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2020年08月16日

790DUKE まとめ

790DUKE まとめ KTMの790DUKEを購入して3ヶ月弱、3000kmほど走ったので、あらためて印象と考察をまとめてみたいと思います。

790DUKEの真骨頂は、軽量でアジャイルなハンドリングにオフ車に近いネイキッドポジションを組み合わせた点にあるでしょう。そしてエンジンが秀逸で、豊かな低中速トルクと素晴らしいレスポンスを持ちながらも、バランサーシャフトを2つも付け、過激さよりは快適性や柔軟性を重視しています。こういう特性のエンジンを軽量な車体に組み合わせていることで、比較的誰にでも乗りやすく、そしてスーパースポーツほど構える必要がないカジュアルさも併せ持つとても良いバイクに仕上がっていると思います。

私が一番気に入っているのは車体全体の素性です。ジオメトリーはスーパースポーツ的でありながら、エンジンはSSに比べれば低くマウントされ比較的低重心、シート高は高めでハンドルバーも高いので入力点は高く、本当にヒラヒラと寝かし、切り返すことが出来ます。


画像は890ですが基本的に790も同じ

また、低速ワインディングではオフ車的にリーンアウトで、スピードが乗ればハングオフで、といった感じに色々な乗り方も許容します。パラツインでエンジン幅を極力狭めていることで、クランクシャフトのジャイロを最低限に抑えてもいます。車両重量がほぼ同じトライアンフ・ストリートトリプルとの乗り味の違いは、ジャイロの大きさの違いとエンジン搭載位置の違いだと思います。(フレーム剛性も違いますが)

ところでR1200GSも重量の割にハンドリングはヒラヒラと軽く、寝かした時の安定性も高いのですが、これを水平対向エンジンがもたらす「やじろべえ効果」であると仰る有名なジャーナリストがいるのですが、全く違います。バイク全体の重量に対して突き出ているシリンダーヘッドがバランスを取るほど重くもなければ、バランスが取れるほど中心から遠くもないのです。ポイントはフラットツインによる低重心と縦置きクランクによってロール方向へのクランクシャフト(しかも空冷時代のクランクは特に重い)のジャイロの影響を低減していることです。低重心の場合、寝かし込みは軽く、その後フルバンクに近づくほど段々寝かすのが重くなってきます。別の言い方なら寝かす力に抵抗するように感じるようにもなります。これは遠心力に対して重心が低いからなのですが、結果的に寝かしていった先で勝手にバイクが安定するように感じ、安心感を得られることになるのです。バイクが思った以上に寝過ぎて転ぶようなフィーリングがないので。逆にスーパースポーツでは重心を高くし、寝かすきっかけは必要だけど寝始めたら一気にフルバンクまで持っていき、そこで安定して旋回力を発揮出来る重心設定になっています。

790DUKEは比較的重心が低く、入力点が高く、ジャイロが小さめでという意味では少しR1200GSに似ているところがあるということなんです。もちろん重量が全く違うし重心もGSの方が低いですけどね。

そういうバイクなので、790DUKEはサスやブレーキに多少難があるとしても、素性として楽しめるのです。低中速での印象は以前インプレを書きましたが、高速ワインディングとなるとやはりちょっと辛いというのが正直なところ。端的に言ってフレーム剛性が低いし、重量配分的にリア寄りなのでアンダー傾向にもなります。

もう一つ付記すると、DUKEの空力でしょう。ネイキッドでありながら、実はウインドプロテクションが少し効いているように思います。これは感覚的なことでしかないのですが、普通のネイキッドに比べて高速域が楽に感じます。140程度であれば伏せる必要もなく普通にクルーズ出来、風がそれほど辛くないんです。もちろんカウルがあるバイクとは全く違いますが。それ以上になるとフロント荷重が減るのを感じ、風に対応するのと共に上体を被せてバランスを取る必要が出てくるのですが、ネイキッドとしては充分なように思います。感覚的にはもしかしたらあの特徴的なヘッドライトの形状が功を奏しているのかも・・・と思います。



3000km走っても感じる不満は以前書いたようにサスペンション(特にフロント)とブレーキですね。サスは少しマニアックな要求かもしれませんが、ブレーキは誰でも「効かない」と感じるでしょう。特に現代の標準からすれば。これほど軽いのに止まらない。パッドを変えて制動力自体は上がりましたがコントロール性は今ひとつ。キャリパーをバラすとキャリパー自体の精度に問題があることが分かったので、これはもう交換以外に根本解決になりません。サスペンションはスポーツライディングを狙うならもっとバネレートを上げてダンピングもそれに合わせて、となりますがこれはアフターパーツが結構出てきているので不満を感じる人は入れるのが良いでしょうね。リアよりも先にフロントをやるべきと思います。リアは逆に初期からそれほど動かない設定なのですが、これはリンクを使っていないカンチレバー式ということもあるでしょうね。なので初期の動きとストロークした先の動きを両立させにくいはずです。だからプログレッシブレートになっているのですが、タンデムをしないなら思い切ってシングルレートの少し柔らかめにするのも手だと思います。このセッティングにしたらリア車高を上げないとバンク時(荷重時)のジオメトリーがキープ出来ないでしょうからそこも含めての変更ですが。

私は低中速中心のスーパーハンドリングマシーンとしてDUKEを気に入っているのでサスやブレーキは気になりますが、ツーリングメインで走らせる方なら790のスタンダードで充分じゃないかと思います。そして、私が狙っているハンドリングマシーンとして考えた場合、790DUKEの改善したい点を挙げていくと890DUKE Rになるという当初の想定は間違っていなかったんだな、と思います。


実はもう手元に790DUKEがありません。先日既にバイク屋に引き取られていってしまいました・・・


890DUKE Rが思いのほか入荷量が多く、ファーストロットで私の分も引き当てることが出来たようなのです。とは言えバイク屋や私の夏休みだったり、790から890へパーツを移植する作業もあるので納車は9月に入ってからになるのですが、そのために早めに引き取られていくことに。かなり短い所有期間だったのですが、それで3000km走ったということは気に入っていたという証拠でもあります。私に納車された時よりも車体の細かいところまで綺麗にしてあるしw、ブレーキもエンジンもメンテしてあるので次の方も楽しんでくれると良いなあ。

・・・それにしても、たった3ヶ月って分かってたなら790買わずに待てたのにな・・・ちょっと勿体ないw

ブログ一覧 | KTM | 日記
Posted at 2020/08/16 13:51:07

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この記事へのコメント

2020年8月16日 17:02
こんにちは。
このシリーズ、興味津々で拝読してました。と言うのも、私のNUDAも8年生で、とっくに廃盤なのでサポートも難しく、クラッシック珍車として保存せねば、、の時期です。で、見渡すと、後継足り得る車は890Rかな、と思っています。 

そこまでもう、開けない、、と思いつつでもコントロールの幅が広いのはやはり面白いし。
奥さんのスキを伺って積み立て中(;^_^A
コメントへの返答
2020年8月17日 10:27
こんにちは。
そうですか〜、NUDAは割と最近のバイクだと思っていましたが、考えてみればハスクもBMW時代となると流石にパーツも出にくくなってきますよね。今はKTMと共通パーツが多いので問題ないですけど。

NUDAの方向性ならDUKEは間違いなく良いと感じられると思うので、790でも良いので是非一度試乗されてみてください。ただ、DUKEは見た目や趣味性はNUDAよりちょっと落ちますよねw トレリスフレーム+オーリンズの方がなんか美しいですしw
2020年8月16日 18:02
重心高の違いと入力点の関係、とても勉強になりました!有難うございます!

「3か月待ちって分かっていたら買わなかったのに」というくだりには、どうも疑念が拭えませんが…(笑)
コメントへの返答
2020年8月17日 10:22
こんにちは。
以前お会いした時にマルケスのRC213Vのポジションのお話ってしましたかね?
今のMotoGPマシンのハンドルバーはGP500時代と比べて遥かに高くワイドになっています。バイクが重くて速いのでハンドルバーへの入力が劇的に増えてるんですね。入力点って我々のレベルでもかなり違いを感じますよ。

因みに最新のCBR1000RR-Rも結構ワイドなバーになっていて、へーっ、と思いました。

3ヶ月待ちだったら待った・・・はず。梅雨も長くあまり乗れなかったですしね、って今なら思いますが分かりませんw

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「@Sekiai さん 初めて見ました!こんな動きだったんですね。ツインシャシーとは知ってはいたものの、どういうことなのか全く分かっていませんでした。」
何シテル?   08/09 09:35
10年以上続けていた2輪レース活動を休止し、のんびりとバイク/クルマ生活を楽しんでます。今はやる方ではなく観る方に変わりましたが、モータースポーツは2輪・4輪問...
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