
この度、少し早めにC63を手放しました。17年3月登録の登録済み未使用車で私の手元に来たのが18年3月。7年49,000kmを共にしたことになります。
今回レンスポを購入したディーラーは某中古車販売大手の経営で、下取り査定の段階で結構な金額がついていました。とは言え可能性だけは見ておきたいと思い、買取業社サイトへ依頼。3社からの回答では何と全社とも下取り価格に届かない。そこで下取り価格を伝えたところ、諦めて下りるのかと思いきや「それならきっと何かあるから是非見に行かせてくれ」とのことで見に来て頂くことに。ところが依頼から見に来て頂くまでのレンスポの商談の中で、最終的に下取りでC63を入れることを前提に数十万の値引きが提示されました。つまりC63は下取り金額+値引き額で売れなければ買取業社へ売却する意味が無くなりました。そこで3社へあらためて伝えると、1社は辞退。2社はそれでも見に来るということで、見てもらいました。そこでの評価は結構驚きでした。
●ボディ全体がかなり綺麗。良い業者が施工してるように見える。(青空駐車だし自分で磨いてますw。ボディがエッジまでつるつるなのと、モールやマフラーエンドまで綺麗だったのが良かったらしい)
●飛び石傷が多く、それなりに踏んでいると想定され、だからエンジンの調子が良さそう。
●タイヤが綺麗に減っており、コジるようなステア操作をしておらず、綺麗に荷重移動して走らせている。
上記のことから、きちんと手を入れてAMGらしく走らせているのでクルマ全体としてのコンディションに信用がおける、というものでした。単純に評価されて嬉しかったというのもありますが、そんなことまで見ているのか・・・と本当に驚きました。
一方、「あぁ、やっぱり!」一目見て言われたことが左ハンドル。実はサイトへの情報入力を誤って右ハンドルとして登録していたのです。どうやらC63に関しては左が圧倒的に少なく、マニア向けや海外需要などの関係で左の方が50万も高くつくとか。それが最初に下取りが一番高くついた要因だったようです。最終的に1社は下取り+値引き+1○万の提示をしてくれたため、ここへ売却することにしました。もう1社もクルマ全体としてはコンディションを高く評価してくれたものの、交換時期を迎えていたブレーキローターやフロントのパッドをマイナス評価としたため届かなかった。実際は去年の車検時に交換時期が近いことは分かっていたものの、1年は持ちそうだったので交換を見送った経緯があり、まだ測定していませんが今度の3月の1年点検では交換を想定していたのです。前後ローターとフロントのブレーキパッドなのでそれなりの金額になるはずです。それもあって3月前にレンスポを購入、C63を売却することにした、というのもあります。一方、登録済未使用車として格安で手元に来ているので、購入額 - 売却額の差額は7年5万km弱のAMGとしては極少だったのではないかと思います。AMGは新車からの下落が大きな車種ですし、評価自体は妥当とは言え絶対的にはかなり寂しい金額ですから。
最後にC63の評価も書いておきましょう。7年5万kmを共にした印象として、まずはとても楽しいクルマでした。最後の最後までエンジンは素晴らしく、常に楽しめました。始動で吠えるのは余計ですが抑制の効いた、しかし迫力のあるアイドリング。振動は全域でほぼなく、ワイルドなV8らしい音なのに緻密な回り方。そこから負荷をかけて回した時のとても豊かなトルクとパワー。M177搭載車としては一番軽いこともあり、476psというM177で一番低パワーの仕様ながらパワー不足を感じたことは一度もありません。スポーツ+に入れるとアンチラグシステムがかなり過激に効くので、ワインディングなど減速・加速を繰り返すような状況だとターボラグを感じさせない素晴らしいレスポンスです。(減速時間が長いと流石にアンチラグもタービンをそこまで回し続けないっぽい) シャシーはCクラス標準車よりかなり剛性が高く、それが気持ち良さと安心感に繋がっていました。一方で、サスペンションセットアップについては結構割り切った味付けでした。バネレートが高く、ストロークも短いです。そのため乗り心地ははっきり硬く、お世辞にも良いとは言えません。しかしブッシュが硬めなのでシャキっとしたフィーリングなのは良いところです。ダンパーはせっかくの可変ダンパーなのに自分で状況に応じて設定を変えないと良い感じにならないなど、ポルシェのPASMと比べるとイマイチな感じもあります。電子制御されていないメカニカルデフは極めてシンプルな効き方なので先が読みやすく、ストロークの短いリアサスを随分補っていたように思います。その他のマイナスポイントは、トランスミッションでしょう。遊星ギアを使ったATミッションにトルコンの代わりにアクチュエーター駆動の機械式クラッチという組み合わせですが、冷間時のエンゲージはガツっと繋がる不快なもので、冬場だとエンジン始動直後は何と2500rpmくらいまで回すか、10秒くらい待たないとクラッチがつながりません。2500rpmまで回してガツっと繋がれると衝撃も大きく軽くスピンするくらいです。D→R、R→Dへの切り替えなどもラグがあるのでここは本当にストレスでした。こんな感じなので雪国ではスタッドレスを履いても使えないな、と思ったので冬の帰省でも使いませんでした。暖まってしまえばトルコンと違ってダイレクトなのでとても良かったのですけどね。
それからトラブルとランニングコスト、まずトラブルは全くと言って良いほどありませんでした。一度エアコンのフラップから異音が出ましたが注油で対応、以降再発せず。なんとこれ以外はマイナートラブルすら発生しませんでした。ここまで何も無かったのはハイエース以来ですw。シャシー側も劣化したようなフィーリングはありません。消耗品もエンジン、駆動系のオイル、フィルター類、プラグなどを基本的には指定時期に交換し、バッテリー、ブレーキパッドなどは消耗したら交換しただけ。ひと昔前のチューンドカー並の性能なのに、消耗品さえ適切に交換すれば絶好調をキープ。476psのクルマが消耗品の交換だけで5万kmも何ら性能が落ちることもなく絶好調というのは、本当に凄いと思います。
次のオーナーは決まっているようなのですが、良い状態で引き継げるので(ローターとパッドは交換してくださいw)、存分に楽しんで頂きたいなと思います。
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Mercedes | 日記
Posted at
2025/02/10 10:09:01