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イイね!
2021年06月27日

MotoGP trivial tech

MotoGP trivial tech さて前回に続いて、今回はもっと細かいところの紹介。考えれば考えるほど色々と興味深いが、パフォーマンスに影響しないものも含んでいる。この手の詳細の画像というのは機密性などの問題からメーカー側、チーム側から公開されることはほとんどなく、ゆえに全て現地取材を行うジャーナリストが撮影している写真。

【MotoGP】
●エルゴノミクス
エルゴノミクスはMotoGPに限らず非常に重要だが、大きなGのかかるMotoGPでは特に重要。下の写真の例はスズキ GSX-RR、昨年チャンピオンのジョアン・ミア車(奥)とアレックス・リンス車。タンク後端部の形状(高さ)とグリップラバーの貼り方が異なる。ただしシートポジションはほぼ同じように見え、重量配分やハンドリングは同じところを狙っているように見える。



●ピトー管
F1では全く珍しくないがMotoGPではほぼ見ないピトー管。今年からAprilia RS-GPに装着されているが他のMotoGPマシンには装着されていない。運送中は破損しないようカバーがされている。





●ホイールベース
DUCATI GP21のドイツGPでのリアアクスル。MotoGPマシン中で最長の長さのGP21だが、ツイスティなザクセンリンクでは極力ホイールベースを短くセッティング。それでも高速コーナーではアンダーステアに苦しむ傾向は変わらない。(Stop&Goの低速コーナーは上手く滑らせることで曲がるバイクになっている)



●シェイプシフター操作ダイヤル
DUCATI GP21 ジャック・ミラー車。前回も載せたシェイプシフターのダイヤルは少し古く、最新のGP21では前後のため2つある。ダイヤルからはワイヤーが出ており、DUCATIは油圧ではなく機械式のようだ。また、おそらくキャスター角を変えるためにフレームのヘッドパイプ部分には太めのカラーが入っている。



●ファイナルドライブ
YAMAHA YZR-M1 ファビオ・クアルタラーロ車のファイナルドライブ。非常に細く、面取りと肉抜きがされたチェーンと薄く大きく肉抜きされたスプロケット。上のDUCATIとは思想自体が大きく異なるように感じる。



●ダミータンク
暖気中はメンテナンス性を考慮し、ダミータンクを装着して行われる。(こんなものまでワンオフで作るのね・・・) マーヴェリック・ヴィニャーレス車はリアブレーキをレバー(通称スクーター・ブレーキ)で操作するようになってことが分かる。アレックス・マルケス車には親指で押し込んで操作するサムレバーが装着されているように見える。





【Moto2】
トライアンフ・ストリートトリプルの765ccをチューンし、これがワンメイクで供給されるMoto2クラス。出力は約140ps。エンジンはレース毎に抽選でチームへ渡され、レース後に回収される。フレームはKALEXなどのシャシーメーカーからチームが購入(またはレンタル)する。重量はライダー込みで217kg以上とされ、MotoGPでは車両の最低重量が157kgとされているのでMoto2のライダーが60kgであればマシン自体の重量は大きく差がないことになるが、これはヘルメットやレザースーツを含む装備重量のため、実際にはもう少し軽量化された上でバラストを積んでいるはず。

●スロットルワイヤー
基本的にはバイ・ワイヤーとされているスロットルだが、Moto2のほぼ半分の台数はワイヤーを併用するよう改造されているという。目的はより繊細なコントロール性と豊かなフィードバック。ただしワイヤーでスロットルバルブを直接操作するのではなく、実際には写真のようにラムエアダクト(エアボックス)へ設けられたスロットルポジションセンサーを操作している。





●リアブレーキ
現在のモーターサイクルレースではリアブレーキを使うことが非常に重要になっている。制動距離を縮める、ターンインでのスライドにより旋回させる、旋回中の挙動コントロール、立ち上がりのトラクション・・・。しかし右ターンのフルバンクでは従来のペダルでは操作することが難しいため、爪先立ちでも操作出来るようペダルにはサポートが設けられている。ライダーによってはMotoGP同様にレバー操作。





●マスダンパー
前回も掲載したマスダンパー、今年もSAGチームはスイングアームに装着している。



【Moto3】
Moto3は4ストローク250cc単気筒の純粋なレーシングマシン。本来は買取制度によって技術開発を抑制するはずだったが、レンタルという仕組みが一般化することで事実上無意味な状況に。従ってMoto2よりも遥かに開発競争が進んでいるクラスになっている。エンジンはレブリミット13,500rpm。

●エキゾースト
バンテージが巻かれたGasGas(KTMのOEM)のマシン。これはエキゾーストガスを高温でキープし、流速を上げるのが目的。さらにチャンバーが加えられている。



●ニュートラルレバー
Moto3は純粋なレーシングマシンであるため、シフトミスを防ぐためシフトパターンが市販車と異なりニュートラルがTOPの6DOWNとなっている。それでもミスは起こり得るので、1速から上に上げた際にニュートラルに入らないよう、ニュートラルを入れる際には写真のレバーを操作しないとニュートラルへ入らないようになっている。



さて今夜はMotoGP・ダッチTT(オランダGP)。本来は現地へ行っているはずでしたが、コロナによりあえなく挫折。元々2020年のチケットを持っていたものが開催中止により今年へ繰り越されたのですが、今年は観客を限定的に入れて開催するということで私のチケットは今年のレースでは無効に。代わりに来年用にキープするか払い戻すということになり、払い戻し手続きをしたのが先週・・・。いつになったら海外のレースを見に行けるんだろうか。

MotoGPでは中上貴晶が得意の高速コースであるアッセンで予選4番手を獲得、Moto2でも小椋藍が6番手と好調で決勝が楽しみです。
ブログ一覧 | MotoGP | 日記
Posted at 2021/06/27 15:11:21

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この記事へのコメント

2021年6月27日 16:28
YAMAHAの車両のものと同様な肉抜きをしたチェーンをアグスタに装着してます。押し歩きが軽くなってビックリしました。肉抜き以外にもフリクションを減らす工夫がされているようでした。
コメントへの返答
2021年6月28日 10:31
もしかしてEKチェーンでしょうか? フリクションが押し歩きで分かるほど小さいとは素晴らしいですね。最近EKチェーンは人気で仕上げも綺麗で面取りや肉抜きなど正にこのM1のチェーンと同じ感じですね。でもこのM1のチェーンはD.I.Dのはずですがw

私はEKは使ったことないのですが、今度DUKEのチェーンはEKにしようと思ってます。因みにレースでは長いことD.I.Dを使用していました。
2021年6月27日 16:44
マニアックで丁寧な解説ためになります。
昨今、クイックシフター装備が増えて来て、それならスタート時のみのクラッチレバーは第2レバーにして、リアブレーキレバーを特等席に移設するのもありですね。やってる人見ました。
私もリアブレーキは姿勢制御によく使う立ちなので(パッドが良く減る)、シフトをPDKのようなハンクラ自動化してくれると、ツーリングもらくになるだろうなぁ。(Uターンの立ちごけをみんなマシンのせいにして(;^_^A)
コメントへの返答
2021年6月28日 10:39
最新のクイックシフターでも、発進時以外はクラッチ操作不要というのは「やろうと思えばシフト出来る」というレベルだと思います。御存知の通りギアの噛合トルクを失火(及び燃料カット)やスロットル開けで抜く仕組みですから、定速走行では無理ですし、エンジンをある程度回してないと綺麗にはシフトしてくれません。最近の車両に割と乗りましたけど、どれもそうです。無理にシフトするとミッション痛めますしね・・・。なので仰るように半クラを使うようになってくれないと私は気持ち的に常時使用は出来ないです(^^;

私は一昔前の乗り方だったもので、レースではリアブレーキを使っていませんでした。元々公道では使っていたんですがレースから公道へ復帰してからも連動ブレーキのR1200GSだったので、しばらく使い方を忘れてましたw DUKEに乗り始めてまた使い始めたところです。。。

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「@Sekiai さん 初めて見ました!こんな動きだったんですね。ツインシャシーとは知ってはいたものの、どういうことなのか全く分かっていませんでした。」
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