解析して必要なデータに加工した後、各車に送信して渋滞緩和。
さらには同じシステムを搭載した至近距離車両とクラウドを介さないで直接車同士で相互通信しあう。 前車の急ブレーキなどに即座に対応して後車がブレーキを掛けて衝突を回避する。
こういうのって内容は通信速度次第ですが通信速度は今でもどんどん進歩しているのでそのうちナビの地図データや音楽データすらクラウドになるし、車載カメラの映像データすら有効利用できる解析システムが登場する。
GPSによる位置データと関連づけてCAN BUSデータが解析できれば渋滞間を迂回指示による渋滞緩和や高速での濃霧に寄る玉突き事故等のリスクを減らせるかもしれないわけで個人的には「大革命」。
今回の「Toyota Safety Sense」がどこまでの内容を双方向通信しようとしているのか不明ですが、これは凄い。
国内で販売される新車の半分はトヨタ車ですが、これから発売される全てのトヨタ車が双方向通信するとなればあっという間に普及するでしょうな。
キラーコンテンツになりかねない装備ですよ。
他社は後追いせざるを得ないし、シェアが少ないメーカーの車だけで双方向通信してもデータの内容が乏しくなるのでトヨタとクラウドシステムを共有せざるを得ない。
トヨタは最初にシステム実用化しちゃえばここでも金を取れるわけで世界的に広がるならトヨタがこの分野で世界の主導権を握る。
GOOGLEだとかも頑張ってるはずですが、それに先駆けてトヨタが実用化?っていうか、実用化宣言しちゃったわけなのでこれは関係者には「衝撃」だったはず。
どいうものなのか楽しみです。