2019年02月12日
飛び込め! 大型特殊一発試験!
そうだ、大型特殊免許、取ろう。突然そう思い立ったのです。
ああいえ、前々から興味はあったのです。大型二種免許と牽引免許を取得するなら、ついでに大型特殊免許を取っておけば(トレーラーバスを除けば)、この国のあらゆる自動車を動かせるんじゃね!? とか考えてしまった訳なのです。
ただですね……やはりそこは「お金」の問題がありまして、既に大型二種で41万、牽引で14万、フォークリフトで3万5千。合計で60万ほど吹っ飛んで行っている現状、これ以上の出費はとてもとてもつらい訳でございます。車検も近いですし(吐血
一応、近所の自動車学校の大型教習の費用を調べてみたら10万5千円でございまして……。教習そのものは技能6時間しかなく、最短4日で取れてしまうのです……が、さすがにキツイっす。
大型特殊は取ったとしても、運転できるのは実質的にロードローラーやタイヤローラー、ラフタークレーンぐらいですし。今の所は土建業に就く予定もないので取っても実用性がないかな……と思って半ば諦めて。それでも未練がましく悶々と色々と調べてみたら、大型特殊の一発試験のネット記事に辿り着きまして。
一発試験。飛び込みとも呼ばれますが、普通は免許を取ろうとすると公安委員会指定の自動車学校に通うことになる所を、公安委員会の運転免許試験場で直接技能試験を受けて取得する……という手法です。
試験官は警察OBの方々で、採点は非常に厳しく。合格率は極めて低い試験であります。しかし何でも「大型特殊は一発試験の中では比較的簡単に取れる」「肝となるのは方向転換ぐらい」「一回で取れた人もいる」「受験料は一回4000円ぐらい」etc etc……
なるほど、これなら何とかなるかな!? と思って、それじゃいっちょ一発試験、受けてみるか! となった訳でございます。

某日火曜日、やって来ました京都府公安委員会の運転免許試験場。なぜ火曜日かと申しますと、京都府では大型特殊の試験日は火曜日と決まっているからでございます。ちなみに牽引免許は金曜日で、普通・中型・大型や要予約です。東京とかだと、大型特殊でも要予約みたいですね。
なお、大型特殊二種免許と牽引二種免許は、自動車学校で教習が行われていないので、取得しようとするならば一発試験以外に方法がありません。

大型特殊の受付は11時~11時30分の間……であるとホームページにも書かれていたので10時半に行ってみたら、なんかもう書類だけは普通に申し込むのは申し込めました。
窓口で申込み用紙を受け取って、あれこれ記入して写真を貼って、受験料2600円の証紙を買って、視力検査を受けて。11時になったら技能試験の窓口が開くので、そこで書類を出せば、とりあえずは申込みは終わりです。
試験開始は13時からなので、その間に試験用自動車使用券(通称・チケット)を購入。つまり試験車両のレンタル代ですね。1450円でした。
普通車の学科試験を受けに来ている人たちでごった返す運転免許試験場。自販機で軽食を買って腹ごしらえしたり、ポケモンGOやったり、試験コースを確認したりで時間潰し。
……と、ここで一つ違和感が。大型特殊免許の本日の試験コースは2コースである……と電光掲示板に表示があるのですが、コースの地図が……どこにも掲示されていないのです。

普通車や準中型、牽引などは全てコースのルートが技能試験待合席の周辺に掲示されているのですが、なぜか大型特殊のだけがないのです。
事前にネットで色々と調べていると、個人サイトにて京都府の免許試験場における大型特殊のコース地図があったので、それを既に頭には入れていたので特段困らなかったのですが……

12時になると、コースの下見がOKに。普段は立ち入ることのできない試験場のコースを、自分の足で歩いて見て回ることができます。なお、コース下見が可能という案内やアナウンスは一切ないので、これもまたネットで事前に調べておいたおかげです。
後で思えば、色々と必死で事前に調べておいて本当に良かった……と心底ゾッとする展開が待ち受けていたのですが。

そして試験車両はこちらです。コマツ製のショベルローダーでございます。最近は車体の前後が半部に折れるタイプのホイールローダーが大型特殊の試験車両に使われる試験場もあるそうですが、京都府は後輪操舵タイプの車両でございます。
思っていたよりも結構デカイです。でも、後輪操舵なら基本はフォークリフトと変わりません。こないだフォークリフト技能講習を終えたばかりですし、何とかなるでしょ! ……などと考えていたのですが、この後すぐ、それはそれはあまりにも甘い考えであったことを思い知らされることになります……
迎えた13時。試験コースの発着場に集まって早速、試験開始。この日は5~6人の方が受けに来ていたのですが、不運なことに霧島が一番手です……。しかし、やるしかありません……!
車両周辺を確認して、ハシゴを登ってミラーを調整してエンジン始動! そして設置しているショベルをちょっと上げて……上げて……。えーと、操作が全く分かんない……(顔面蒼白
運転席はレバーがいっぱい。でも、どれをいじれば、どう動くのか全く分からないし、そもそも車両のどこにも書かれていません。
もちろん、事前にあれこれ調べてはいたのですが、この手の重機は車両によって操作系なんて全部違うに決まってるじゃないですかーやだー! 見かねた試験官の先生が、ちょっとだけ助言してくれて、何とかショベルを上げて、いざ発進!
……発進……発進……したけど、ギアどうやって変えるんすかコレ。1速に入りっぱで、どうレバーいじっても2速に入らない……。これも事前に調べてたのですが、これも車両によってシフトの段数や操作方法が全然違ってて、ネットの情報が全く役に立たない……ッ!
レバーをちょっと上に持ち上げてから押し込むと2速に入る……と気がついたのは、試験がそこそこ進んだ後でした。そして2速に入れて指示速度20km/hを出すと……車体が思いっきりフラついてフラついて止まらない……!
ステアリングはフォークリフトと同じく左手ひとつでノブを握って回すタイプ。それにしても……右手を添えてもフラフラフラフラと……
「○○さん、止まって。点数がもう残りないんですよ(つまり70点割った)。そのまま発着点に戻って」との宣告。コース完走すらならず、試験中止でした。方向転換すらたどり着きませんでした。と言うか、恩情でそこまで走らせて貰っていただけでした。
発着点に戻って受験票を返されて(つまり不合格の意味)、簡単な講評。どれだけボロクソに言われるのかと思いきや、とても優しくあれこれ指摘して頂きました。
というか実車を使った「練習」ができたんですね……。隣の交通安全協会の練習場で……

画像の右側にあるのが、交通安全協会の練習コース。ここで試験に使う車両をレンタルして練習ができるらしいです。もちろん、試験場のコースでも可能だそうです。そういうカラクリだったのか……!
そして試験中、コースの指示は貰えません。一切合財。おっかしいなぁと思っていたのですが、コースの地図は交通安全協会で売ってるらしいです……。そう、他の受験生の方から教えて頂きました。もし事前にネットで調べておかなかったら……と考えると本当に恐ろしいです。

↑は牽引の試験コースの地図なのですが、どうもこれの裏側が大型特殊のコース地図になっているそうで…… し ら ん が な 。これが大型特殊の側になってるの、見たことないですYO!
「あー……」っと脱力しながら待合のベンチへ向かうと、他の一発試験受験者の方が笑顔で迎えてくれました。それによると……
「一回目はみんなそんな感じ。一回目で完走できる人はほとんどいない!」
とのことだそうで……。皆さん、既に四回目五回目の受験者ばかりで、すっかり常連の顔なじみになっている模様(白目
霧島 「いやぁ、フォークリフト持ってるから何とかなるかなー、と思って受けたんですが」
一同 「みんなそう思って受けに来るんだよねぇ……(受験者みんなフォークリフト持ってる」
なお、この日、唯一の合格者だった方(四回目受験。大型二種・牽引二種保持者。今回で大型特殊二種合格!)が仰るには「フォークリフトと同じだなんて甘い考えは捨てなきゃダメ」とのことでした。
他の方も、コース途中で発着場に帰らされたり。完走はしたけれど不合格だったり……でした。教習所で大型特殊を取得済みの方が二種に挑戦しても、やはり不合格。ううむ、やはり一筋縄ではいきませんでした。
しかし、一発試験を受けに来ようなどと言うのは揃い揃って免許マニアでございます。何度も落ちて何度も挑戦する中で顔なじみとなり、謎のシンパシーと連帯感が生まれていました。
霧島も試験には落ちたものの、すっかり他の方と意気投合して和気藹々、ゲラゲラ笑い合って話をしておりました。「どこの教習所がどうこう」とか「あの試験官は厳しい」とか。
ショベルローダーの扱いのコツや、どう運転すべきか、どうラインをなぞればいいか、どのぐらいスピードコントロールすればいいか……などなど。一発試験を受けた人しか分からないような情報交換も盛りだくさん。
いやもうホントに楽しかったですよ! 試験には落ちたのですが、本当に勉強になりましたし、何より面白かったです! 4000円払って受けてみる価値は大いにアリです。これは病みつきになりますね……
散々な結果に終わった大型特殊の一発試験。でも受けてみて本当に良かったです。非常にいい経験になりました! 何よりも、何かを「運転する」ってやっぱり楽しいことでございます! それが一番大きいですね!
いやホント、いっぺんぐらいは一発を受けてみることをオススメします。なお、霧島の父親は普通免許を一発試験で取ったらしいです(白目
とは言え、今後の試験対策として交通安全協会の練習場で練習しないとダメですね……。そして調べてみたら、練習料は一回一時間10000円也……うーん、どうしましょう。あまり何回も練習すると、一発で取る金銭的な旨みはなくなりますね。
何にしたって、大型二種の教習があるので、当分は一発試験も受けられないのでございます。もうちょっと色々と考えてみましょうかね。
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Posted at
2019/02/12 22:40:53
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