
6月の来日ラッシュ(仕事の、です)がようやくひと段落したので、どこかへ逃避行したい!ということで金沢へ行ってきました。温泉も考えたのですが、宿は普通にホテルに取ってその分美味いものを食べよう、と・・・。最初はバイクで行くつもりだったのですが、意外に疲労が溜まっており連日睡眠が浅かったこともあり、久しぶりにボクスターを連れ出すことにしました。初日は1人でツーリングを楽しみ、妻は2日目午後から新幹線で合流ということに。
ボクスターに乗り込み、いきなり「低っっ!」11年以上も乗っているのに驚く(笑)。すごく低いところに座っている感があって路面がすぐそこです。これでもエキシージに乗った後だとまるでセダンのように高いポジションだと思ったものですが、レンスポから乗り換えるとスポーツカーそのものです。この「本物のピュアスポーツじゃないけど、スポーツカーを感じさせ、それでいて実用性と日常性を併せ持つバランス」がポルシェの真骨頂なんだなぁ、とつくづく思います。
午前中から30℃になろうかという暑さ。平日とは言えそこそこ混んでいた中央道は甲府を過ぎると交通量は急に減り、快調にクルーズ。長野道の松本で降りて上高地を目指します。松本でもそこそこ気温は高く、日差しが強かったのでルーフは閉じていたのですが、上高地に近づくにつれて気温はどんどん下がってきたのでルーフを開けて気持ち良くドライブ。標高が上がるとなんと20℃を切るほど下がり実に気持ち良い。上高地までは車列に連なってのんびり走っていたのですが、安房トンネルを越えると行き先がバラバラになってR471で富山方面へ向かうクルマはほとんど居なくなりました。R471は奥飛騨温泉郷を通って高原川沿いを走る気持ち良い道路です。見座でR471を外れ、「飛越高原天の夕顔の道」とか名付けられた道路に入ります。典型的な田舎の山道で、どんどん標高を上げていきます。路面も綺麗で道幅もそこそこあり気持ち良く踏めます。
そして久しぶりに有峰林道へ。ここまで来るともう全くクルマは走っていません。前のクルマに追いつくこともなければ、すれ違うこともありません。完全に貸切状態。有峰林道は岐阜から富山に跨る舗装林道で、元は有峰ダムの建設のために作られた道路です。
如何にも森を切り開いて作った、という山深い森の中を走るのが印象的です。料金所へ着くと道路を跨ぐようにロープが張られています・・・??? 通行止めなのかと思ってUターンしようとバックをすると、良くみたら料金所の中に人がいました。通行止めなのか確認しようと再び料金所の脇へ止めると、おじさんが出てきて通行止めではないとのこと。「あまりに空いてるから料金所をそのまま通過しようとする人がいるから、クルマを止めるためにロープを張っていたんだ」とw。聞けば今日はほとんどクルマが来ていないらしく、「クルマ全然いないから思い切り飛ばせるよ!でも気を付けてね。」 うーん、良い(笑)。久しぶりに思う存分踏みました。
ここの路面は元は綺麗なのですが、あまりにもクルマが通らないので落ち葉や枝、それから落石も結構あります。この日のコンディションはバイクだとちょっと気を遣う感じでした。もちろんクルマでも気を遣いますが緊張感が違います。それにしても気持ち良い。1人で誰もいないワインディングに没頭することの幸せ。落ち葉や枝でちょいちょい挙動を乱すのですが、その全てが手の内にある安心感。(もちろん滑ることを予測しながら走らせてるからですが・・・)この程度なら実にコントロールしやすいシャシー。楽しいなぁ・・・。
そうして山を降り、立山市から北陸道で金沢へ。随分工事が多いですが、夕方早めにホテルへチェックインしました。晩御飯をどうしようかと思ったのですが、翌日は贅沢をするのでゴーゴーカレーでw(東京にもたくさんあるっていうのに)。
さて翌日、この日の昼ごはんは小松弥助へ。小松弥助は北陸どころか西日本を代表する鮨屋の1軒でしょう。ここは10数年ぶりくらいでしょうか。店が移転しており、金沢駅近くの旅館の中に入っていました。
昔は確か紹介じゃないとダメだったので、お客様に紹介頂いたような。今回は数日前に電話を入れたのですが、1人だったのでカウンターを空けてくれたようです。いよいよ店内に入ると、驚くことにレジェンドと言える大将はご健在(93歳)で、それどころか今だに握りはほぼ全て大将が握っています。動きを見ていてもとても90代とは思えない機敏な動作。凄過ぎます。江戸前の仕事、細かく包丁を入れたネタにふんわりとした柔らかめの握り。大将からの手渡しで頂きますが、箸など使ったらバラバラになるでしょう。そういう意味では少し独特と言っても良いかもしれません。握りはもちろんそれぞれレベルが高いのですが、この日のベストはまさかのウナキュウ。ウナギとその焼きはそれ自体が名店レベルだったような。次はスペシャリテと言われる白山という一口丼。酒が進み過ぎそうになるのを必死に堪え、美味しく頂きました。
午後には妻が金沢へ着き、夜はフレンチ、ENSOへ。正確にはInstallation Table ENSO L’asymetrie du calme という長い名前のお店。片町のはずれにある一軒家のレストランです。
スタイルとしては創作系フレンチですね。メニューはもはやなぞなぞ(笑)。イラストで食材が描かれており、食材が何か、どんな調理かを客は想像しながら料理を待ちます。
イラストそれぞれが1皿なので何と全14皿。それも一皿一皿はとても凝っており、これだけの種類の仕込みをすること自体が想像を絶します。そう言えばフレンチでワインリストを見なかったのはいつ以来でしょうか。何しろ食材自体も良く分からないし調理も良く分からないので、選びようがない。素直にペアリングをお願いしました。
私はどちらかというと創作系よりはクラッシックを好みますが、しかし全ての料理が非常にレベルが高く美味しかったです。素材の良さ、丁寧な仕込み、火入れ、何より食材や調理の組み合わせから生まれる複雑な味わいの素晴らしさ。素晴らしいセンスだと思います。全てが美味しかったのですが、あえて選ぶならこの日のベストは甘鯛のローストをスープに入れた一皿(写真中央下)。細かい点は忘れてしまいましたが(汗)、松笠焼き的に鱗をパリっと焼き、身はふわっと仕上げてスープとのバランスが最高でした。
翌日はホテルをチェックアウトして金沢港へ。いきいき魚市場というよくある観光客向け?の市場の中にある、立喰い鮨 優勝へ。店名が優勝ってあなた・・・笑。ここは金沢の名店の一つである、めくみの大将が監修しているとか。
ここも流石にレベルが高かったですね。クエとウニが最高でした。このままクルマで帰るので、お酒が飲めないのが残念過ぎました。
帰りは福井から白川郷へ抜けるホワイトロードが開通したということだったので走ろうと思っていたのですが、岐阜側の崩落箇所の修復が間に合わなかったらしく、全線開通ではなく折り返しとのことだったので、北陸道〜上信越道〜関越道経由で帰ってきました。約1,000km、ボクスターと美味しいものを楽しんだ週末でした。
Posted at 2025/07/03 10:43:24 | |
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クルマ旅 | 日記