今回は刺激的なタイトル・内容です。
クッソ話が長いので結論から!
純正マフラーの【相対値規制】適用により
P5C1流用は
2021年12月~2022年8月製作車:よくわかりません
2022年9月以降の製作車:車検NG
だと思ってます。
もしP5C1付けちゃってる人がいたら…
絶対に新車装着マフラーは捨てないで!車検で使うよ!!
指摘・ツッコミ大募集!勉強させてください。
P5C1なのでNDロードスター 1.5L MT車に絞った話をしています。
いつも通り、誰が読むんだよってレベルの長文ですが…
どうぞ!
まえがき
NDロードスターでは2021年12月に6.5型と言われる年次改良がありました。
990Sデビュー・KPC搭載がこの時です。
その改良時、純正マフラーが妙に静かになったんです。
くらおちゃんねるさんの動画より
【辛い】2015年式と2022年式のマフラー音の違いがヤバい。ロードスターの純正マフラー好きだったのに・・・。騒音規制について思うこと【ND】
https://www.youtube.com/watch?v=nQ51SyXOnQQ
今までのNDの純正マフラーはもっと良い音だったよね!?
2021年12月以降の車両には「P52T」「P54B」というマフラーが付いてます。
それより前は「P5C1」で、良い音と言われていました。
それなら…ってんで、皆こぞってP5C1マフラーを流用装着してます。
もうめちゃくちゃに大流行です。
良い音を取り戻して、純正マフラーだから安心!めでたしめでたし…
なのでしょうか!?
法規を見よう
めんどくせーけど大事な法規制の話です。
頑張って調べました。
主に根拠にしたのはこちら。
国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2022.10.7】
第118条(自動車の騒音防止装置)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S118.pdf
国土交通省の環境対策から、騒音対策の項目。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/kankyo.html
国交省の2016年4月発表。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000166.html
四輪車騒音規制 協定規則第51号(UN-R51)の国内採用となっています。
また柿本さんの解説も参考になります。
https://www.kakimotoracing.co.jp/site/exinfo.html
そしてこちらはマツダが公開している主要諸元表のまとめです。
6.5型は特に1月登録と9月登録で2台の車検証確認も行いました。
2型~5型の空欄は諸元表に記載がなく、別ルートで車検証の確認もできていない箇所です。
今回の6.5型以降の理解には問題ないでしょう。
社外マフラーは良い音出せるよ??
まずは「性能等確認制度による認証マフラ」の規制値です。
つまり
JASMAプレート取ってる認証社外マフラーの話っすな。
文脈によっては「交換用マフラー」「後付消音器」とも言われますが
それみーんな認証社外マフラーを指す行政用語です。
交換用マフラー事前認証制度(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk10_000019.html
交換用マフラーは基準適合品を!(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001483786.pdf
国交省の当時の発表には下記とあります。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000166.html
つまり認証社外マフラーは当面は絶対値規制が適用され、
【近接96dBA】が規制値です。
<2024/4/24 23:50追記>
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2022.10.7】
第118条(自動車の騒音防止装置)
四-ロ 消音器について改造又は交換を行った自動車
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S118.pdf
を見ても、基準が96dBA (=91+5) となっています。
しかしこの条文の「交換」は一般用語ではなく、保安基準上の行政用語であることに注意が必要です。
すなわちこの条文の「交換」とは「交換用マフラーへの交換」であり、認証社外マフラーへの交換を指すということです。
単に純正マフラーから純正マフラーへ "交換" した場合、保安基準の条文で言う「交換」にはあたらないのです。
<2024/4/24 23:50追記 ここまで>
社外マフラーメーカーさんは車両型式ごとに別々に騒音試験を受けます。
NDが新型式になれば認証取り直し。
ただ規制値は96dBでずっと同じ。出力も大幅に違わなければ、現実問題としては現行販売中のマフラーで追加の認証試験もパスできる可能性は高いでしょう。
現にAutoexeさんのデュアルマフラーはそのままで早速ND5RE/NDEREの対応も追加されてますね。
https://www.autoexe.co.jp/?page_id=4756
そう、JASMAプレート取ってる認証社外マフラーは良いんですよ。
近接96dBAの規制値がずっと変わってないんです。
表を広げると、こういう感じ。
最新年式でも認証社外マフラーは96dBAで良い!
というのは別のYoutubeの方でもご紹介されています。
ぽんぽんぽんさんの動画
【ロードスター】マフラー交換、基準値に関して間違った認識が広まっている!?正しい基準はこれだ!【近接排気騒音】
https://www.youtube.com/watch?v=MBIYMNq9FXg
認証社外マフラーいいね!素敵やん。
そう、認証社外マフラーはね。
問題は純正流用マフラーの扱いです。
純正流用マフラーも同じじゃねーの??
異なる品番の純正流用マフラーは、一体何にあたるでしょうか?
P5C1等の純正マフラーにはJASMA認証プレートは貼ってません。
ある訳がありません。
https://www.napac.jp/cms/ja/jasma/certified-muffler-jasma
つまり国交省用語で
「性能等確認制度による認証マフラ / 交換用マフラ / 後付消音器」
と認められる物ではないんです。
じゃあ認証のない野良マフラーってこと??
よくわからないので姫路の陸事に聞いてきました。
対応して頂いた係官の回答では
「原動機型式・出力が同一の車両の純正マフラーは、他の車両に流用しても純正マフラーが付いているとみなす」
だそうです。
この姫路の陸事の係官の回答が正しいと信じて話を進めますと、
P5C1 を 6.5型・7型に装着
→純正マフラー相当とみなす (自動車製作者表示が有効。JASMA認定がなくてもよい)
P5C1を 2024年新型 ND5RE に装着
→純正マフラーとみなされない!JASMA認証社外マフラーでもない。何の認証もない野良マフラー!
って事になりそうです。
野良マフラー状態になる新型ND5REは問答無用でダメそうです。
問題は6.5型・7型に P5C1 を付けた時、純正マフラー扱いになるってことです。
さて、純正マフラー装着車の継続車検にはどんな騒音規制があるでしょうか??
法規制が…変わってる~!?
はい、国交省の資料の別の箇所です。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001614467.pdf
継続生産車は、平成34年9月から【相対値規制】と【フェーズ2騒音規制】の適用に変わっています。
(平成34年=令和4年=2022年)
純正マフラーについては、絶対値規制の近接96dBAの時代は終わった模様です。
6.5型の出荷開始は2021年12月。
翌年の【フェーズ2規制】で騒音規制値が下がるため、その前の年次改良でマフラー型番が変更されたのですね。
さて【相対値規制】って何でしょう?
使用過程車(=継続車検時)の純正マフラーの近接騒音は、新車届出値の +5dBA 以下におさまることを求めています。
それが【相対値規制】。
純正マフラーがサビて穴空いたり、内部をいじったりして 5dBA よりうるさくなったら、車検上はアウトです。
今までは純正マフラーで絶対値96dBAまでOKだったのに…
純正マフラーだけ規制厳しくなっとる!?
だからどういうことだってばよ
6.5型以降で2022年9月以降の製作車両は【相対値規制】と【フェーズ2騒音規制】を受けます。
つまり純正マフラー装着時、近接 +5dBA 以内に収まってないとアウト。
6.5型・7型にP5C1を装着すると純正マフラーとみなされます。
近接騒音値は…86dBAになります。5型までの諸元値を見たらわかるでしょう。
+5dBA 超えてますやん! アウトーー!!
って話になりません…?
あれ?隙間年式がいません?
6.5型で2022年8月以前の製作車両はよくわからない…
この年式の車検証見せてもらいました。
2022年1月登録車で「M1A2A 近接排気騒音値78dB」と記載確認できてます。
【フェーズ2騒音規制】で間違いないでしょう。
ただ【相対値規制】は掛かっていのるか?
これ本当にわからない。
もしかして、P5C1純正流用でも絶対値規制【近接96dBA】で通せるの??
この車両の継続車検時、絶対値規制と相対値規制どちらで見られるのか?
マジでわからない。。
いまのとこ結論
P5C1流用は
2021年12月~2022年8月製作車:よくわかりません
2022年9月以降の製作車:車検NG
だと思いまーす。
とはいえ、バレっこねーべ??
こっそりやってて "知る人ぞ知る" ネタだったらそうかも。
見た目は純正マフラーですからね。
検査員がNDのマフラ品番と年式の関係まで頭に入っているかどうか…
でも本件は "手口が有名になりすぎた" と思います。
一部には堂々と"合法"と吹聴する向きもあるくらいです。
検査する側にも知れ渡ってしまえばどうでしょう?
P5C1って明確に品番表示がありますから、知ってれば合否判定は簡単です。
ところで、6.5型で初回車検を迎えた車はまだないんですよ。
最速納車組の初回車検は2025年1月辺り
2022年9月以降の車は、初回車検は2025年9月以降です。
P5C1マフラーはOKと堂々と言い張って正面きって車検を通した車はまだありません。
初回車検でP5C1マフラーは何て言われるでしょう?
もし検査員がダメと言ったらダメです。
せめて醜くゴネず、素直にノーマル戻しに従いたいものです。
あとがき
一応 berumiya なりに誠実に調べて考えて "NG" と思ってますが、
何か見落としがあって言い分が変わる可能性はあります。
ところで…私もルールに文句はあります。
社外マフラーは近接96dBAまで出せます。(実際はJASMA自主規制で94dBA上限)
それより静かな近接86dBAのP5C1純正流用はアウト。
そんな理不尽ありますか!?
建前上は不適合、法規は法規。そらそうでしょうけど。
近接86dBで道義的に問題があるとは思わないけどなぁ…
新車装着マフラーは必ずとっておこうぜ!
(個人の換装、もとい感想)
本記事は保安基準不適合を推奨するものではありません。
指摘・ツッコミ大募集!勉強させてください。
蛇足
あっちこっちで大混乱です。
車検業者の公式説明でもおかしい所が見つかります。
特に純正マフラーの相対値規制と年式の関係をきちんと説明しきってる所はあるのかな。
まだ初回車検を迎えてない年式の話ですから仕方ないんですけど。
ビッグモーターのサイト
「マフラーをカスタマイズした場合、新車購入時に調べた近接排気騒音から5dbを加えた値が基準値になる」という説明は違うと思います。
たぶん純正マフラーの相対値規制を誤解して社外マフラーにあてはめています。
https://www.bigmotor.co.jp/bigmotor2/inspection/column/045.html
コスモ石油のサイト
「純正・社外に関わらず新車時の近接騒音規制値に「5db加えた値以下とする」」という説明は違うと思います。
騒音値そのものも、新車規制と使用過程車(継続車検)規制を混同しているように見えます。
https://cos.cosmo-oil.co.jp/blog-detail/1/1000000288/
ではでは~。