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今回、４年ぶりとなるタイヤ交換をするにあたって何にするか。（因みにOEのSPORT MAXX RTが1年しか持たず、FK510は不満で1年で交換してました）車検に向けて時間がないだけに焦りつつ悩みました。PS4Sはインプレに書いた通り素晴らしいタイヤだったのですが、そのインプレでも書いた通り少しタイヤが柔らかいというかしなやかな感じが特徴だと思います。PS4Sは現在ボクスターにも履いていて、やはりPilot Super Sportと比べて少ししなやかな感じがあるのですが、逆にボクスターのボディ剛性、車重に対してはちょうど良い感じで、ゲインが穏やかな分、攻め込んだ時にトリッキーな挙動にならずに安心して攻め込める感じがあります。ボクスターは攻め込むとターンインで比較的容易にリアが出ていってしまうので、丁寧にヨーを立ち上げないとミッドシップということもあって結構怖いことになりかねないんです。一方ボディ・シャシー剛性がかなり高く、そして車重も重いC63ではやはり少しですが柔らか過ぎる。

極小の微舵からコントロール出来ることは出来るのですが、もっとすっきりヨーが立ち上がる気持ち良いハンドリングを求めたくなったのです。C63ではそんなに頻繁にワインディングを攻めるようなことはないのですが、逆に言えば街乗りや高速でもう少し気持ち良いハンドリングの方を優先したい。何故ならOE装着のDUNLOP SPORT MAXX RTが未だにハンドリング面ではベストだったと思うからです。多少の乗り心地やグリップを犠牲にしても、もう少しシャープさが欲しい。でもSPORT MAXX RTはもう古いタイヤだし何か他に・・・。

私のC63に履いていたPS4Sは通常仕様のタイヤだったのですが、実はその後メルセデス承認のMO1仕様がC63の前後サイズともリリースされました。例によってTIRE RACKでデータを見るとそれなりに違いそうだったので、剛性調整がされているのかも・・・と思いました。（少し浅溝となっており、トレッド面も少し狭い）しかし実際のところPS4Sは2017年発売の結構古いタイヤです。Michelinからは更に新しいPilot Sport S 5というモデルがリリースされていて、これは当面OE専用（しかも21インチのみ）ということなのですが、そう遠くない将来一般向けがリリースされるでしょう。

一方でコンチネンタルからは2022年に最新フラッグシップであるスポーツコンタクト７がリリースされました。PS4Sからは5年前後は設計が新しいタイヤになります。（当然PS4Sも比較して開発したことを期待）スポーツコンタクトシリーズは何回か試乗車にも履いていて印象が良かったですし、C200のOEはスポコン5のランフラットでしたが、ランフラット独特の硬さ以外は悪くなく、コーナリングマシンのようなフィーリングをC200に持たせていました。そしてスポーツコンタクト7は全ての車両タイプと重量に合わせるべく、テーラーメイド・コンストラクションという要するにサイズ毎に構造・剛性を最適化した、ということで、剛性を気にしていた私にとってこれは良いのでは・・・？　と。



交換しての最初の印象は、期待通りケース剛性が高くステアリングがSPORT MAXX RTの時のようにリニアに反応するようになったことでした。しかもダンピングが非常に良く、これが気持ち良い。ハーシュネスは少し硬くはなりましたがSPORT MAXX RTよりは全然良く、PS4SとSPORT MAXX RTの中間といったところ。今のところC63とのマッチングはPS4Sより上だと感じています。やはりOE装着のタイヤのバランスというのは結構重要なんだな、と再認識した次第です。

C63とのマッチングでの比較をするとこんな感じになります。念の為書いておきますが、これはC63とのマッチングでの私の印象です。有名ブランドのこのレベルのタイヤの性能が根本的に悪いなんてことはほぼ無いはずです。ただしそれぞれキャラクターがあるので、それがクルマや自分の乗り方、好みに合うかどうか、ということです。



スポーツコンタクト７のドライ／ウェットとも絶対的なグリップはこれからの評価になりますが、今のところ非常に満足しています。

2024/3/25 追記： 比較表に直進安定性の項目を追加しました

C63が再び車検・・・の予定でした（汗

何シテル？で呟いた通り車検の事前整備でフロントタイヤのカーカスが出ていることが発見され、C63は一度引き取ってからタイヤ交換後に再入庫と相成りました。。。それはまた後日書くこととして、今回は再びSクラスのことを。

２年前の車検の際にもS500をお借りして大いに感銘を受けたのですが、しかしその前に借りたW222型S400dの方がトータルで素晴らしく感じたのも事実でした。インプレにも書いていますが多少足回りがドタバタした感触があったのですね。

そして今回も再びSクラスをお借りしたのですが、今回はロングボディ仕様でした。オプションはあまり組まれておらず、シートのマッサージだったり後席のエンターテインメント・モニターなどは装備されていませんでした。今回お借りした個体は当然モデルイヤーが新しくなっているのですが、足回りが更に熟成された感がありました。それはもう極上としか言いようがない乗り心地。長いストロークを活かして大きなギャップはフワリと飲み込み、小さなギャップは上下動を感じさせずに角を丸めてスルスルと通過します。同じAMG LINEでタイヤサイズが同じにも拘らずMY22で感じたホイールのバタつきはもはや感じず、滑らかそのもの。

静粛性の高さは言うに及ばずなんですが、雨の路面を走っていてもタイヤ周辺からの雨の飛沫の音がほとんど分からないと言ったら大袈裟か。まぁとにかく凄いです。並のEVならこちらの方が確実に静かでしょう。しかもそれほど静かなのにかすかに聞こえるガソリン6気筒が無機質な感じにさせず、気持ち良くクルマを走らせることが出来ます。



ハンドリングも極めて正確。スポーティなクルマのようなフィールの豊かさはありませんが、最低限のフィードバックはあり、何より精緻感があって極めてリニアなので多少フィールが薄くても非常にコントロールしやすいです。だからステアを丁寧に入れることが出来、結果的に横Gの出し方・抜き方が綺麗に出来やすい。そういう風に走らせるとロール感のバランスがまた絶妙で、妙に突っ張るわけでもなく、しかし不思議なほどロールは少なめで、一般的にはそんなに出さないでしょう、という領域のGになるとそこからはロールがこれまたリニアに深くなっていく・・・。冗談のようですが全長5.3mを超えるこの巨体を、スポーティに走らせることすら出来るのです。状況次第では立ち上がりではフロントイン側が空転（4WD）するくらい。。。

エンジンは3リッター直6のマイルドハイブリッドですが、やはりもっとトルクは欲しいです。街中レベルではほとんど感じませんが、高速道路などモーターアシストが効かないレベルだとどうしてもトルクというかトルクのレスポンス不足を感じます。トルクの出方に多少オーバーシュートする感があるんですね。やはり小排気量にハイブーストをかけるトルクと、大排気量のトルクでは地力とも言うべき質が違います。こういうクルマはやはり大排気量V8、もしくはディーゼルのトルクの出方が合いそうです。



それにしても・・・これこそがクルマの世界の大吟醸。磨きに磨いて磨き抜いたクルマ。凄い世界です。趣味のクルマとしてのドイツ車に対する興味がほとんど失せている昨今ではありますが、これだけは例外です。やはりいつかは手にしてみたいクルマです。とは言え実際に買うとなると高いこともありますが、大きさが非現実的。幅の1920mmはまぁ良いとしても、何しろ全長5320mmはハイエースのスーパーロングとほぼ同じ長さｗ。かろうじて自宅には駐車出来るのですが、コインパーキングなどは頭が出ますｗ。リアステアのおかげでびっくりするほど取り回しは良いのですけどね、絶対的な大きさだけはどうにもなりません。

２年前に書いたインプレと９割くらい書いていることが同じなんですがｗ、でも何回乗っても感銘を受けるのでまた同じことを書かせて頂いた次第です。。。