
A4を試乗した後、ジャガーのXEを見に行ってきました。ジャガーXEはCクラスを検討していた時に既に発表はされていたのですが、日本での導入時期や価格が不明であったことや、3シリーズ寄りのスポーティ路線であったために見送っていました。ボクスターの相方を務めるので、スポーティさよりは穏やかな性格を求めていたので・・・。
XEはジャガーがDセグメントに再参入する、勝負をかけたクルマです。最大の特徴はDセグでは異例のアルミモノコックでしょう。75%がアルミ、25%がスティールとのこと。しかし、同じ2.0リッターガソリン仕様で比較するとXEはライバル各車より50kg以上重いようです。
ショールームで対面したXEは、一番下のトリムとなるPUREと、限定仕様のNISHIKORIエディション。NISHIKORIエディションはディーゼル仕様しか用意されていないR-SPORTにガソリン240psエンジンを組み合わせたモデル。(だと思います)
第一印象は・・・正直ちょっと古く感じました。デザイン自体はクリーンで、如何にもジャガーというスポーティさを感じさせるものなのですが、A4を見た後ということもあってディテールが粗く見えてしまいました。パネル類の隙間、ヘッドライトやテールライトなどの樹脂パーツ類の質感などなど・・・。
インテリアに乗り込むと、さらに古さを感じさせます・・・。CクラスのモニターはiPadを後付けしたようなデザインと揶揄されましたが、こうしてセンタークラスターに埋め込まれたモニターのデザインを見ると、完全に一世代以上前の印象を持つのです。これならまだE90 3シリーズの方がダッシュボードとi Driveのモニターが一体的にデザインされていて美しかったように思います。
おまけにモニターの左右に物理的なボタンを配する辺りも古い。しかもナビは未だにDVDだというのですから驚きます。実際の解像度も極めて粗く、冗談抜きで10年以上前のレベルでしょう。まぁ、これはMY17から日本仕様にも本国同様の新しいインフォテインメント、"INCONTROL"が導入されるようですが・・・。それでも基本デザインは古いままですからね・・・。それ以外にも、ソフトパッドの質感、スイッチ類の質感、タッチも上質とは言い難い・・・。
一方、ドライビングポジションはバッチリでした。ステアリングのオフセットもなく、シートは少し張った感じですが良いです。センタートンネルの張り出しは少し気になりますが、Cクラスと同じくらいでしょうか?リアシートは、シート形状からかなり中央寄りに座らされます。ルーフが後ろへ行くほど下がり、左右も寝ているのですが、中央寄りに座らせることで居住空間を確保している感じです。
とは言え、正直見た目質感はA4やCと比べて低く、テンションが下がりました・・・。
一応試乗出来るか聞いてみたら、ようやく導入が始まったディーゼル仕様があるというのでお願いしました。トリムはR-SPORT。19インチにスポーツサスという仕様です。
駐車場から道路へ出る段階で、いきなり感動。ブレーキがコントロールしやすい。踏むのも抜くのも非常にリニアです。これだよ、これ。なんでCはこう出来なかったんだろう・・・。 そして走り始め・・・。ここのディーラーの試乗コースは単に国道を往復するだけという、非常~につまらないコースなので、路地裏を走るようなコースで試乗させてもらいました。いずれにしても極短時間の試乗です。ところが、XEの乗り味はこれだけで充分分かるほど素晴らしかったのです。まず、乗り心地が素晴らしい。とても19インチを履いているとは思えないほどハーシュネスは抑えられていて、かつストローク感もあります。ダンピングも適度に効いていて気持ち良い乗り味です。また、ステアリングのタッチがこれまた絶妙で、久々に路面の状況が分かる感じです。しかも切り始めのクルマの動きが自然で、思ったより切れ込むなどもありません。
一方、ドライブトレインについてですが、まずディーゼル仕様は結構トルクがあったのですが、トランスミッションはシフトショックが結構大きく、3シリーズと同じZF 8HP45とは思えない仕上がりでした。キックダウンもレスポンスが良くありません。また、遮音も少し残念でした。音質自体は不快ではありませんが、ディーゼルということもあって特に加速時は絶対的な音量が結構大きい。アルミシャシーで軽くした分遮音性に気を遣ったという記事を見ましたが、A4やCと比べれば明確に落ちます。ディーゼル仕様に乗った後、プレステージというガソリン2.0ターボ仕様にも乗りましたが、やはり遮音は甘い感じでした。
そういったわけで、見た目の質感やインフォテインメントなど、現在のDセグ平均に届いていないのが残念なのですが、乗ったフィーリングは非常に自然で上質、運転して気持ち良く、非常に好印象でした。その点間違いなくDセグでベストと言えるでしょう。各雑誌でも高評価のXEですが、その理由は良く分かりました。しかし、クルマの商品性というのはハンドリングや乗り心地が良ければそれでヨシというものでもないわけで、素晴らしいシャシー性能、ハンドリングだけで全体的にクラスベストと言えるかというと・・・私は少し微妙だと思いました。アテンザやパサートではなく、同クラスでさらに100万以上出すというのは単にシャシー性能だけでなく見た目の質感、満足度、静かさが生む高級感、快適性も重要だと思うのです。
とは言え、XEのV6仕様については非常に興味を持ちました。このシャシーにターボではなくスーパーチャージャー加給の3リッターV6となると、素晴らしいスポーツセダンな気がします。このV6、良い音ですねぇ・・・
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クルマ | 日記
Posted at
2016/02/20 17:05:09