(今日も長いです。ご容赦のほどを<(_ _)>
なにげに気になる6代目、
BS9アウトバック。
先日のベースグレードに続いて
上級グレードの Limited に試乗してきました。
ベースグレードとLimitedとの装備・仕様の違いは
【エクステリア】
・前後バンパーガード
・メッキ加飾付サイドクラッディング
・パワーリヤゲート
【インテリア】
・本革シート
・高触感本革巻ステアリング&シフトレバー
・ピアノブラック加飾パネル
・アルミパッド付スポーツペダル
・ステンレス製サイドシルプレート
【メカニズム】
・18インチタイヤ&ホイール
・スタブレックス・ライド
このうち、走りに直接関係するのが18インチタイヤと、新機構のダンパー「スタブレックス・ライド」です。
メーカー発表では、「新バルブの採用とフロントストラットシリンダ径拡大により、ダンパーのピストン速度域に応じた減衰特性の設定が可能となる」
「コーナリング時の安定性を高めながらも、快適で上質な乗り心地を損うことなく高いレベルで両立」
と謳われています。
詳しい技術解説は
こちら とか
こちら のリンク先などに任せますが
大ざっぱに言えば、
「細かい突き上げは低めの減衰力でいなし、大きなロールはオイルの流量を抑えて踏ん張る」
という簡易的な可変ダンパーのようです。
ま、この手のものは往々にして「理論上は…」というのが多いですが
果たしてこいつはどうなのか?、ということで乗ってみました。
ディーラーに行くと、担当のSさんは商談中。
長びきそうだったので他のスタッフさんにお願いすると、「NAさんどうぞご自由に…」と…
もう完全にそういう客に分類されてるなー(笑)
エクステリアでの差別化ポイント、メッキ加飾付サイドクラッディング。
好みは分かれてるようですが、私はこっちのほうが好きです。
ノーマルなダンパーのベースグレードも、接地性が非常に高くしなやかなのにけっこう軽快、という
なかなかの乗り味だったので、期待値髙めで試乗スタートです。
ディーラーのPから出るときの歩道段差の時点で、ベースグレードより締まった脚であることは分かりますが、それでも路面の凸凹や継ぎ目のこなしは滑らかしなやかで、じゅうぶん快適な乗り心地。
ベースグレードでも感じたように、路面からの衝撃はボディまでで完全にシャットアウト、
静かさとも相まって、車内は外界から隔絶(良い意味で)された快適空間です。
ホント、「大人なクルマ」になったもんですBS/BN…
たしかにベースグレードと較べると「タンタン」という上下動を感じますが
それはダンパーの差というよりはタイヤの厚みの差というレベル、
むしろベースグレードが良すぎと言ってもおかしくないほどです。
(Limited:225/60R18 100V、ベースグレード:225/65R17 102H)
上屋がヒョコヒョコ揺すられるようなこともなく、「スタブレックス」の「フレックス」のほうは納得です。
ならば「スタビリティ」のほうはどうだ?、ということでいつものワインディング路に進入、
NA号で走り慣れたラインとリズムで試してみると…
さすがにNA号と同じペースという訳にはいかないものの、同じような感覚で走れるのには感心。
ある程度追い込むとタイヤのグリップのほうが先に逝くこともあって、ロールでグラッとくるようなことは無く、腰高フラットなまま曲がっていくのはなかなかのものです。
ベースグレードでは、入り口で減速して外側前輪に荷重を乗せて「くぃーん」と曲がっていくのが気持ち良いのに較べて、Limitedのほうは姿勢変化が少ないまま「ずわぁっ」と曲がることが可能です。
そういう意味では、アウトバックというよりツーリングワゴンに近い走り方、
それもビル脚モデルに通じるものを感じました。
ビル脚のアウトバックというと先代
BRのSパッケージLimited がありますが
ややドタドタと荒さがあった先代と較べて、大径タイヤを履きこなしてひたーっと接地しながら
そこそこダイレクトなハンドリングを得ているのは大きな進化です。
新機能のトルクベクタリングも体感できました。
中速コーナーの途中でやや過激に踏み増してみると、普通なら外にはらんで行こうとする瞬間、
「クィッ」という小さなGを内側に感じて、そのままラインに乗って加速しながら出口へ。
後輪で蹴りながら曲がっていくVTD-AWDと同じではないですが、近い感覚のコーナリングが出来るのは面白いと思いました。
あと、最近のレヴォーグやS4のKYB脚で感じた大きな上下動の収束性も、Limitedでは良好でした。
試乗ルートの中には、ハイスピードで下りながらちょっとした段差で跳ね、そのままカクッと右下に折れていくポイントがあります。
ここではほとんどのクルマが、ばうんと跳ねたあと2、3度左右にリアが跳ねまわってようやく落ち着く、という非常に厳しい(というか怖いw)ところなのですが
Limited のリアは1回半くらいできれいに収束、横暴れも少なく安定して走り抜けました。
このあたりの挙動にも、ビル脚に近いものを感じました。
こういった切れ味やスマートな挙動、
「アウトバック」というキャラクターからすると少し線が細いように感じるかもしれませんが
ツーリングワゴンからの乗り換えではむしろ違和感なく、同じ延長線上の乗り味に感じられます。
アウトバックが掲げてきた「オールラウンドな走行性能」を保ちつつ、
「ハンドリングの楽しさ、気持ち良さ」の部分をさらに高めた、という感じです。
もちろん、歴代からの美点であるどっしり安定したクルージング性能はベースグレードともども健在。
そういう意味では、
・ベースグレード → ランカスターやBRアウトバックの系譜の正常進化
・Limited → BPアウトバックやBRツーリングワゴンの後継候補
とも言えるんじゃないかな、と感じました。
最後に、ちょっと引っ掛かったのがシートです。
Limited は黒革シートのみの設定、
なのでアイボリーな特別仕様車にでも今後期待するつもりだったのですが(^^ゞ
今回じっくり走らせてみると、革シートでこのサイズ、私の身体ではホールドが不足するシーンがよくありました。
コーナリング性能が向上したからこそ感じるジレンマ、ですね。
この
タンレザーシートが移植できるといいんですが♪
ともあれ、ベースグレードもLimited も、走りの印象はかなりいいですアウトバック。
今なら試乗車も揃っているので、気になる方は試乗をおススメしますね(^_^)