
先日、出張で久しぶりにアイルランドへ行って来ました。アイルランドでは中東部の首都ダブリンでお客様をピックアップして、コークというアイルランド南端の街までドライブということに。アイルランド郊外は高速のペースがかなり速く、電車よりもクルマの方が速いんです…。
そんなわけでまずレンタカーのセレクト。距離は片道300km以上を往復、快適でそれでいて淡々と飛ばせるクルマ。こんな時、いつもならVWゴルフを指定です。しかし最近は普通に頼むと1.6 ディーゼルのBlue motion になっちゃうので、2.0 TDI を依頼。ところが最近は2.0ディーゼルって言うと無いことが多い。ダウンサイジングなんですな。でも1.6 TDIは 110 hp程度でせいぜい160km位までのクルマ。最高200km+α、巡行170-180となるとキツい。その上はというと、例えばBMWの318d、153bhp / 320Nm。これで及第点。でも3シリーズはあまり乗り心地が良くない印象だったのと、あまり金額が変わらなかったので、520dを選択。同じクラスだとアウディA6も選べたけど、経験的にアウディはシート、特に座面が硬くて一気に長く走ると結構疲れるんでパス。
そんなわけで520d。2リッター4気筒のディーゼルなんですが、スペックは190bhp / 400Nm と名前は520ですが、日本仕様の523d 184ps / 380Nm より微妙に上です。これは同じ4気筒でも下に 518d 150bhp / 350Nm、上に 525d 218bhp 450Nm と3種類もラインナップがあるのでそういった関係なんでしょう。因みに3リッター6気筒の 530d というのもあり、こちらは 256bhp / 560Nm という怪力ぶりです。トリムはレンタカーなので無論SE。シートはスライド手動の他は電動というポルシェみたいな感じ。ステアリングのチルト&テレスコも手動。ナビは妙に小さいw。でも革シートだしインテリアの印象はやはり3シリーズよりは全然上ですね。早速ポジション合わせ…。さすがBMWと思うのは、すぐにポジションが決まってそこからの視界が良いこと。ピラーやウインドウの感じが一体感を感じやすい造りなんですね。
早速発進…が、いきなりワイパーが動く。(笑) こういう操作系は私は間違えない方で、特にウインカーを間違えることはほとんど無いんですが、Dレンジに入れようとしてワイパースイッチを下にカチっとな…。これは自分で驚きました。ここまでCクラスのコラムシフトに慣れていたのかと。改めてシフトレバーをDレンジに入れ、サイドブレーキを解除して発進…出来ない。(汗) 電動パーキングブレーキのロジックが、メルセデスと逆の引いてロック、押して解除なんですな。解除しようとして一生懸命ロック。ポルシェとメルセデスはどちらもパーキングブレーキのスイッチがダッシュボードのステアリング脇の下の方にあり、操作ロジックは押してロック、引いて解除と同じです。これに対してBMWとアウディ、VWはスイッチがセンターコンソール上にあって逆のロジックなんですね。いや、自分のクルマだったら絶対慣れるので、どちらがイイとか以前にどうということは無い話なんですが、ちょっと出鼻を挫かれました…。(;^_^A
そして携帯のGoogle mapで目的地を設定して発進・・・。すぐに感じるステアリングの違和感。う~ん、これはE90の3シリーズ風味なフリクション感・・・。なんかこう、ステアリングを切るのに妙な抵抗がある。タイヤの捩れとかではなく、ステアリング自体に抵抗があるような。それは極低速から40km程度までのことで、E90 みたいに変に重くはないからすぐに慣れますが。
空港周辺からはトウモロコシ畑の間を走る狭い一般道 Rロード(=イギリスのBロードかな)でまずはお客様の会社へ向かいます。結構タイトでブラインドだらけのワインディング、幅は箱根の乙女峠レベル。そこでいきなり5シリーズの本領発揮。明らかにDセグより一回り大きいことを感じさせるものの、普通にワインディングが楽しめる。正確で剛性感があり、ゲインが高くないステアリング、割とジワっとロールするしなやかなサスペンション。荒れた路面を吸収する225/55R17のタイヤ。いきなり好印象。F10はデビュー当時に試乗してるんですが、その時は6気筒ガソリンの535i。非常に気持ち良いクルマで結構気に入ったんですが、520dはアレとは大分違います。1760kgに190bhp / 400Nm ではやはり加速は緩慢で、535i程自在に動く感じはありません。とは言え足周りはやはり5シリーズといったところ。60km/h位まではリアは逆位相でステアされるようですが、違和感はありません。クルマ全体が軽快に向きを変えるように感じるだけです。
お客様をピックアップして高速へ。ダブリンはたった人口50万人の街ですが、クルマは多く全般的に道路が狭いこともあって結構混雑します。特にダブリン市内は東京都内並、ロンドン市内並と言えるレベルでしょう。高速に乗っても結構な交通量で、郊外に出るまでは首都高並にクルマは多いです。
ようやく郊外に出ると交通量は一気に減り、巡航速度が上げられます。ちなみに制限速度は110-120km/h程ですが、駐車違反の厳しいアイルランドでも速度に関しては寛容なようで全体的にペースは速く、右車線のペースは130-140km/h程です。さらに、空いてくると170-180km/hで普通に巡航出来ます。
高速域での520dは、まず遅い。(笑) 140km/hから上での加速は緩慢そのもの。実はウチのC200と重量以外のスペックは大差ないのですが、C200の方が体感的には全然速いです。この辺りはガソリンとディーゼルの特性の違いが大きいと思います。やっぱり本当の高速域はガソリンかな、と。ただし静粛性は素晴らしく、ディーゼルであることは全く意識しませんし、180以上でもウインドノイズは抑えられています。
交通量がこれくらいなので、普通に180以上でクルーズ可能。そうなると3時間かかるところが2時間強で着く。速いクルマ、道路はきちんと価値があるのだ。
200以上でも声を上げずに普通に隣の人と会話出来るレベルなので、静かと言えると思います。そして落ち着いていながら微舵にしっかり反応するステアリングが素晴らしい。超高速とは言え丁寧な走り方が出来ます。また、リフトもあまり感じさせず横風の影響も少なく、空力面でも優秀です。高速はそれなりにコーナーもアップダウンもありますが、ほとんど速度を落とさずにコーナーへ入っていけるコーナリング性能=つまりそれだけの高速コーナリングでも安心感が高いのは、やはりEクラスにはないものがあると思います。それじゃあライドコンフォートはどうかというと、これもまた良いのです。225/55というタイヤもあるでしょうが、ちゃんとしなやかにストロークする脚で乗り心地が良い。
そんなわけで高速クルーザーとしてもワインディングを走るサルーンとしても非常に良いクルマでした。Eセグメントは日常で使うには私には少し大き過ぎるのですが、このクラスで選ぶならやっぱり5シリーズかな、という思いを強くしました。
ちなみにダブリンからコークまでの300km程で、高速道路の料金は1.9ユーロを2回、つまり3.8ユーロ程でした。安いなぁ・・・
少し遠くに見えているのが料金所。ETCシステムの他、コインを投げ込む自動式、それからマニュアル=人のいるレーンがある。
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レンタカー | 日記
Posted at
2015/09/22 06:15:58