
4日目。この日はコルティナを出発し、ドロミーティで有名なミズリーナ湖とトレ・チーメと呼ばれる山を少し観光してからアルプスを西へ向かい、モンテ・ジオヴォ峠と有名なステルビオ峠を越え、ステルビオの麓の町ボルミオへ行く280kmほどの短いルートです。
宿を出発し、まずはミズリーナ湖を目指します。SS51号線からSS48号線へ右折します。美しい森を抜けるとすぐに登り坂になります。
宿からものの20分ほどでミズリーナ湖へ到着。ここは、湖が美しいというよりは湖から望むアルプスの山々が美しいことで有名です。
・・・美しいことは美しいのですが・・・。昨日までに既に素晴らしいアルプスを随分見てきたので普通の美しさでは感動しない脳になってます・・・。そんなわけですぐにトレ・チーメへと向かうことにしました。トレ・チーメはドロミーティで有名な3つの頂を持つ山で、ドロミーティの岩山の様子を代表する山と言えると思います。ドロミーティの山々は多くが石灰岩で構成されており、長年の風雨で侵食され、ギザギザというかゴツゴツというかこういった岩肌の山になります。ここトレ・チーメも世界自然遺産に指定されています。
ミズリーナ湖から200mほど戻ったところでトレ・チーメへアプローチする道路が分かれており、そちらへ向かいます。既にたくさんの観光バスやクルマがいます。結構な勾配の道をしばらく登ると料金所が出てきました。どうやら駐車場料金をここで払うようですが、結構な渋滞・・・。
料金所でお金を払い、山道を登ります。駐車場の料金所があったのですぐに駐車場があるかと思いきや、かなり斜度のきつい勾配をどんどん登ります。
クルマやバスが多いので、速度も遅く、渋滞のようなペースでなんとか登りきるとようやく駐車場なんですが、そこは既に素晴らしい景色・・・。駐車場でこれか。
ここは既に標高2300mあまりで、先ほどいたミズリーナ湖も遠く下の方に見下ろせます。ここから有名なトレ・チーメまでは片道1時間半ほどのハイキング。往復3時間ですね。休憩を入れたら4時間くらいでしょうか。バイク用のブーツでそれは厳しいので、駐車場からの絶景を堪能して後にすることに・・・。
次に目指すのは、モンテ・ジオヴォ峠。観光地ではないので日本語のガイドなんかには載ってない場所なのですが、地図を見て面白そうな道だったので選びました。SS51へ戻り、そこから北へ向かってドロミーティの幹線道路E66へ入り、西へ向かいます。このE66はかなり退屈な道路で、交通量が多くトラックや乗用車で構成されるコンボイの後ろを大人しく走るしかありません。(もちろんチャンスがあれば抜きますが・・・)
いくつかの街を過ぎると、ようやくオートルートA22号線の標識が。A22に乗り北へ向かい、
ヴィピテノで降ります。SS44号線を道なりに山へ向かいます。
この峠もまたタイトな峠で、路面は荒れてる、砂は浮いてる、路肩は丸く落ちている・・・など結構ハードです。
きつい斜度をグングン登り・・・。・・・途中でR1200GSに抜かれました。全く追えないスピード。本当にアルプス最速はGSです。森の木に囲まれたそんなワインディングを頑張って登ると、急に視界が開け絶景に・・・。いつの間にかかなりの標高を上っていました。
そして頂上へ到着。
どうやらここも結構なバイクやクルマが集まる峠だったようです。
頂上にはトレーラーを引いた(!)ヴェスパがいました。ドイツナンバーで、綺麗にレストアされてます。混合ガソリンをトレーラーから出して給油してました。
ちなみにここの峠に限らず有名な峠の頂上の標識やガードレールには、バイクやクルマのクラブ等のステッカーが多く貼られていて、この辺は日本と結構似ています。(笑)
峠を反対側のメラノ方面へ下ります。こちら側は先ほどよりは随分緩やかになり、気持ち良く走れます。山を降りたところの街でランチを食べ、再び出発。今度はステルビオを目指します。
が、メラノの街中でロスト(迷子)・・・・・。
海外のツーリングで一つ悩ましいのは、行き先の案内標識が分からないケースがあることです。要するに示されている地名がどの辺か想像が付かないことが多いため、どちらに曲がれば良いかが分からない。海外ツーリングではGARMINのポータブルGPSを持って行きますが、こいつは停止していると方角をロストして地図がグルグル回ってしまったりしますし、ルート案内ロジックはバイクで入れないような狭い歩行者道も指示しますw。それからルート案内は最短ルートしか示さないので、楽しそうなワインディングを優先するような遠回りのルート設定が難しいんですね。そういったわけで基本的には現在地の確認と補助的なルート案内という使い方にしています。それでもあるとないとでは大違い。今はiPhone+Google mapの方が断然精度も良いのですが、アルプス山中となると電波が届かない場所も多く、使えないこともあるのです。
この時は街中だったのでiPhoneを起動してGoogle mapで助かりましたが、滅多に見ることが出来ない地元の住宅地を彷徨いました・・・w。
実際のところ、昔は現地で売ってるロードマップと方角を頼りに走ってましたから、その頃に比べると劇的に迷子にならなくなりましたし、ルート確認のために止まる頻度もかなり減りましたね。
気を取り直してステルビオを目指します。
幹線道路をしばらく走るとステルビオの標識が・・・。SS38を左へ曲がります。
踏み切りで電車の通過待ちをしていると、(ちなみに5分以上待つ) 後続のライダーから声をかけられました。"Are you challenging Stelvio?"
なぜ "going"ではなく"challenging"と聞かれるのか・・・
ステルビオ峠は相当有名な峠で、Top GearのDriving Heavenを始め雑誌やWebサイトの様々な峠ランキングで上位に来る峠です。YouTubeでStelvio passで検索すると多くの動画がヒットします。またポルドイと同じくジーロ・ディターリアのステージにもなっています。
Top Gearのエピソード。後半がステルビオ。
ステルビオ峠は5年前にも走っているのですが、その時はボルミオ側から登ってメリノ側へ下る方向で、つまり今回とは逆方向でした。
いよいよ山間部へ入り、一つ目のヘアピンコーナーへ。標識には48と書いてあります・・・。そう、この後47個タイトヘアピンがあるのです。道は乗用車同士のすれ違いも気を遣うレベルの狭さで、しかも路面が荒れています。カーブのキツさもほとんどUターンレベルで、対向車線側を使ってフルにターンしないといけません。しかも1速+半クラ。この時、対向車が来ていたら相手のラインと交錯することになりますが、何しろUターン並みのカーブで勾配もあるので、対向車が下りてきているかどうか全然見えないのです。もちろんカーブミラーなんてものもありません。フルバンク中に対向車が正面に来たら止まるしかないわけですが、フル積載+タンデムのRTではその時点で立ちゴケ間違いなし!(苦笑) そんなことも含めて"challenge"なわけです。
BMW S1000Rでのオンボードビデオ。15分過ぎから見れば雰囲気が分かる。広角レンズなので道が広く見えるかもしれないが、実際は狭い。サイクリストが異様に多いが、私が行った時はここまで多くはなかった。
まぁ1人で走って軽量なモタードみたいなバイクだったら何て事ないと思いますが、重装備の"旅バイク"は結構辛い。途中観光バスが降りて来てどうしようかと思いましたが何とか端いっぱいに寄ってクリアし、頂上へ到着。
ステルビオ北側
ステルビオ南側。南側は北側に比べて斜面が緩やかなので、道路の幅も広めでカーブも大きめなので走りやすい。Top Gearの映像で走っているのはこちらの南側。
そうしてステルビオを下ると、そこは今日の目的地ボルミオの街。いやぁ、暑かった・・・。30度でエアコン無し・・・(涙) エアコンの代わりに、バスタブがあったので水浴びしました・・・。
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バイク旅 | 日記
Posted at
2015/07/27 21:48:35