Avanti Yasunoriのブログ一覧

先回，大きく盛り上がりを見せた この議論。　第２弾 が更に続いています。（笑）
コメントしている皆さんも，多々思うところが有って，簡単に割り切れる議題では無さそうな気配。

岐路に立たされている日本車の現実を案じる気持ちは皆有るものの，これといった打開策が見えて
こないのが実情といったところか。 そんな中，ユーザー側の声が高まらないと，メーカーも動かない
現実を踏まえて，まずは皆の思いを発信しようよ！という書き手の意思がひしひしと伝わってくる。　

でもよくよく考えてみると，そもそもみんカラを楽しんでいる人達はクルマ好きが大半だと思われる
ので，コメントしている読者はある意味，日本車の現状に対して既に何らかの問題意識を持っている
人達ではないのかと。　その事はコメント投稿数の多さからも察しが付く。　

だが，書き手が課題としているのは 「走りの楽しさ」に無頓着な人達にもっと関心を持ってもらって
カーメーカーの意識を変えさせる事の筈。 だとするとここでの議論は噛み合わなくて当然かも・・・

自身もこの中で実はコメントしている一人だったりするのだが，やはりどうも噛み合わない。（笑）
その理由は前述のとおり。 自分が思うにはこの議論はむしろ書き手がカーメーカーに訴求すべき
話であって，その方が自然だと感じる。 カージャーナリストという職業上，メーカーとの付き合い等で
面と向かって言い難い事もあるとは思うが，矛先はやはりそちらでは？と。 恐らくメーカーの人間が
ここを読んでいる前提なのだとは思うが，プロがここで呟いていてもなぁ・・・ なんてね。
まぁ勿論，正確には書き手が言う 「ユーザとの協業作業」 という側面を否定するつもりも無いが。

で，ここからが本題。 「走りの楽しさ」を日本車で実現するのに今現在の実力のままで　例えば
欧州車のような味を本当に出せるのか？という点。　ここに自身はモヤモヤとした物を感じている。
要するにコストをケチっている事だけが，走りが楽しくない原因だとは自身は思っていないのだ。

本当にコストダウンだけが原因だったら，例えば逆に高価な Lexus系は走っていて楽しいか？
その答えがもしノーなら，何か考察が抜け落ちているのではないか？と思う。
つまり，本当に味の出し方を知っていて，廉価車にそれを織り込んでいないだけなら極端な話，
打開策は単純。 つまり，走りを犠牲にした部分に本来必要なコストを他の部分のコストで補うだけ。
それは理論上の話だけで言えば深刻に考えるほど実は困難な話では無かったりするのだ。

しかし，現在の日本車に「走りの楽しさ」が足りないとすれば，その原因はコストだけが支配的では
無く，真の原因は他にあると考えている。 それは開発段階の例えば足回りやエンジンフィールの
作り込み期間が欧州車に比較して短い上に「乗り味」等の感性の部分の評価基準不足が災い
している結果ではないかと推測する。 ヘタをするとクルマ作りへの「情熱」も不足しているのかも。

要はあともう少しのところまで来ているのに何かが足らない・・・　料理に例えるなら，「まずくて
食べれないとは言わないまでも，さほど旨くも無い」 という感じで，重要な「隠し味」 の使い方を
実は未だ欧州車から学びきっていない事の方がむしろ支配的ではないかと考えている次第。