
翌朝、弱い雨が降っていて路面は完全にウェット。昨夜遅かったので朝食も買ってきていないし、何しろ足が無いので買いに行くのも簡単では無い。まぁ15-20分くらい歩けばあったんですが、雨だし時間などを考えると無理でした。東京を出てから機内食以外にはまだ何も食べてませんw
一通りパッキングをしてバイクのウェアに着替え終わると、時間より少し早くモーテルへ迎えに来てくれていました。前回のブログにも書きましたが、ルートとしては南島を反時計周りにぐるっと1周のイメージです。ショップに向かうクルマの中でショップの方(オーナーの娘さんらしい)と色々話している中でルートの話になり、今日はウェストコーストへ向かって反時計回りに南島を1周すると伝えたところ、2日前にウェストコースト地域で崖崩れがあり、メインの道路が塞がれて通行止めだと。。。実は到着する日までニュージーランドでは数日間嵐が来ており、その影響でオークランド着のフライトも揺れに揺れ、クライストチャーチ行きのフライトも遅れていたのでした。しかも今朝のTVニュースではまだ風が強く、オークランド空港は欠航が相次いでいるとのことでした。昨日クライストチャーチへ到着出来たのはラッキーだったのかもしれません。ニュージーランド郊外のショップまで20-30分ほど走って到着。ショップと言っても要するにオーナーご家族の自宅です。そこにガレージと事務所を構えています。以前はB&Bもやっていたようなのですが、今はレンタルバイクだけだそうで。
ショップに着いてからまずはバイクのチェック。外観をチェックした後、軽く試走しろとのこと。店の前の道路を数百m往復しました。問題無し。というかこれ、自分自身がショップの人に試されていたような気もします。。。試走の様子を見られていたので・・・。バイクにトラブル的な問題は無いのですが、このTiger 900GTはロー・シートレール仕様で(そんなのあるの?)さらにローシートを装備とのこと。166cmの私でさえ地面に踵までべったり着く不思議なほど低い仕様でした。とりあえず膝の曲がりがキツいのでシートを高いポジションに上げてもらいました。
バイクに荷物を積み、スマホのマウントを付けようと工具を出したのですが、ミラーの根本に1インチボールが付けられていて、持ってきたRAMマウントがそのまま使えました。ありがたい。セーフティ・インストラクションのビデオを見て、その後今後の予定をショップの人と相談します。先ほど話をした通行止めとなっている道路は今日走る予定だったのですが、迂回路が無いので予定を変更するしかありません。ニュージーランドの地方は道路が極端に少ないので、幹線道路が通行止めになるといきなりどうにもならないわけです。翌日以降の予定を含めて考えるとルートと宿泊はこの辺が良い、と教えてもらいホテルまでアレンジしてくれました。ところがそのホテルのアレンジも大変で、何軒も連絡してようやく確保。つまり私と同じような計画をしていた人がリルートを余儀なくされ、そのAlternativeルートのホテルが埋まりまくっている、という状況でした。自分で取ろうとすると結構大変だったでしょうから、助かりました。私が元々取っていたホテルは当日キャンセルということになったわけですが、事情を説明すると全額返金してもらえました。
ルートとしては翌日クイーンズタウンへ向かうのでクライストチャーチとの中間地点となるテカポ湖を目指し、宿はその少し先にある村、Twizelという村に取ってもらいました。またルートはGoogle mapで示される最短ルートではなく、景色の良い(はずの)ルートを教えてもらいました。
「本当はこのルートは良い景色なんだけど、今日はあまり見れないかもしれないわね。でもこっちの方が気持ち良いからこのルートで行ってみて」
さて一通り準備が出来ていよいよ出発です。天気は雨は上がったものの相変わらずどんよりと曇り、路面は少し乾き始めてダンプと言ったところ。本当は遠くに山が見えるそうですが今は景色が見渡せません。
ニュージーランドの制限速度は基本的に街中が50km/h、郊外が100km/h(そう、mphではなくkphです)という分かりやすいルールです。高速道路(Motorway)はほとんどありません。郊外から街へ入るまでに80, 60 など制限速度が徐々に落とされていって最後は50km/hになる感じです。ショップを出て大きな通りに出ると、いきなりひたすら真っ直ぐな道路で牧場の間を抜けていくような感じになります。何となく北海道をイメージさせる風景で、羊や牛が広大な牧場で育てられています。大昔(1950年代)はここで最高速トライアルが行われていたとか。もちろん当時は舗装されていない砂利道で。
途中トラクターを追い越しながら、クルーズコントロールを100km/hにセットしてクルージング。スピード違反の取り締まりについてショップに聞いたところ、結構厳しいとのことだったのでまずは様子見です。淡々とひたすら牧場を抜けていきます。ところが、2つ目のラウンダバウトでいきなりガリリリっと右ステップが接地! いや焦りました。そんな寝かしてないのに。どうやら足つきが良かったのはプリロードを思い切り抜いていたというのもあったようです。幸いダイヤルで油圧調整出来るリアサスペンションだったので、プリロードをかなりかけました。多分20mmくらいはかけたんじゃないかな。
気を取り直して再スタート。
どこまで行ってもひたすら牧場…。しかし天気は回復して路面もドライになってきました。それにしても交通量が少ない。1時間くらい走っても数えるほどしかクルマに会ってません。ニュージーランドは日本の本州と四国を足したくらいの面積に、横浜と川崎を足した程度の人口(500万人)しかいない国です。観光客はめちゃくちゃ多いはずですが、この日は平日ですしこのマイナーな遠回りルートには来ないのでしょう。
クライストチャーチを離れて随分経ち、周りの景色も変わって自然が増えてきました。川を渡り、森を抜けて丘を越えていきます。たまにワインディングも少し。景色は遠くの山こそ見えないものの、良い感じです。良い景色だらけなので、すぐに止まって写真を撮りたくなるのですが、キリがないのでその辺は諦めて前に進みます。ガラ空きの道路を走っていくとたまに集落があり、1分ほどで通過すると再び田舎道。まるでドラクエで平原を歩いていると街を発見して、「ザッザッザッザ」って街に入って「ザッザッザッザ」って出ていく感じ・・・。
昼も過ぎてお腹が減っていたところ、良さそうなパブを見つけたので入りました。ようやくまともな食事です。めちゃくちゃ嬉しい。パブの入口には汚れたブーツはここで脱いでね、の表示。酪農家の方が多いんでしょうね。
いや〜、寛げる。実際のところ昨日の疲れが取れていないこともあり、もうここでゴールで良いや。Signatureだというハンバーガーを食べつつふと思うものの、そう言う訳にもいかないので先へ進みます。
先へ進むと段々観光客と思われるクルマも増えてきて交通量が増えてきました。少しワインディングっぽくコーナーが続いたのでクルマが連なって70km/hくらいで流れる感じになったところ、前の方でフォードのモンデオが普通に追い越しをかけています。なるほど、やっぱり抜いて良いんだよね。郷に入れば郷に従う派なので遠慮なくクルマを抜いていき、ついでにモンデオも抜いて先へ進みます。
その先で景色の良さそうなScenic viewポイントがあったのでバイクを停めて景色を眺めていると、先ほどのモンデオが寄ってきました。
君も景色を眺めるんかね。良い景色だよね、ここ・・・ってアレ・・・? なんでこの人蛍光イエローの服着てるの???(汗
覆面パトカーでした(滝汗
「いくら遅いからって複数の車をまとめて抜くな!カーブで抜くな!そもそも抜く時スピードを出し過ぎだ!今回はスピードは測ってないけどカメラで撮ってるからな!覚えておけ!」
いきなり色々と捲し立てられ怒られました。郷に入れば郷に従っただけのつもりが、まさかそれが覆面パトカーだったとはw しかし少なくともその場ではチケットを切られずに済みました。。。いや〜、びっくりした。反省反省。少し距離を取る意味も含めてここで休憩してから先へ進もう・・・。
段々と緩やかに山間部へ入っていき、徐々に標高も上がってきました。幹線道路と合流し、ここからは1本道。トラフィックは北海道並みには増えました。なんか景色の良さそうなところを走っているのですが、しかし雲が低く垂れ込めているので遠くの景色があまり見えないのがつくづく残念。
そうこうする内に村が見えてきて、ここがLake Tekapo。ブルーの湖と星空で有名なリゾート地です。凄く小さいですがとても混んでいます。これまた天気が残念なのと、実は帰りにもここは通るので観光せずにスルー。さらに進むと再び湖が。今度は観光客が全然いません。周りに建物もほとんどない。ここがLake Pukaki。天気が良ければこの先にMt.クックが見えるはずなのですが、今日は見れる気配すらありません。ブルーに輝いているハズの水面もご覧の通り。天気が良かったら凄そうなんだけどな・・・また帰りに寄ることにしよう。
Lake Tekapoから30分くらいで、ようやくTwizelの村に着きました。とは言えまだ16:00くらいですが。一応300km以上走り、機内でろくに眠れず昨夜も遅く、睡眠不足なこともあり結構疲れました。部屋は最後の一部屋だったらしく、4人部屋w。無駄にベッドが3つもあるモーテルでした。外へ出る気にもならずモーテルのレストランで食事をして眠りにつきました・・・。
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2024/04/23 15:15:31