• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2021年03月23日

Mercedes-AMG A35 4MATIC sedan

Mercedes-AMG A35 4MATIC sedan 毎年3月はC63点検の月なのですが、毎回代車をお借りしてます。今までCLS53やS400dをお借りしましたが、今年はA45をお願いしようと思ったらA45はないということでA35をお借りすることに。

実はメルセデスのFFシリーズは初めて乗ります。Aクラスは先代、現行型ともあまり良い評価もされていなかったですし、デザインが好みじゃなかったので興味がなかったのです。とは言え将来手にすることがあるかもしれないので、ベンチマークであるゴルフとの比較の意味も含め一度は乗っておきたいな、と。

というわけでC63を預けに行くとそこにいたのは予想外のセダンw。セダンにもAMGがあったのか。セダンのAMGは45がなく35だけのようです。A35のエンジンはA250と同じM260でブーストアップ仕様ですね。スペックは306ps、400Nm、車重1590kgというところなのですが、これをあえてライバル以外を含めて比較するとこんな感じです。



R32 GT-Rがぶっちぎりで最軽量w。A35 sedanは32GT-Rと長さがほぼ同じで幅は4cm広く150kg以上も重いという。もちろんGT-Rもスペックによって違っていて17インチを履くVスペックだと1500kgとかになりますが、それにしても時代を感じますね〜。当時R32 GT-Rとか80スープラ、Z32なんてのはデカイ重いと思っていましたが、今どきのCセグはこれらより重いんですねぇ。一方、初見でコンパクトには見えなかったAクラスセダンですが、Cクラスと比較すると一回り小さいんですね。全長が短いのもそうですが、ホイールベースが11cm短いのは結構体感が違います。

今回借りたA35セダンはナビゲーション・パッケージ(オプションなの!?)、AMGアドバンスドパッケージ、スライディングルーフが組まれた総額718万円(!!)の個体です。それでもメディア向け試乗車では大抵組まれている、可変ダンパーやドライブモードセレクター、バケットシートからなるAMGパフォーマンスパッケージというオプションが組まれていません。ドライブモードセレクターはスライドを許容するモードやESPオフが入るのでちょっと残念なところ。タイヤはコンチ・スポコン6、走行距離は3,000km強です。

店を出て家に帰る道のりでいきなり低速のマナーが嫌になる。発進時の半クラも下手だし、スロットルでのコントロールがオーバーシュートするんです。巡航のハーフスロットルからほんのちょっとした加速がしたくてシフトダウンしない程度に軽く踏むと、タイムラグの後に思った以上に加速してしまう。ターボラグというのも正しくないように思えます。踏み始めからブーストはかかっているっぽいんですが、途中からブーストが急に恣意的に高まるように感じるんです。じゃあシフトダウンさせると?シフトダウンで回転が上がった後でブーストが急激に高まり、エンジンマウントが柔らかくパワートレインが揺れることもあってその相乗効果でギクシャクしてしまう場面もあります。スロットルのマッピングなのか、ターボの制御なのか、DCTの制御なのか、それとも全てなのか・・・原因は分かりません。特に30km以下が気になるのですが、全体的に低速域でのトライバビリティが良くないと感じます。もちろんスムーズにシフトや加速する時もあるのですが、たまたま出来た感がある。ポルシェってこういうところは本当に凄くて、PDK仕様のどのクルマでも極めて自然でストレスなく走れて素晴らしいです。ついでに言えばゴルフRもこの辺は素晴らしい出来です。一方、街中での足回りは明確に固めです。かなりストロークを規制するセッティングで、普通に乗るには乗り心地は結構ギリギリの線かもしれません。いずれにしても街中ではあまり良い印象はなく、これは3日間通じて変わりませんでした。

日曜日の関東は嵐だったので、街中やちょっと高速に乗る程度でしかなく、悪い印象を呟いたりしてwあまり乗り気じゃなかったのですが、一応月曜日の朝に箱根へ連れ出してきました。まず高速で印象が変わりました。中高速域ではドライバビリティが普通になります。2-3段落とすシフトダウンからの加速ではオーバーシュートしますが、それ以外は結構普通。それにC63から乗り換えても大きく不足を感じないくらいかなり速いです。また、どうやらサスセッティングは高速域に合わせているようで、超高速域でもダンピングが不足しません。直進安定性も良く、ステアリングもフィールは薄めながら剛性感が高くリニアで精度感があり、大井松田〜御殿場の高速コーナーも含め安心して走れます。しかしストロークが短く乗り心地はそこまで良くないですし、ロードノイズはかなり大きいのが高速ツアラーとしては残念なところ。ロードノイズの大きさはタイヤのせいもあると思いますが、ドア周辺からの遮音全般が甘く感じます。だからせっかく高速ツアラー向きなのに高速を長距離は私は遠慮したい感じです。それを除けば高速での印象は良いです。



高速を降りて長尾峠〜箱根スカイラインといつものルートへ向かうのですが、いやぁ〜、ワインディングは凄く良かったです。気持ち良いし楽しいクルマでした。高速でも感じた剛性が高くリニアで精度が高いステアリングに加え回頭性が良くフロントのグリップが高い。ペースを上げると減速時も含めほぼ4WDになっているようで立ち上がりのダッシュも凄い。本来スタンバイ式4WDのはずですが、フロントがスピンすることが全くありませんでした。またヨーを残してブレーキングしてそこから抜いていく時もバックトルクがかかっているように感じ、スタビリティが高いのでかなり攻める気にさせられるクルマでした。サスもバネレートやダンピングも不足はありません。もう少しストロークがあれば言うことないですが。ただDCTはパドルでシフトしていてもレブる直前で勝手にシフトアップしてしまい(MTモードが見つけられなかった)リズムが作りにくいのですが、それ以外はかなり楽しい。箱根スカイラインへ入って速度が上がっても基本的な印象は同じ。フロントの正確性、グリップ、4WDのトラクション。ただ速度が上がるとターンインや切り返しで重さを感じますね。この辺が昔のラリー・ウェポンと全然違うところ。また、ブレーキは強めのブレーキ2発でフェード、そのまま走るとフッカフカに。(汗) ABSを効かせないようなレベルで走ってもこれですから、C43の時もそうでしたが本気で攻め込んではいけないクルマのようです。。。しかしあの素晴らしいゴルフRと比べてもこのフロントの剛性感、ターンインのフィーリングは勝っていると感じます。

そんなわけで元々興味がなかったのでA35の試乗記等を読んだこともなく調べたこともなかったのですが、ワインディングで印象ががわりと変わったので帰ってきてから調べてみると意外に面白い。

A35のエンジンはA250と同じM260型ですがタービンが変更されていてツインスクロールに。レイアウトは前方排気の昔ながらの設計に見えます。エンジンルーム内を見るとあまりエンジンは傾けられておらず、かなりフロントにオーバーハングしています。それでもエキゾーストの前側には結構なスペースがあり、大きいなノーズはどうやらクラッシャブルゾーンなんですね。



エンジンはかなり右寄りに搭載され、MINIのようにドライブシャフトを等長にするような工夫はされていないようです。ストラットタワーはかなり奥にあり最近のメルセデスのお約束通りキャスターが強めに付けられているのが分かります。A35のボディシェル・シャシーは標準車と基本的に同じらしいのですが、エンジンルームにアルミパネルが追加されている他、補強ブレースが複数入れられていて主にボディ前半部分の剛性が高められているとのこと。さらに標準車のFF仕様ではリアサスはトーションビームなのですが、A35ではマルチリンクとされています。(A250も4MATICなのでマルチリンク) しかしそれだけでなく、フロントのAアームはピロボール化され、リアアクスルもリジッドマウントとか。結構手が入っているんですね。この辺は流石AMGという感じでしょうか。他メーカーでここまで手を入れるというのはあまり聞かないですね。(言わないだけかもしれませんが)

こうしてシャシーの変更内容を見ると、あのフィーリングにも納得です。C43の時もそうでしたが、A250のハイパワー版というよりはもうちょっと気合の入ったモデルということなのですね。

一方、A35で気になる点はシートとモニターです。シートは意外と思えるほどかなりだめでした。ポジションはまずまず出るのですがサイドサポートが足りない上、何しろ腰が痛くなる。ランバーサポートを色々調整したのですが最後まで合わず、30分おきにドラポジやランバーの調整を繰り返す有様。これはC200のAMGラインのシートでもなかったことですし、マツダ各車よりもだめでした。また、モニターは最近のメルセデス全部がそうですが全くセンスがないとしか言いようがないです。そもそも何故アンチグレアにしないのか??白い服で乗ってしまったためメーターに服が映り込みすこぶる見辛い。ポラライズドのサングラスをかけないといけないのか!?

そんなわけで、ワインディングでは最高でしたが、低速のストレスフルなドライバビリティ、シートの出来などトータルでは1世代前ですがゴルフR(Ⅶ)の方が上かと。価格差が150万近くもありますしね。一方で更に本気度の高いA45は相当凄いんだろうな、というのと、こういうラリー・ウェポンっぽい走りの楽しさを思い出してしまい、さらにコンパクトで軽量なGRヤリスって最高なんだろうなぁ、と遠い目になっています・・・。

ブログ一覧 | Mercedes | 日記
Posted at 2021/03/23 11:09:18

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

4/25)皆さん、おはようございま ...
PHEV好きさん

今年GWはエンドレスレディに会いに ...
ブクチャンさん

日野自動車(7205)・・・202 ...
かんちゃん@northさん

納車から1ヶ月、1200kmも走っ ...
キャニオンゴールドさん

チャレンジする勇気
avot-kunさん

朝の対話🤝
mimori431さん

この記事へのコメント

2021年3月23日 17:26
大変興味深いインプレッションありがとうございます。
私はA250 4MATIC sedan Edition1に乗っておりますのでTetsuさんのブログを読むなかで、ほんとそれ!と思うところと、35はそうなのかーと思うところがありました。
前車のC43よりも車重が軽くなり、高速走行はかっ飛んで行く印象で、速いなぁ💦と感じましたよ。ただ軽い=チープ感は否めませんでした。
AでAMGでは無いのに結構高かったのですが、まぁ運転すると楽しい車です(笑)
コメントへの返答
2021年3月24日 5:57
私はA250は乗ったことがないのですが、基本的なパワートレインが同じなのでもしかして低速のマナーとかは結構似てる感じでしょうかね? 運転して楽しいクルマなのは良かったですね。A35も街中以外は楽しいクルマでした。ただこのクルマの使われ方を考えるとどうしても街中中心で、たまに高速やワインディングということになるでしょうから、そうなるとちょっと厳しいかな、という感想です。それにしても最近のメルセデスは高くなりましたね・・・。
2021年3月24日 1:59
詳細のインプに、感銘いたしました。
貴重な感想を、拝見いたしました。

私の、代車で来た、A250.4M.sedanは、絶妙なバランスで。
我が愛車より、良いと、思ちゃいました。
さらにPsが増加された、A35は微妙との事。
私は、35を乗った事が無いので判断でろきませんが、FSWのスラロームコースで、真剣に、かっ飛ばした、A45.GLAの、M139egは、官能的な車で、最高の車。45を、63より下に見ていましたが、A45は、さすがAMG、魅力的な車と思いました。思うに、現在の、本物のAMGのegは、A45か、GTかも?。
リンゴの木と、清い川のAMG紋章の地、アッファルターバッハに、行った事が有りますが。大失敗でした。
コメントへの返答
2021年3月24日 5:57
何と、A250がE63より良いですか。それは驚きです。まぁでも物理的に軽量コンパクトは正義ですから、楽しさだけを比較したらそうかもしれませんね。私もワインディングの楽しさならA35の方がC63より楽しかったですし、低中速ワインディングでの速さも多分A35です。でも質感含めトータルではC63の方が全然上です。しかしA45となるとまた話は別かもしれませんね。A45にも興味が湧いて色々調べているのですが、本当に完全に別モノでAMGの本気はやはり凄い・・・と思います。

プロフィール

「@サンデ さん ここでスペアタイヤ登場!・・・とはならなかったんですね。ロドスタなら躊躇なく交換でも、あのデカいのは・・・いや分かります。」
何シテル?   04/23 10:17
10年以上続けていた2輪レース活動を休止し、のんびりとバイク/クルマ生活を楽しんでます。今はやる方ではなく観る方に変わりましたが、モータースポーツは2輪・4輪問...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

愛車一覧

ランドローバー レンジローバースポーツ ランドローバー レンジローバースポーツ
アウトドア系の趣味に使える利便性と上級サルーンのような快適性を求めてポルシェ・カイエンと ...
ポルシェ ボクスター (オープン) ポルシェ ボクスター (オープン)
求めていたのは速さではなくスポーツカーとしての動き。つまり専用シャシー。そして出来ればミ ...
KTM 1290 SUPER ADVENTURE S KTM 1290 SUPER ADVENTURE S
R1200GSからの乗り換えとなる新たな旅バイク。アドベンチャーカテゴリーの中で一番楽し ...
ホンダ CB1100EX ホンダ CB1100EX
最後の空冷4気筒。これぞ日本的なバイク。細部まで拘った惚れ惚れする美しいデザイン。クロー ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation