
マツダ3を借りて乗ってきました。去年借りた
アテンザは満足行く出来ではなかったので、次世代(マツダ曰く第7世代)と言われるこの3がどうなのか気になっていたのです。この3の味付け、方向性の延長線上に6気筒FRとなる次期マツダ6があるはず、ということに対する期待というか疑問というか。要するに知りたくて。
今回借りた仕様は、1.8ディーゼル、4WDのハッチバック。デザインはカッコいい。それもかなり。ちょっとフロントのオーバーハングが長いけどそれはしょうがない。でも全体的に塊感があって余計なラインがなく、面で見せるデザインと言われますがすっきりしていてそれでいてボリューム感もあり、とても良いですね。インテリアデザインも良いですね。ドラポジは素直に決まります。そしてステアリングホイールも細身で剛性感があって良いです。それから今回からApple CarPlayが使えるのも嬉しい。
さて走り出すと、いきなりブレーキが効かない。(笑) このクルマはショールームに入っていたのを下ろしたクルマなので、パッドとローターのアタリが出ていないせいかと思ったらどうやらそうではなく。意図的に初期のバイトを落としてあるらしい。少し走らせると分かるけど実は凄くリニア。踏み側も抜き側も非常にコントローラブル。最近乗ったクルマの中ではタッチとコントロール性は一番良いブレーキかも。
次に感じるのはボディ剛性が高いこと。明らかに以前乗ったアテンザより硬い。ボディ形状が違うので比較するのもナンですが、しかも減衰が良いようで振動の収まり感が良いです。だから乗り心地が良い。結構大径のタイヤだけど、ハーシュネスはきれいに丸め、ダンパーも良く動いてます。なんか位置決めがしっかりしてるようでNDロードスターとかデミオみたいにホイールがギャップで明後日向く感じがほとんどない。高速域でもダンピングが効いており、とても快適。低速での乗り心地と高速での高い減衰を両立しており、バネレートも低過ぎずちょうど良い感じ。なので総じてサスのセッティングはとても良いです。
トーションビームのリアサス。鋼板を曲げたビームが良く分かる
それからシートが良い。でも背もたれを起こし気味にするとヘッドレストの角度が前傾過ぎ。最初は肩甲骨のサポートがもう少し欲しかったけど、教科書的というか尻を座面と背面の間へ押し込むように座るとある程度のサポートが得られます。高速とワインディングを200kmほど一気に走りましたがシートに関しては疲れもしませんでした。全体的にもう一回り大きくても良いような気もしますが。
エンジンなんですが、これはどうにも役不足。そもそも1.5t近い重量に116ps/270Nmですから、10kg/psどころか12kg/psを余裕で超えてます。トルクもディーゼルに期待するほどの大トルクではなく。その上スロットルのセッティングが良くありません。ブレーキと同じく、初期のゲインを下げてリニアリティを出そうとしているのでしょうが、結果的に全くリニアリティがない。街中では踏んでも付いてこない感が非常に強く、踏めば出るんですが今度はグワっとトルクが盛り上がる。加減速が少なくのんびり前車に続いてクルーズするようなケースでは扱いやすいんですが、ちょっとした加速をする際の感覚のズレが大きく非常にストレス。例えば片側2車線の左側を走っていて、前のクルマがコンビニかなんかに入ろうして急に減速。こちらもブレーキをかけつつ、右側へ移ろうと間合いを計りつつ右車線へ加速しながら移る・・なんてシーン。右車線の流れる速度に合わせたいので、パッと加速したいシーンですが、全くもって何の反応もせず、減速したそのままの速度で右車線へ移ってしまい、結果的に後続車へブレーキを踏ませてしまう・・・。そして車線変更終了後に1拍置いてからグワっと加速w。一昔前の電子スロットルを使っていない頃のメルセデスも初期ゲインは低かったですが、リニアリティは遥かに上手く作っていました。マツダの意図は分からなくもないですが、これは却って扱いにくい。
一方で高速域では意外なほどコントローラブルでしかも速度の乗りが良く、追い越し加速のようなシーンは苦手ですが116psから想像するよりはずっと速いです。なので140-150程度の巡航も快適にこなせます。動力感的にはVWの1.2TSIよりは多少上かな・・・。でも1.4TSIほどの力感は無いかと。燃費も大したことなかったので(速目のクルーズで15-16km/Lくらいだった)、これなら素直にガソリンNAの方が良いと思います。
そしてワインディング。いやぁ素晴らしいシャシーとハンドリング。今回は御殿場ICで降りて長尾峠〜箱根スカイライン〜芦ノ湖スカイライン〜ターンパイクという感じで走ったのですが、タイトな長尾峠も高速のターンパイクも実に気持ち良く走りました。ステアリングフィールは十分なフィードバックがあり、ゲインも丁度良く、ロールスピードと旋回性をとても合わせやすい。おまけにブレーキが前述のように素晴らしく抜き側のコントロールがしやすいので、ターンインがとても気持ち良い。タイヤがBS TURANZAでケースがちょっと軟らか過ぎたのですが、そこから奥の舵の効きも十分で非常に良く曲がります。ただし軽快感はありませんね。4WDであることはほとんど意識しませんでしたが、リアのスタビリティは非常に高く、限界域ではフロントから先に鳴き始める教科書的なアンダーステア。エンジンについてはATをマニュアルモードで使っていましたが、やっぱりリニアリティが課題。トルクはそれなりにあるので2500-4000をキープしていればそれなりに気持ち良く立ち上がれますが、逆にそれくらい回しているとスロットルのドン付きを感じます。(何のために低速で鞣してたの?って感じ) 下りでは足イジったFD3S追いかけて遊べましたw。
マツダ3はとても良いクルマでした。少なくとも去年のアテンザよりは全然良く、流石に世代違う感じがします。巷ではゴルフを超えたとかなんとか・・・。私の印象は結果的にほぼ
池田N渡氏のインプレに近かったのですが、ゴルフを超えたかと言われると・・・それはちょっと微妙。ハンドリング、ワインディングの楽しさは超えたでしょうね。ブレーキも良いです。デザインも3の方が良いです。しかしそれ以外のところについては超えたとまでは言い切れないかな・・・。パワートレインはDSGの持病はあるとしてもVWの方が印象は良いし、パッケージングもゴルフの方がアップライトに座って室内も明るく感じ気持ち良いです。シートもゴルフより上かと言われると? だから総合するとイーブンという印象です。因みに注目のSKYACTIV-Xですが、乗った人(ジャーナリストでない)の話によれば力感が期待ほどではなく、価格の差を考えれば微妙・・・との話も。
でも、それはそれとしてリニアリティと楽しさを追求するこの方向性で次期マツダ6が出てくるならば、これは期待出来ます。楽しみです。
それにしても早朝の箱根へ数年ぶりに行きましたが、相変わらず賑わってるのですね。マツダ3の場違い感ハンパないw。私はどちらかというと夜なので住んでる世界が違う感も・・・(汗) でも明るいと走りやすいですね。(当たり前w)
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日本車 | 日記
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2019/11/17 12:48:43