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2013年03月01日

内圧コントロールバルブとPCVバルブ

内圧コントロールバルブとPCVバルブ ちょっと・・ ムズかしいお話になりますが。 時期(AW)エンジンに投入したい為に・・ エンジン内部の圧力について、研究中で御座います。

以下はと・ あるお方の説明です。 長い&ムズかしい内容ですので、興味のあるお方のみ観覧してください。  ↓

(番外編)クランクケース内圧について

気になる質問がありましたので



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●少し前になりますが質問で、バイクの分野で流行っている「クランクケース内圧コントロール

バルブを4輪のエンジンにつけても効果がありますか?」という内容のものがありました。

数社から出ており、この内圧コントロールバルブはクランクデコンプバルブとかレデューサー

とかT-REV、NAGバルブとか様々な商品名で売られているようです。

この内圧コントロールバルブというのはクランクケース内圧(バックプレッシャー)を下げ、

ピストンの上下動やクランクの回転に伴う空気抵抗を減らしパワーロスを低減することを目的

とするもので、簡単に言えば逆止弁、ワンウェイバルブ(チェックバルブ)というわけです。

外観はブローバイガス還元装置に使われているPCVバルブと似ていてその動作も一見似ている

ように見えますが、構造は若干異なります。

 

<参考> PCVバルブと内圧コントロールバルブの違い



↑内圧コントロールバルブは単純なワンウェイバルブですが、PCVバルブは負圧とスプリ

ング張力のバランスで弁体のストロークが変わり、その際、ノズル部(テーパー部)で

流路断面積が変化し流量が変わるようになっています。(エンジンブレーキ時など強力

な負圧状態になった際にブローバイガスを必要以上に吸い込みすぎないようにするため)

※ですので、よく2輪で4輪用のメーカー純正PCVバルブを流用して内圧コントロールバルブの

代わりにしている方がいますが、上記のように構造および原理が異なりますので、PCVバルブ

流用では本来の内圧コントロールバルブとまったく同じ効果は期待できません。

 

で、結論から言うと、もともとPCVバルブのついているブローバイ経路の4輪のエンジン

には内圧コントロールバルブを付けた場合、長期的に見ると不具合が生じてしまうことが

あるので慎重に考える必要があります。

現在の4輪のブローバイガス還元システムはほぼ100%、PCVバルブを装着したクローズド

タイプとなっており、これに内圧コントロールバルブをつけると元々ついているPCVバルブ

と逆方向のワンウェイになるためにお互いが喧嘩し、機能しなくなることになります。

だからと言ってPCVバルブを殺すと今度はクランクケース内のベンチレーション(換気)が

できなくなってしまいます。これが大きな問題なのです。

PCVバルブはアイドリング時やアクセル開度の低いパーシャル巡航時など、インマニ側の

負圧が高い状態ではそこからブローバイガスを吸引し、もう1方のブローバイホースからは

エアクリーナーを通過した綺麗な新気をクランクケース内に導入することで「エンジン内部

を換気する」という重要な役目をしています。 ですので内圧コントロールバルブをつけて

PCVバルブを殺すと、このクランクケース内の換気ができなくなりクランクケース内部が

常にブローバイガスで充満することになるのです。

このブローバイガスは未燃焼ガスや排気ガス、生ガソリン分や燃焼時に発生する水分などを

含んだ酸性物質であり、それらがエンジン内部の汚れ(スラッジ、カーボン)の堆積や腐蝕、

錆びの発生を促進し、また、エンジンオイルを急速に劣化させます。

当然、これはエンジンオイルの寿命を短くしますのでオイル交換サイクルを早めにおこなう

必要がありますので、たとえば自動車メーカーの推奨交換サイクルが10000km~15000km

だとしたらその1/3程度の3000km~5000kmで交換する必要があります。

この内圧コントロールバルブの宣伝文句には「燃費の向上」を謳っていることがありますが、

仮に僅かに燃費が向上したとしても頻繁にオイル交換をする必要があることで結局は経費節減

どころか、かえってコストアップに繋がってしまう可能性があるということです。

このように、内圧コントロールバルブをつけてPCVバルブ機能を殺すことはこの重要なクランク

ケース内部のベンチレーション(換気)機能を殺してしまうことでさまざまなデメリットが生じ

ることになりますので、長期的に見た場合、エンジンにとっては「百害あって一利なし」という

ことになるということをユーザーはよく考えないとなりません。

※ブローバイガス還元装置およびPCVバルブの概要についてはこちらのページにも記載して

あります。

 

それに、クランクケース内の圧力を下げることが目的ならば、内圧コントロールバルブをつけず

とも、もともとクローズドタイプのブローバイシステムでは加速時などサクションパイプの負圧

が高くなるとクランクケース内圧は吸引され、同時にPCVバルブが閉じることでクランクケース

内は常に適切な負圧(0~-0.5kPa程度)が保たれるようにメーカー純正状態で設計されています。

(なお、あまりにクランクケース内圧が低くなりすぎると、今度は各部のオイルシールやパッキン

の隙間から外部より水やダストを吸込んでしまったり、気圧が低下しすぎることでオイルパン内

のオイルに気泡が生じやすくなったり、オイルポンプがオイルを吸引しにくくなることでかえって

潤滑トラブルになり不具合が生じます。 クランクケース内の負圧は強ければ良いというものでは

なく「適度な範囲」に留めておかないといけません)

エンジンによって差はあるでしょうが、私の車の場合では加速時にはサクションパイプ部では

最大-500mmHgを超える強力な負圧でクランクケース内圧がブローバイホースを通じて吸い出さ

れており、ブローバイガスを吸引する負圧は充分に発達した状態になっていることを確認しています。

なので、ブローバイホースを大気開放せずサクションパイプに戻している場合、最高出力をアップ

させることが目的であればわざわざ内圧コントロールバルブなるものをつける意味はありません。

<参考> →サクション圧力の検証

 



↑参考までに、さらにクランクケース内圧を積極的に下げる方法としては私が以前に試したこと

のある「ブローバイサブタンク」というものもあります。(現在は邪魔なので外していますが)

これは体感するのはやや難しいですが、うまく機能するように付ければ最高回転数付近では数馬力

に相当するパワーロスを低減する効果が得られるようです。



--------------------------------------------------------------------------------


●いずれにしても、ストリートで使用する場合は前述したようにクランクケース内のベンチ

レーションは重要ですので、考えなしにPCVバルブを殺して内圧コントロールバルブなるもの

をつけることには感心しません。

ちなみに、レース用のドライサンプエンジンの場合は大容量のスキャベンジングポンプで大量

にオイルと同時にブローバイガスを回収することでウエットサンプとは比べ物にならないくらい

強力にクランクケース内を減圧(F1などは大気圧に対して30%以上も減圧しているらしいです)

し、ピストンの上下動やクランクの回転の空気抵抗を減らして何よりも優先して出力ロスを極力

抑えるようになっています。



↑ホンダF1エンジン(3.5リッターV12)のスカベンジングポンプ図。 じつに各セクションごと

に合計7個ものポンプをタンデムに用いてオイル回収およびクランクケース内の減圧をしています。

見ようによってはポンプの駆動抵抗によるパワーロスのほうが大きくなりそうですが、それでも

クランクケース減圧(とオイルリターン)のほうが性能的に優先されるということなのでしょう。

そもそも、ウエットサンプエンジンにおける減圧バルブも本来ならばヘッドカバーから抜くよりも

バックプレッシャーの大元であるクランクケースから直接抜いたほうが理想的ではあるのです。

ですが、それをやるとブローバイガスと同時に大量のオイルミストも吸い込んでしまうことから、

しっかりしたオイルセパレーターの必要性が出てくるため、レース用エンジンならまだしも市販の

街乗りメインのエンジンではオイル消費量の問題やコストその他の問題が絡んでくるでしょう。

 

●最後に

誤解を招くのは嫌なのでいちおう断っておきますが、私はこの内圧コントロールバルブそのもの

を否定しているわけではありません。

あくまでも「現在の4輪エンジン、とくにストリートで使用する場合は」どういうデメリットが

あるのかということを理解していただくために挙げているのです。

販売業者はどうしてもモノを売りたいためにメリットは説明してもこうしたデメリットについて

は十分な説明をしない(或いはエンジンをよく理解していない)ことが多い傾向があります。

この内圧コントロールバルブが特に有効なのは、2輪車で多い単気筒や360度クランクの2気筒

などのピストンの上下に伴うクランクケース容積変化の大きいエンジンや、大排気量Vツイン、

4輪でも大排気量V8のような排気量に対して気筒数が少なくクランクケース内の動圧の変化の

大きいエンジンに限られると考えます。

ただ、それでもレースでもない限りはPCVバルブを殺してまで内圧コントロールバルブをつける

メリットはない(むしろ前述したような長期的視点のデメリットのほうが大きい)と考えます。

なお、元々PCVバルブのないシールドタイプのブローバイガス処理をしているエンジンの場合や、

同じくPCVバルブを外してサーキット専用のブローバイ配管をしているような場合は、内圧コント

ロールバルブをつけてもとくに弊害はない(かと言って大きなメリットもないと思いますが)かと

思います。






愛機【時期】AW 4AGーZエンジンに施すエンジン内圧対策と言うのか? ブローバイガス内に含まれるオイルのみをエンジン内に戻そう、そして内圧もコントロール出来ないか? 
4AG(ブロックは後期型)を使用してオイルリターン経路を利用する予定、ヘッドは前期型を使います。

ムズかしいお話なので・・  また後日、どこを使うのか? を撮影して説明します。



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Posted at 2013/03/01 17:10:22

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