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Tetsu@のブログ一覧

2026年10月21日 イイね!

Corvette 納車

Corvette 納車私の方の都合で少し時間を要してしまいましたが、コルベットが納車されました。

いや〜、カッコ良い。。。

流麗な美しさとは全く違いますが、なんというか直感的にカッコ良い!と感じるデザインです。ワイドで低いフォルムは如何にもスーパーカー的。フェイクの全く無い各ディテールは独特の迫力です。こういうディテールはラリーエボなどのホモロゲモデルっぽい感じもします。Cd 0.52は伊達じゃないw。

何はともあれ箱根を目指しましょう。4.5m x 1.97mは大きい感じがしますが、ステアリングが小さく操作系が軽いこともあって走らせるとコンパクトにすら感じます。(レンスポで大きなクルマに慣れているせいもあるとは思いますが)重心がとても低く、普通に走らせる分にはロールもピッチングもほとんど感じないです。足回りはそれなりに硬めでした。以前試乗したGrand Sportより明らかに少しハード。荒れたところでは少しガタピシ言う感じです。しかしダンパーのセッティングが非常に良く、50-60km以上になるとフラット感が出て不快な感じが無くなります。

そして何よりエンジン。もう本当に素晴らしい!トルクもパワーも余るほどあるわけですが、そんなスペックよりもV8 6.2Lの存在感、生々しさが痺れる。エンジンとの距離が近いというか、昔のクルマっぽいというか。アイドリングではプッシュロッドOHVらしいブルブルした振動があり、そこから少しずつ開けてドロドロ言いながら回っていくと収斂していき、4000rpm以上では吠えるように回る・・・。これほどエンジンが生々しいクルマは乗ったことがありません。そういう点ではむしろバイク的かもしれません。これだけでも非常〜に楽しい。そしてもちろんめちゃくちゃ速い。最初は高速の追い越しでシフトダウンしない程度に踏んで「おー、流石のトルク!速いな!」とタコメーターを見たら1800rpmでした笑。C63である程度パワーには慣れているつもりでしたが、まだまだ怖くて踏めないです。人間の慣らしが必要でした・・・

ターンパイクに着いたらまさかのウェット。それも強風で落ち葉が酷く、とても楽しく走る感じじゃありませんでしたが、それでも物凄く良く曲がるクルマなのは分かりました。ホイールベースがかなり長めなので旋回性は高くないだろうと思っていたのですが、トレッドも広いので全然曲がるんですね。もちろんミッドシップのフロントの軽さはないですけど、重心も低くて前後バランスも良く、完全にコーナリングマシンでした。端的に言って凄く楽しい。

まだまだ片鱗どころかちょっと味見した程度でしかありませんが、このクルマの一番素晴らしいところはエンジンもシャシーも実に生々しいところです。電制デフに加えてStabiliTrakというヨー制御も備わっているらしいのですが、少なくとも今回は電子制御の介入をほとんど意識させませんでした。普通に滑りますw。しかも本当に速いから、迂闊に踏めない。この最低限の制御でエンジンやシャシーと直接やり取りをしながら走らせる感じは、もはや現代のクルマから失われたところじゃないでしょうか。

これ、耐久レースで走らせたら物凄く疲れるクルマな気がします・・・汗

#2026/10/22 追記:
どうもタイヤが硬い感触だったので確認したところ、空気圧が指定の210kpaよりだいぶ高い240kpaでした。指定空気圧にしたところ、トラクション、ハンドリング、ブレーキング、乗り心地、全て劇的に向上しました。。。(恥)

Posted at 2026/10/21 23:25:07 | コメント(8) | トラックバック(0) | Corvette | 日記
2026年10月06日 イイね!

C7 Z06 - ライバルとの比較

C7 Z06 - ライバルとの比較コルベットの変遷というブログで軽くライバルについて触れましたが、実際のところコルベットというのはちょっと特殊な立ち位置にいたことが分かります。価格が相対的に安かったことで、実際に当時購入した人が比較したクルマと、雑誌等で性能的、キャラクター的に比較されたクルマが異なるんです。Stingrayでは購入時の比較対象はCayman S / Boxster S, F-Type V6, Lotus Evora, Maserati GranTurismo、Z06ではF-Type R, 911 GT3, 911 Turbo, GT-R, Viper, Aston Martin…など。興味深いのは、Stingrayでは比較的価格帯が近いクルマを比較するのに対し、Z06では価格よりは性能的に近いクルマを比較し、欲しい性能・キャラクターを満たす候補の中で、コルベットだけ異様に安い、となっていたらしいこと。性能での評価ではなく価格で評価されるのは少し残念な気持ちもあります。私自身はコルベットのキャラクターとデザインが気に入って買ったわけですが、ではZ06が911 GT3や Turboの価格だったら?となると手が出せない訳で、まぁやはり価格も重要だな、と笑。

性能面でのライバルとされた代表的な車種のスペックや動力性能を見てみると、これはこれで結構面白い。やはりコルベットはキャラクターが立ってるんですね。まずは動力性能。

659ps / 881Nmというエンジン性能は飛び抜けていると言っても良い気がしますが、特にトルクは物凄いですね。991.2 Turbo Sのオーバーブースト時が750Nmで、それを余裕で超えています。そして重量は911 Turboとほぼ同じでAMG GTやR8 V10より少し重く、GT-Rよりは150kg以上軽い。唯一Viperが似たようなエンジンパワー、重量ですね。コルベットZ06はパワー・ウェイト・レシオはほぼ最小なのですが、0-100km/hとなると途端に一番遅い笑。AMG GT Rも似たようなタイムなので、いくらトランスアクスルとしてもFR 2WDでは限界があるということですね。因みにZ06の3.7秒というタイムは標準のAT仕様のタイムで、Z07パッケージというCUP2を履いたAT仕様だと2.95秒です。





ボディサイズを比較すると、コルベットは大きめではあるものの飛び抜けて大きいというほどでもありません。サイズ的にはむしろ911のコンパクトさ、特にホイールベースの短さが際立ちますね。ここの比較ではGT-Rが一番長いのですが、これは4シーターで普通にトランクもあるパッケージングだからですね。



コルベットはAMG GT Rよりホイールベースが80mm長いのですが、AMG GTはトランスアクスルのレイアウトを少しリアへオーバーハングしていますので、これが差を生んでいます。(コルベットはトランスミッションをWB内に収めている) 旋回性を考えたら短い方が良いと思いますが、この辺もコルベットのキャラクターでしょうか。マクラーレン 570Sを除いて一番低い全高なのも面白いところです。

さて、こうしたスペックなのですが、サーキットタイムだとどうなのでしょうか。ニュルブルクリンクのタイムを調べてみました。あくまでも超参考。同一条件での比較など出来ないので当然ですが、コルベットはGMの公式タイムが無く雑誌のアタックです。とは言え面白いので並べてみましょう。SPORT AUTO誌によるコルベットのタイムは7:13.90で、この前後のタイムを出しているクルマを並べるとこんな感じです。



色々面白い。まず、このリストの中でコルベットとカマロだけがMTで、他はAT。それでコルベットは918 Spyderと同じようなタイムなんですねぇ。それも中々なんですが、しかし私はM4 CSLの速さに驚きました。M4はBMW公式タイムなんですが、SPORT AUTO誌のアタックでも7:17を記録しています。2シーター化しているとは言え、4人乗りクーペのボディ、パワーは550hpしか(?)なく、重量もコルベットとほぼ同じ。そしてトランスアクスルではない普通のFR。それで似たようなタイム。YouTubeで動画を見ると、コーナリングが速いし安定していて、最高速も伸びるんですね。305km/hまで行く。コルベットは最高速が285kmくらいまでしか伸びてませんし、ストレート後半の下りに入るまでは270km/h前後。これは熱ダレによるパワーカットが入っている可能性がありますね・・・。M4とコーナー脱出速度がほぼ同じなのに、最高速だけ20km/hも低い。この超高速域で100psも多くて20km/hも低いのはそれ以外に考えられない。。。

コルベットZ06は速いクルマなのですが、実はノーマルでの熱対策が充分ではないらしく、2017年にMT仕様のみクーリングが改善(ラジエーターの大型化+サブラジ追加)されています。これはATは問題無しということではなく、AT仕様にはサブラジエーターを搭載するスペースが無かったらしい。トランスアクスルなのでトランスミッションクーラーも後ろにあり、左リアフェンダー上部のダクトから冷気を取り入れているのですが、Z06のAT仕様はそれでは容量が足りなかったためフロントにもクーラーを追加しているのです。風量的にはラム圧が効くフロントの方がメインと言えるくらいかもしれませんね。MT仕様は元々そこが空いていたのでサブラジを追加出来た。

そんな感じで色々考えていると、実際にアタックをしたドライバーが書いた記事を見つけ、興味深いことが書いてありました。7:13.90のタイムの際、エンジンには問題がなかった。しかし空力とギアリングのせいでストレートスピードが伸びなかった、と。そしてセクター1, 2はAMG GT Rと比べてもさらに速かった。そう、空力。


Stage3はフロントスプリッターの左右に高いウイングレットが付き、リアスポイラー中央部には透明の高さ調整式ウィッカーが追加される。

Stage3と呼ばれるハイダウンフォース仕様の追加エアロを装着したZ06(Z07 package = Stage3 aero, Carbon brake, 専用サスセッティング、CUP2タイヤ)は、そのクーリング対策とも併せて何とCd値0.52w。そしてAMG GT Rは0.35、BMW M4は0.34なのです。これを前面投影面積を計算してCdAにすると、AMG GT=0.683, M4=0.755, Z06=1.024w となって、Z06は両車より35-50%もドラッグが大きいというw。

この差は超高速域ではとても大きい。なので熱ダレではなく空力と高くてワイドなギアリングのせいで伸びなかった。コーナリングはAMG GT Rと同じか速いくらいというのは興味深いところです。因みに日本仕様Z06は標準がStage2でダウンフォース量がStage3の半分くらいになります。Stage1は最もドラッグが少ないので、Z06の最高速310km/hというのはStage1の車両。Stage3だと290km/hくらいまで落ちるらしいです。


こちらがStage1。スプリッターの形状が大人しくなりウイングレットも無し。サイドロッカーパネルも小型になり、リアスポイラーも低い。比べるとかなりシンプルに見える。

しかしなるほど。Z06は659PSもあるのにストレートは伸びないのか・・・。となると、ニュルほど高速じゃない通常のサーキットだとどうなるんだろう。アメリカ MOTOR TREND誌の企画で定期的にRandy Pobstがラグナセカでテストをやってまして、これもまた興味深い。



フェラーリ488GTBは別格として、AMG GT-R, Corvette Z06, 911 Turbo S, GT3 RS 辺りはほぼ同じタイムと言って良いでしょう。そしてどうやらR35 GT-Rはラグナセカと相性が良くないようです。理由としてMotor Trendは、ブレーキやタイヤ、コーナー進入時のアンダーステア、熱の問題などを挙げています。2017年テストではブレーキが熱を持つことにもPobstが触れています。Z06についてはリアのスタビリティがもう少し必要なようですが、コルベットはサーキット仕様としてはZR-1がありますからね・・・。

色々データやその時のインプレなども読むと、まだまだ興味深いことがたくさんあるのでした。
Posted at 2026/10/06 15:19:29 | コメント(1) | トラックバック(0) | Corvette | 日記
2026年10月01日 イイね!

C7 Corvette - Design

C7 Corvette - DesignC7のパッケージングについてチーフエンジニアのTadge Juechterは、C7ではC5→C6以上の大刷新を狙った一方で、パッケージング上の基本思想はかなり継承していると述べています。具体的にはフロントにV8を縦置きし、トルクチューブを介して後部にトランスアクスルを置く構成。さらに前後ダブルウィッシュボーン+横置きコンポジットスプリング、低いフード/低い着座位置、という基本はC5以来のものです。その上でC7ではエンジンを完全なフロントミッドとし、重量配分を最適化したのです。

C7が登場した2013年当時、かなり議論になったのがデザインでした。丸型テールランプを捨て、ヘッドライトも鋭くなり、ボディには従来のコルベット以上に多数のエッジ、ダクト、ベントが入った。C6までの比較的シンプルな面構成を好む人からは「やりすぎ」という反応もあった。ところが当時のGMデザイナーの発言を追ってみると、この複雑さのかなりの部分は単なるスタイリングではありません。C7でGMが目指していたのは、「Corvetteらしさを残しながら、過去の意匠に縛られない次世代のCorvetteを作ること」でした。



C7のスタイリングは、まずGMの世界各地のデザインスタジオから300案以上のスケッチを集め、そこから5つのテーマを選んでスケールモデルを制作し、風洞で空力なども確認しつつ検討されていったようです。



スタイリング上のテーマとして挙げられたのは以下の6点。

・長いフロントノーズと短いリアデッキ
・低いキャビン
・強く張り出した前後フェンダー
・シャープなキャラクターライン
・空力・冷却機能を外装デザインに統合した各種ベント
・航空機や高性能機械を意識した造形

チーフデザイナーのTom Petersは当時、航空機、特に高性能軍用機のように、性能上の目的が外観にも表れているデザインから影響を受けたと説明しています。そして風洞試験を経て実際のボディ表面、ベントやスポイラーなどのデザインが調整されていきました。



Z06に見慣れると標準ボディのStingrayは一見スリークに見えますが、細部のベントがアグレッシブな感じを出していて確かにC5やC6より随分ビジーです。しかしそこにドイツ的な設計上の必然があるというのは興味深い点ですね。

Z06
そしてZ06ですが、どうやらZ06は完全に機能面でのデザインということのようです。つまり基本的な外装変更は、性能要求に基づくものだった。GMの公式発表では

“The design changes began not with the exterior panels, but the tires.”

とされていて、まずは拡大されるタイヤサイズを元にフェンダーがF:約56mm、R:約80mm拡幅されます。



それもただオーバーフェンダーにするということではなく、リアはフェンダーの拡幅に伴い全体として幅が広げられているのですが、凝っていると思うのはテールランプの間隔がボディのワイド化に伴って広げられていることです。また、バンパー、スポイラー、アウトレットなどもZ06専用デザインです。さらに、冷却性能を強化するためにグリルの大型化、ボンネットベントの大型化、フェンダーベントの大型化が行われ、リアフェンダー上部のインテークにはベーンが設けられ流入風量が上げられています。GMはZ06の外装変更について、ほぼ全て何らかの機能的目的を持つと説明しています。今やポルシェですらダミーデザインが多いというのに・・・。


細かい点で正しく無いところが散見されますが、まぁ概ね合ってるのでヨシということで

他にもZ06のグリルは単に大型化されただけでなくメッシュ形状そのものを空力的に設計していて、グリルを外した状態よりもグリルが付いている方が多くの空気を取り込める設計とか、ボンネット上のベントも単なる熱抜きではなくラジエーター通過後の空気を上方へ抜くもので(因みにラジエーターは前傾してレイアウト)、これによってフロントのリフト低減も狙っているとか。こういった空力・冷却開発はZ06とC7.Rの両方が同時並行的にして行われ、双方にフィードバックがされていったようです。

私は本来、それこそレンジローバースポーツのような極力複雑さを排したシンプルなデザインが好きで、多くのアメリカ人と同様に初めてC7を見た時はそのビジーさ、C5やC6のシンプルさと違ったどこかアニメっぽいデザインに疑問を持っていました。でも見慣れるに従って、C7コルベットは理屈抜きに無骨なカッコ良さを感じるんですよね・・・。いや、素直にカッコ良いです。C8よりも笑
Posted at 2026/10/01 23:27:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | Corvette | 日記
2026年09月30日 イイね!

C7 Corvette - Chassis

C7 Corvette - Chassisコルベットのシャシーは量産スポーツカーとしてはかなり独特と言えるでしょう。何しろモノコックを使っていません。そしてコイルスプリングも使っていません。今回はそんなコルベットのシャシーについて。

C6まではスチール製のフレームだったシャシーは、C7になってアルミ化されました。このアルミフレームはC6のスチールと比べて高剛性化(57%UP)、軽量化(45kg DOWN)されているのですが、キーとなっているのは複数の作り方を組み合わせて構造を最適化しているところとのこと。





GMによれば、エンジン、トランスアクスル、サスペンション、キャビン等の必要空間を先に定義し、その周囲に必要な荷重経路を生成する考え方が採られました。完成したアルミシャシーは、押し出し材、ハイドロフォーム、中空キャスティングを使い分け、部位に応じて肉厚を最適化、2-11mm、16種類の板厚/肉厚を持つと説明されています。各部位の接合にあたっては、スポット溶接、Flowdrillファスナー、構造接着剤、レーザー溶接など複数の手法を使用。354点のスポット溶接、188本のファスナー、113ftの構造接着剤、37ftのレーザー溶接が使われているとのこと。因みにコルベットは伝統的にクーペボディであってもルーフが外せるのですが(そしてトランクに収納・固定出来る)、流石にルーフを外した状態では剛性が落ちるようです。あまり強度を担って無さそうなカーボンルーフと言えども影響があるんですね。まぁNAロードスターも屋根を閉めたら剛性が上がるくらいなので当然かもしれませんが、ボクスターではあまり感じなかったので・・・。

サスペンションで特徴的なのは、まずはリーフスプリング。コルベットはこれまた伝統的にコイルスプリングを使っておらず、C7においてはコンポジット素材のリーフスプリングを使っています。リーフとは言ってもトラックとかで使われるアレではありません笑。サスペンションの形式は4輪ダブルウィッシュボーンで、これにコントロールアームが追加される構成です。





リーフスプリングは横置き、つまりスタビライザーと並行して配置され、1本のリーフが左右ロアアームと繋がる構造になっています。この方式のメリットはスプリングを低い位置にマウント出来ること、サスタワーに高剛性が不要になり剛性バランスも低重心化出来ること、ホイールハウス内のスペース効率の向上。これらにより全体としてパッケージング・ボディデザインの自由度が上がり、軽量化、低重心化が可能になるとのこと。


黄色の矢印が指しているのがリーフスプリング。緑の矢印が指しているのがプリロード調整ボルト

更にはロアアームへほぼ直角に作用するためホイールレートがストロークによって大きく変化しないことも挙げられています。一方でデメリットはあまり説明されていないのですが、コイルスプリングのように不等ピッチなどによる漸進的なレートが作りにくいこと、それに関連してセッティングを変更しづらいのだと思います。レース仕様ではスプリング交換も大変ですね。因みにこのリーフスプリングはロアアームが直接押す構造なのですが、リーフとロアアームの締結ポイントはラバーマウントのボルト止め。リーフに対するプリロードを調整することが出来るようになっていて、車高を調整することが出来ます。前後左右の重量バランスをノーマルで変更出来るのは結構凄い。

次にダンパーですが、コルベットではZ51以上でMRC(Magnetic Ride Control)という電制可変ダンパーが使われています。この可変ダンパーは実は一般的な可変ダンパー、例えばポルシェやR35 GT-Rで使われるBilsteinのDampTronicなどと根本的に作動原理が違います。



DampTronicは電子制御でダンパーのバルブ(オリフィス)をコントロールして減衰力を変えていますが、MRCではバルブは固定。そしてダンパーオイルに相当するフルードに磁性体を持たせ、この磁性体の結合サイズが電磁的に可変することでバルブを通る際の通りにくさが変わり、減衰力が変わります。若干語弊がありますが、ざっくり言えばダンパーオイルの粘度自体が変わるようなイメージ(磁性体なので厳密には粘度とは違いますけど)。



MRCの強みは、機械的にバルブを可変するわけではないので反応速度が非常に速いこと。各ホイールごとに減衰力をかなり早い周期で変えられます。さらには変化幅も大きい。また、ダンパー構造自体は固定であることから、耐久性も高いです。というわけで中々素晴らしいダンパーなのですが、デメリットはダンパーフルードが温度の影響を受けやすいということと、何よりもフルードが特殊なために一般的なショップでのダンパーのオーバーホールが難しいようです。しかしMRCは構造が単純なのに減衰レンジが広く、応答速度もDamptronicより速いのでダンパーとしてはかなり良さそうですね。
Posted at 2026/09/30 23:53:37 | コメント(2) | トラックバック(0) | Corvette | 日記
2026年09月29日 イイね!

6.2L V8 659psの維持費

6.2L V8 659psの維持費コルベットを買うにあたって、ある程度の覚悟があるとは言え維持費がどれくらいになるのかというのは気になるポイントではあります。しかし実際のところ年間数千キロ、おそらく5,000km以下しか走らないと想定しているので、あまり燃費は気にしていません。タイヤ代は痛そうですが、10,000km持つなら2年に一度です。自動車税は最高額の¥111,000で痛いことは痛いですが、それ以上に任意保険が若干心配ではありました。というのもC7 Z06は型式が「フメイ」という車種なのです。いわゆる型式指定を取得していないクルマということです。型式指定は保安基準適合性の証明や品質管理体制などが審査されてようやく認められることになるのですが、この手間が膨大でコストもかかるため、販売量が見込めない輸入車では型式指定を取らないというのはよくある話なのです。型式指定を取得すると持ち込み登録や車検が不要になって良いのですが、まぁコルベットくらい少量だとしょうがないですね。それで型式指定を取得しないと型式が「フメイ」という扱いになるのですが、この「フメイ」になるとほとんどのネット通販型損保に入れません。案の定ボクスターで入っていた保険会社からは断られました。どうなることかと心配していたら、レンスポでお世話になっている三井住友海上で引き受けてくれるというのでそちらで入るんですが、車両料率クラスは9と、レンスポの17より全然低かったのです。(ほっ) しかも車両保険(フルカバー)の設定は購入金額を全額担保。10年落ちの中古で購入金額全てを担保してくれるのは大変ありがたい。何しろボクスターは12年経過して車両保険が最高260万しか入れなかったのです。売却額の半額以下です(苦笑)。それで659psのコルベットの方が300psのレンスポより安いとは一体・・・。代理店型だから走行距離も無制限ですし。まぁ市場にいる台数が極端に少ないこともあって、実績的に事故が少ないんでしょうかね。

そんなわけで基本的な維持費用のことを考えたら日本以外の国ではどうなのかを知りたくなりました。例によってAIに聞いてみるとこれがなかなか興味深い。

想像はしていましたが、税はかなり国ごとの差が大きいですね。Z06級になると、日本は「排気量で高い」、フランスは「CO₂でとんでもなく高い」、イタリアは「出力で高い」、米国は「所有税は比較的軽いが購入時にGas Guzzler」、英国・ドイツはCO₂課税が効く、という感じです。
ざっくり比較するとこうです。



日本は実は「高いけど単純」
日本のZ06は6,162ccなので、自動車税では6L超の最高区分です。ただし日本の特徴は、650hpだから税金が増えるわけではないこと。まぁ6.2L V8 で650ps なのでどんな課税されてもしょうがないなwくらいに思ってますが、やはり安くはないですよね。しかも年間そんなに走らないので。

アメリカはGas Guzzler Taxです。これは燃費22.5mpg未満の乗用車に、新車販売時だけ課されます。最低$1,000から始まり、燃費が12.5mpg未満だと最大$7,700。メーカーまたは輸入業者が納税し、実質的には新車価格に転嫁されます。つまり、
「燃費の悪いスポーツカーを買うなら最初に少し余分に払ってね」
という制度。その後の毎年の所有税は州ごとに違いますが、日本や欧州のように「6.2Lだから毎年高額」という全国一律制度はありません。なのでC7 Z06の母国アメリカは、相対的にはかなり所有しやすい。

イギリスはVED(Vehicle Excise Duty)がCO₂連動です。2026年度では、255g/km超の新車は初年度£5,690。さらに車両価格£40,000超なら、2年目から5年間は年£440のExpensive Car Supplementが加算され、通常年額£200と合わせて**£640/年**です。因みにC7 Z06の欧州仕様CO₂は291g (MT) - 322g/km(AT)。余裕で一番高いレンジです。新車初年度の税金が今のレートだと120万円近い(汗)。加えて毎年13万円くらい。なかなかですね・・・。

ドイツは排気量+CO₂です。2014〜2020年初登録のガソリン車なら、排気量100ccごとに€2、CO₂ 95g/km超の1gにつき€2です。なのでC7 Z06で計算すると€578/年。ざっくり10万円弱。「6.2Lだから死ぬほど高い」という感じではありません。むしろCO₂の方が税額の主体です。

フランスは強烈です。2026年の新車CO₂マルスでは、191g/kmを超えると€80,000です。191g/kmというのは日本流の燃費に当てはめると大体12km/Lくらい。これは新規登録時の一回限りの税金ですが、Z06はもちろん、最新の992.2でも簡単に最高額に到達します。完全に上限です。つまりフランスでそれなりの排気量のスポーツカーを買う場合、車両価格+€80,000という世界。さらに重量課税(malus masse)もあります。これはもう「高性能車を買うなら相応に払ってください」という政策が非常に明確です。それにしたって、税金だけで1400万円以上だなんて・・・。フランスでパフォーマンスカーを所有するのはかなり厳しいですね。

イタリアは珍しく、最高出力そのものを狙い撃ちします。185kWを超えるクルマにはSuperbolloという追加税があり、185kWを超えた1kWにつき€20/年です。C7 Z06の欧州仕様は485kW。つまり新品時なら= €6,000/年。これに通常のbolloも別途かかります。年間約100万円クラス。かなり強烈です。

オーストラリアはLuxury Car Tax(LCT)。一定価格を超える車両に課税します。基本的には、閾値を超えた部分の33%という仕組みです。つまり、6.2Lだから650hpだからCO₂が多いからではなく、高価なクルマだから課税する。Corvetteのように本国では価格性能比が売りの車でも、輸入車として高価格になればLCTが効いてくるわけです。

アジアを見ると、韓国は割と普通で日本並、しかしシンガポールは購入時の税額がフランス並かそれ以上で、維持費としても毎年100万くらい取られる。



なお保険は税金ほど制度差はありません。基本的に高出力+高車両価格+高い修理費+事故率+盗難リスクで保険料が上がります。これはほぼ世界共通。ただしそのモデルの実際の事故・損害実績を見る国が多いです。日本では型式別料率クラスが1〜17で設定され、事故実績に応じて毎年見直されます。ドイツも非常に似ていて「Typklasse」という制度があります。各車種の過去3年間の事故件数や修理費用をもとに、対人・車両保険などの料率が決まります。GDV自身も、高出力の高級車やSUVは高いTypklasseになりやすいと説明しています。イギリスも車両グループ、運転者年齢、郵便番号、事故歴、修理費などの影響が大きいです。ABIも保険料が事故頻度と損害額に強く連動すると説明しています。なのでZ06の場合、各国共通して、税金よりむしろ車両保険が痛い国もあるという感じのようです。

Z06オーナー目線で並べると

アメリカ:一番やさしい。Gas Guzzlerはあるが、所有中の全国一律ペナルティは小さい。
日本:毎年の排気量税は高いが、650hp自体には課税しない。
イギリス:CO₂課税だが、中古C7なら年間£790程度なので極端ではない。
ドイツ:排気量+CO₂。それでもC7 Z06なら€500〜600程度/年。
イタリア:出力課税なのでZ06にはかなり厳しい。新品時Superbolloだけで€6,000/年。
フランス:新車高CO₂車には別世界。現在なら最高€80,000の登録時マルス。

こうして比較を見ると、日本の6L超自動車税も高いと思っていましたが、欧州の一部やシンガポールに比べると意外に優しいんですよね。そしてZ06のようなクルマにとって一番厳しいのは、「排気量課税」より実はCO₂課税と出力課税ということですね。いや〜、意外な調査結果でした。
Posted at 2026/09/29 08:26:12 | コメント(2) | トラックバック(0) | Corvette | 日記

プロフィール

「マフラー、バルブ開いたらほぼ直管だったわw バルブ閉じると内側から排気、開くと外側の直管がメイン。汗 なおバルブは出口付近。」
何シテル?   10/27 07:59
10年以上続けていた2輪レース活動を休止し、のんびりとバイク/クルマ生活を楽しんでます。今はやる方ではなく観る方に変わりましたが、モータースポーツは2輪・4輪問...
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