
今まで紺ミニについては、見に行ってきたというお話しかしていなかった。それにはここに書く顛末があったからだ。やっと全てが終わったので、お話しようと思う。
1/4にP6の修理を出した後、ちょうどその場所で車庫証明を取ることにした。書類を嫁さんに所轄警察署に持って行ってもらうと
「字が汚くて読めない」「道幅が書いていない」
と突き返し(涙)
嫁さんに清書してもらっていくと
「この車庫のどの場所に入れるんですか?前と場所が変わってますよ。」
「マンション内でみんなで時々場所を入れ替えるんで。」
「それは困ります!その場合は全部再登録してください」
もー!これだからお役所はイヤだ。
やっと車庫証明をとり、納車になったのは1/27だった。
売主は枚方の業者さんだった。オークションに出しているが、個人商店という感じだ。12/27に見に行った時はまだ試乗も何もしていなかったので、動く紺ミニは初めてだ。
最寄り駅に降り立ったら、迎えに来てくださったのだが、
「年末年始、動かさないようにしていたんですが、バッテリーが上がってしまって。それに付け替えてから、ATがおかしいんですよ。回転が下がらなくて。年末には僕がナンバーを付けて乗っていたので、大丈夫だったんですが。」
えー!
初代BMWミニの有名なウイークポイントがこのCVTだ。だから安いという話もあるくらいだ。
もし壊れていたら部品交換なら70万、O/Hでも15万。一番高くかかる問題点だ。
年末には確かにナンバーが付いてたけど、奥に押し込んであったから、自分では乗ってない。
年末に見た時は売主さんを信用して試乗しなかったのに。
「安物買いの銭失い」か?
ホントに??元から調子悪かったんじゃないのか?
「まあ、横に乗ってみてください。」
乗せてもらってショップへ。走り出すと3500回転くらいまで上がり、回転が下がらない。40-50キロでガクガクする。
「一度CVTのオイルを変えた方が良いかもしれません。」
走行約5万キロ、オークションでは記録簿無しだったが、実際には全ての記録簿があり、走行距離と時期も整合しており、これなら問題なさそう。事故歴もなさそうだ。
NCNRだから仕方ない。乗って帰るしかないなあ。
15万、ひどくすれば70万か。相場より安く買ったのがふっとぶ価格だ。
多分暗い顔をしていたのだろう。売主さんが
「紺豚さん、オープンに良くされそうですか?」
「なるべく開けるつもりでいます。」
「それなら...これを使われますか?」
出してきてくれたのが、ミニコンバーチブル用のウインドデフレクターだった。
「これ、オークションで見てましたけど、結構高く売れるじゃないですか。」
「ええ。でも気持ち良く乗ってもらいたいですからね。」
「ありがとうございます。早速付けて乗って帰ります!」
寒い中、オープンにして国道一号線に乗る。
やっぱり自分で乗っても、どうアクセルを緩めても、3500回転から下がらない。高速に乗って80キロあたりになって、2500回転あたりに下がる。でも速度が落ちると、また回転が上がり、40-50キロの一番繁用する速度でガクガクする。
ウインドウの上の空にうろこ雲。きれいだなあ。
それをしみじみ眺めたいからオープンにしたのに。前途多難だ。

家の車庫にまず納めたが、心は晴れない。
翌日、さっそくギャルソンガレージに電話。大社長が出てくださった。
「これこれこういう理由で、オークションで買ったんですけど、CVTがおかしくて...泣きつけるのがギャルソンさんしかなくて。ホントに申し訳ないんですが、見てもらえます?」
「いいですよ。見ましょう!」
即答。地獄に仏だ。BMWもたくさん扱ってるし、うちの75を含めローバー車のディーラーでもあったショップなので、ありがたい。
「昨日、ネットで調べてたら、バッテリー上がりの後にCVTがおかしくなることがあるが、リセットとリプログラミングで治ることがあるらしいですね。」
「それだとありがたいですけどね。まあ、うちで出来るだけ安く挙げてみましょう。代車、今は無いんですが、いいですか?」
「お願いします!おたくで買った車じゃないので、代車はいいですよ。」
1/30土曜日午後、ギャルソンにお邪魔する。若社長が居られたので、
「すみません、ご迷惑かけて」
「いえいえ。うちでもこのミニ、結構売ってるんですけど、CVT自体が壊れたことは無いんですけどね。」
「それだとありがたいんですが...」
「それから、今工場が一杯なので、少しお待ちいただけますか?代車ありますけど乗って帰られます?」
「いえいえ。そんな。申し訳ないですから良いですよ。最寄り駅まで送ってください。」
「まあ、そう言わずに、お家まで送りましょう。」
ホントに申し訳ない。
「あれ、こんなのまで売ってるんですか?」
「いえ、これはお客様のクルマの整備です。」
お客様のクルマで写真は出せないのだが、ツートンのムルティプラ!(初代!)
送ってくださるのが、
「え、これって売り物のE500リミテッド 94年式じゃないですか!」
「まあ、丁度前に出てましたからね。」
「でも、以前代車で出してもらいましたが、すごい加速ですよ。」
「そうだ、紺豚さん。Sクラスの素晴らしい個体があるんですけど、見てみます?」
「買えないけど、良いんですか?」
「話のネタにどうぞ。」
これは後日引き取り時に撮影させていただいた写真だ。

珍しいソリッドのブルー。
「90年代のほとんど最終のS380(だったかな?)ヤナセ物です。2万キロしか走っておらず、初めのオーナーが亡くなって、ずっと会社の倉庫で保管されていたんです。」


うわー!なんという内装だ!MBテックスが全く新車!

これは動態保存だ!あまりにきれいで使えない!
「これって300万くらいですか?とても買えないし乗れないほどきれいですけど。」
「まあ、そんなもんです」
ご興味のある方はギャルソンガレージまで(笑)
家まで送っていただき、吉報を待った。
2/15、私の誕生日の前日。
家へ帰ると嫁さんから
「ギャルソンさんから電話があって、出来たって。」
「え!それはすごい。値段のこと何か言ってた?」
「何も言わないけど、あそこはお金がかかる時は言うから、安かったんじゃない?」
翌日コールバック。受付の女性が出てくださる。
「2/17水曜日の午後に取りに行きます。お値段わかります?」
「三万円ちょっとですね。」
良かった!!リセットだけで済んだみたいだ。
2/17午後、はやる心を抑えて中央線に乗り、ギャルソンガレージに。
駅まで紺ミニにのって若社長の弟さんが迎えに来てくださった。
「安くで済んだみたいですね。」
「CVT本体ではなく、制御コンピューターとCVTを繋ぐハーネスの接触不良でした。すべてクリーニングしてカプラーを接点復活したあと、コンピュータのリセットと再設定で、ほらこの通り。」
確かにCVTらしいエンジン回転の上がり下がりだが、回転はちゃんと下がっている。
「ありがとうございました!」

走行距離5万キロ足らず、実質ワンオーナー。あと車検まで3月しかないけど、でも助かった!
でも家に帰ると、P6も戻っている。どうしてみんな一緒に帰ってくるの(爆爆爆)

やっと3台揃った。フラミニアはまだカウント外(笑)
仕方がないので、P6は少し堺の嫁さんの実家に預かってもらうことにした。最終目的地には次の週末に行くことになりそうだ。

趣味車、交代!

フロントウインドウの上に見える青空が、やっと楽しめる気分になった。