無粋者@tankのブログ一覧

今日は長文、乱文の内容になります。

さて、自民党の安倍総裁が「大規模な公共事業のため、『建設国債』を発行して無制限で日銀に引き受けさせる」とニュースでやっていました。
要するに、政府の発行する国債を買い取る資金を日本銀行券(お札)を増刷する事で賄わせるという事です。もっと砕けた言い方をすれば…国債を発行するから日銀さん、印刷機をフル稼働してお札を無制限に出せという事です。

本来、これをやるとお金の価値が下落して最悪、ハイパーインフレ(異常な物価上昇)を引き起こす危険性があり、財政学では禁じ手とされています。経済評論家が安倍総裁を非難しているのは、この問題点に対してなんです。

ただ、安倍総裁は強気です。それは建設国債という言葉にあります。
安倍総裁は、「ハイパーインフレは、財政赤字の補填が目的の『特例国債』であれば引き起こるが、『建設国債』だと公共事業で作られた橋や道路が国の資産になるし、いくら発行しても借金から資産を差し引けばチャラになるし、日銀からの借金の担保になるから国債やお札の価値は下がらない！」と反論するでしょう。
更に、「『建設国債』の償還(返済)期限は60年あるし、国債発行による公共事業の経済効果で名目GDPが自然に成長するし、税収が増えるから返済のために消費税を増税しなくてもOK牧場」なんて言うのでしょう。

でも、うまい話には裏があります。

問題点は２つ。
１つには建設した橋や道路は確実に劣化しますから維持費などのメンテナンス費用、更には借金には利息がつきますから国債の利息の支払いなどの累積費用の財源はどうするか？です。
２つには生活保護の不正受給ならぬ、公共事業の不正受注の問題です。日本は土建国家といわれましたが、自民党の政治家や官僚、建設業者との癒着がマスコミなんかでやっていました。とりわけ、無駄な公共施設や道路なんかでも実入りのいい新規事業のために補修だけでいいのを壊して新たに作り直すといった無駄遣いを過去にやっていました。税収増になっても借金の返済に宛てず、おかしな事業に金を注ぎ込み赤字にする官僚や政治家。


民主党の子ども手当もバラマキだが、安倍総裁の建設国債を日銀に引き受けさせる事は借金を孫の代まで押し付ける政策で、日本経済をモルヒネ依存症にしかねないリスクになりかねません。

それにしても、大学の講義で禁じ手と教わった経済政策を打ち出す安倍総裁は…ある意味、怖いです(-_-;)。こういうのはマスコミなんかで非難の対象になるんですが、地雷を自ら踏みたいのかな。