2019年03月05日
悪戦苦闘! 大型二種免許! Part Ⅰ(教習開始編)
2018年12月25日。牽引免許の教習中だった霧島は、次なる免許の取得を目指して、新たな自動車学校を訪れました。
やって来たのは奈良県大和郡山市にある奈良交通自動車教習所。名前の通り、奈良県下全域に亘ってバスを運行している奈良交通、その直営となる自動車学校でございます。そう、次に取得するのは大型二種免許、つまりバスでございます。
京都府南部・奈良県北部において大型二種免許を取ろうとするならば、京都市内の四条デルタ教習所、京都府井出町にある山城自動車教習所、そして奈良県大和郡山市にある奈良交通教習所の三つが候補として上がって参ります。
その中で、なぜ奈良交通を選んだかと言うと、全国に数あるバス会社の中でも奈良交通の運転技術は非常に高いと評判であり、「ミリ単位でバスを転がしている……!?」などと形容されることもあるぐらいなのです。実際、奈良市内を走る押熊線なんかは、普通車でも離合が難しいような狭い路地裏を、大型バスで走ってたりしましたしね。
……そんな奈良交通ならば、間違いはないだろうと思ってのチョイスです。ちなみに大型二種の教習費、奈良交通は他の教習所に比べてかなり安いのですよね。デルタよりも8万円、山城よりも5万円ぐらい安いです。おそらく、教習車を自前の中古で調達することが可能だからでしょう。
で、申込み手続きなのですが……牽引免許の時と同じく、いきなり難関が立ちはだかります。そう……深視力検査です……(絶望
奈良交通の深視力検査の機械なのですが……実際に三つの黒い棒が動くタイプではなく、画像が動くタイプでして……全く分かんない……ッ! 見るに見かねた職員さんが、旧式の実際に棒が動くタイプを案内して下さったので、何とかクリアできました……。全く、前途多難です。
教習の日程、予約も申込みの時に全て受付の方が組んで下さいました。それによると……教習の開始日は何と年が明けた1月26日から……!? なんと一ヶ月も待つ羽目になってしまいました。
何でも、教習用のバスが3台しかないことが一つ。指導できる教官にも限りがあることが一つ、という感じらしいです。この日は牽引の教習の待ち時間を使って、ふらりと申し込みに来たのですが、早めに申し込んでおいて良かったです。後で聞いた所、1月に申し込んだら、3月まで待たされることになったみたいですし。
……それからと言うもの、年をまたいで牽引免許の教習を終えて、運転免許試験場に免許の書換えに行ったり。フォークリフトの免許を取りに行ったり、危険物取扱者の勉強をしたり……で、ようやく迎えた1月26日。待ちに待った教習のはじまりでございます。
さよーならー、霧島の血と汗と涙の41万円……。もちろんニコニコ現金一括払いですよ!? なお、霧島の現有免許は準中型5t限定(旧・普通免許)とかいう謎の扱いなのですが、霧島より半年早く普通免許を取った方々は中型免許の扱いとなり、大型二種の教習が9万円も安いんですよ……全く同じ教習課程を経ているはずなのに。キレそう(憤怒
そして教習開始……とは言っても、まずは座学からでございます。第一段階は7時間ほど。
初日に3時間、2日目に4時間ほどぶっ続けでの学科です。二種免許向けの学科でして、大型・普通の二種の方々合わせて9人ぐらいで学科を受けていました。中高年の方ばかりでして、33の霧島が最年少じゃなかろうか……という感じです。
なお、教科書のイラストのクルマがどう見ても90系マークⅡなのでおっかしいなぁ……と思って奥付を見たらトヨタの関連会社が作っている教科書でした。トヨタも色々と手広くやってますねぇ……
学科は退屈だろうなぁ……と身構えていたのですが、予想に大きく反してとても楽しかったです。そこはやはり、二種免許な訳です。みんな10年、20年と運転経歴のある人ばかりでして、教官の先生もかなり実際の交通事情を絡めてお話をして下さるので、面白いのなんの。これは嬉しい誤算でした。教官の先生にとっても、二十歳前後で初めて免許を取りに来る若い子と違い、話が伝わりやすくて助かるみたいですね。
教習開始から三日。学科を終えて、ようやく実車の教習となりました。いや、やっぱり教習バスが限られているらしく、予約の待ち日数も凄かったんですよ……
そして教習で使われるのはこちら。日野のブルーリボンでございます。実際に奈良交通の路線バスとして運行されていた車体だそうで、年式はなんと平成3年……!? 28年落ちの車体ですねえ(白目
車体の全長は10.68m。ホイールベースは5.2m。全高3.1m、全幅は2.5m……。でかい、でか過ぎます! 間違いなく霧島が今まで動かした自動車の中では最大のものとなります。まあ、10tトラックの教習車は、さらに1mぐらいでかい訳ですが。
「じゃあ、早速動かしてみようか~」と、満面の笑みの教官の先生。ホントにこんなん大丈夫なのか!? と思いつつ、ギアを2速に入れてサイドを下ろして発進……!
日のすっかり落ちた暗闇の教習コース。ゆっくり、のっそりと動き始めるバスの巨塊。未知との遭遇、ファーストコンタクトです。動いてる……! 動いてるよ、バスが! 動かしてるよ、自分が! まさかバスを動かす日が来ようとは思いませんでした。
ただ、どこか同時に「バスって簡単なんじゃないか?」などと思っていたのも事実です。何故なら牽引免許を既に取得していたので、「大型車と言ってもトレーラーみたいに変な動きもしないし、バスは意外と小回りも利くって言うし」なんてことも心の片隅では思っていました。ですが、そんな甘い甘い気持ちは一瞬で打ち砕かれることとなります。
バスとトラックでは、操作感覚があまりにも異なるのです。トラックだとフロントタイヤは運転席の真下にあるのですが、バスのフロントタイヤは運転席の遥か後方、1m以上後ろにあります。そう、フロントタイヤの通る軌跡が全く分からないのです……!
カーブを曲がるにせよ、交差点を曲がるにせよ、とにかく前へ前へと突っ込んで、運転席ごと飛び出していかないと曲がれないのです……。加えて、そのオーバーハングの長さ。据え切りをして曲がった場合、フロントは1.32m、リアは82cmも横に飛び出してゆくことになります。
ステアリングを切る際、どのタイミングでステアを切ればいいのか。早すぎるのか、遅すぎるのか。これまでの運転の常識が全く通用しません。トラックの方がまだなんぼか分かりやすいと思います。ステアリングも、これまた遊びが大きくて大きくて……
もちろん、この手の車にありがちなクセのあるエアブレーキですよ。スムーズな停止なんて無理ゲーです。10トンに及ぶ車重も相まって、走らないし、止まらない。エンジンはたぶん9.9リッターの水平ディーゼルエンジンらしいのですが、アクセル踏んでも加速しないのなんのー。
ディーゼルは低速トルクの鬼、そう信じていた時代がわたしにもありました。直線で30km/h出すのも一苦労。この型のエンジンは特にパワーが無かったらしいですね。空車でこれなら、実際の運行どうしてたんでしょ……?
シフトレバーは昔懐かしのロッド式。今やバスは電子式or空気式が当たり前のショートストロークシフトなのですが、これはガッツリミッションへ直結のロングストロークです。おかげでニュートラに入っているのか、ギアが入っているのかすらも分かりにくい……。加えてクラッチがヘタっている車体もあって、ギアが入らないことも……
走る・曲がる・止まる。とにかくあらゆる面で思い通りにコントロールできません。ちょっとでもタイミングを誤れば教習所内でも大事故です。時速10kmでカーブを曲がるだけでも本当に恐ろしいのです。
教習が終われば、真冬なのに汗びっしょりのぐったりですよ……。教習が終わった後は「本当にこんなの転がせるようになるのか……?」と茫然としていました。
教官の先生によれば「大型を取りに来て、挫折して途中で辞めた人もいる」とのことでした。
……こうして、霧島の悪戦苦闘の一ヶ月が始まったのです。
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Posted at
2019/03/05 22:12:01
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