
久しぶりにパリへ出張で来てます。フランス自体はアルプスのツーリングで端の方をカスったりw、マルセイユに出張だったりで入国はしているのですが、パリとなると飛行機の乗り換え以外ではかなりご無沙汰でした。もちろん出張は仕事ですしw、日中はフルに会議等になるのがほとんど。まぁ週を跨いだ出張なら週末は移動+休みになったりしますが、それはうちの会社の場合レアケース。最初は現地でも仕事の準備だ、日本とテレカンだ、と色々ありそうだったのですが、何とかやりくりして1日だけブランクを作れたので、Day tripへ出ることにしたのです。しかしそれを決めることが出来たのは当日の朝8時前。今からどこへ行こう?そんなに遠くへは行けないだろう・・・。いや、TGVを使えば結構遠くまで行けるな。TGVでディジョンまで行って、そこからレンタカーでブルゴーニュの畑巡りってのはどうだ? しかしTGVを当日券で買って往復するとそれだけで100ユーロくらいかかるらしい。泊っているのはパリ市内の超中心部、オペラ座の近く。パリからディジョンまでは350km近くあり、2時間(最速の列車で1時間半)くらい。TGVの駅まで行って、チケットを買うのに並んで、、、とかやってると結構時間をロストするなぁ・・・。ホテルのフロントにレンタカー屋はどこかと尋ねたら、道路を挟んだ反対側にSixTがある、とw。もうレンタカーで行くしかないでしょ、往復700kmのDay trip。しかもスタートは朝8:30から・・・。
SixTは少し高い代わりにクルマの質が良いので結構有名で、今回借りたフォーカスもとても綺麗。タイヤもOEっぽいしバランスも取れていて振れも出ませんでした。タイヤに問題があるレンタカーのどれだけ多いことか。前後左右異なるブランドのタイヤでしかも中国製という経験がMAXですがw、バランスが狂ってて100㎞足らずで凄い振動が出るとか、やたら溝が少なくてウェットで超滑るとか、OEから変えられていて妙に煩いとか、結構あります。
クルマに乗り込み、まずはiPhoneを繋いで相変わらずガイド音声が最悪なApple Mapで目的地をセット。標準装備のナビはフランス語なんで操作出来ません(汗)。で、出発してパリ市内の通勤ラッシュにいきなりハマる。パリ市内は相変わらず滅茶苦茶でして、ほんとフランスのドライバーは強引なんです。相手が避けなかったら当たるだろ!ってな感じで突っ込んでいきます。まぁそれが彼らにとっては普通なんだからしょうがないです。それで事故が起きないならまだ良いのですが、実際は事故が多いんですw。先進国の大都市の中では一番多いのでは? と思うくらい多い。何とか環状線に乗り、そこからオートルートA6号線でディジョンを目指します。そこからの300㎞はひたすら退屈なクルーズ。
最初は広大な畑の風景に農業国・フランスらしさを感じますが、それがひたすら続くので30分もすれば飽きますw。しかもどういうわけかみんな140kmくらいまでしか出さない。制限速度は昔と変わらず130kmなのにせいぜい140kmとは、つまり取り締まりか罰金が厳しくなっているのだな、と勝手に悟って大人しく140-150km程度でクルーズ。
3時間程の退屈なクルーズを経て何とかディジョンに到着。地元のマスタードをお土産に買い、ちょうど昼を過ぎたので市内でランチ。ブルゴーニュで食べたかった郷土料理が2つあって、一つはブッフ・ブルギニヨン(牛肉のワイン煮込み)、もう一つはジャンボン・ペルシエ。これはハム(ジャンボン)とパセリ(ペルシエ)のゼリー寄せなのですが、これが美味しいんです。ディジョンマスタードも良く合います。ジャンボン・ペルシエがないかメニューを見ながら市内の中心部を歩いていると、ありました!前菜にジャンボン・ペルシエ、メインに鴨のローストをお願いしました。
美味しかったけどジャンボン・ペルシエは結構シンプルな味付けなんだなぁ・・・。東京の贔屓のお店で頂くものはハムもゼリーも旨味たっぷりなんだけど、その辺もシンプル。まぁ郷土料理ですからそういうものですね、きっと。
調子に乗って美味しく食べていたら、あっという間に時間が過ぎてしまったので慌てて出発。いよいよ畑を目指します。まず目指すはヴォーヌ・ロマネ。ディジョンから南へ向かうD974号線は「Route des Grands Crus(グランクリュ街道)」と名付けられていて、行く途中に名だたる村が次々に現れます。しかしカリフォルニアのナパと違って飛び込みでテイスティングさせてくれるようなところはとても少ないようで、時間もあまりないのでテイスティングは諦めて畑を見て回ることに専念しました。
折しもブルゴーニュは収穫の時期を迎えていました。本来なら収穫はもう少し先のはずですが、ヨーロッパも今年は熱波があったのでその影響で成熟が早かったんでしょうかね。ピノ・ノワールは収穫真っ盛り、シャルドネの多くは既に収穫されているような状況でした。
美しい葡萄畑を見ながらのドライブは実に気分が良く、また、頭の中にぼんやりとあった地図と現地の光景が重なるのはとても楽しい経験でした。
ヴォーヌ・ロマネではロマネ・コンティとグラン・エシェゾーを見たかったのですが、残念ながら収穫でたくさんの人がいたので畑の奥の方まで入り込むのは憚られ、諦めました。何となくあの辺なのかなぁ・・・みたいな。あとコルトン・シャルルマーニュは場所がどこだか分からずw。事前に調べれば良かったのですが、コルトン・シャルルマーニュと入れてもApple Mapの地図上には何も表示されず・・・辿り着けませんでしたw。
今度はボーヌを避けてさらに南へ。シャルドネの特級畑、モンラッシェを目指します。モンラッシェへ向かう途中にはムルソーなどもあります。ピュリニィ・モンラッシェ村へ行くとこれまた収穫の真っ盛り。お邪魔してはいけないので早々に退散することになりましたが、シャサーニュとピュリニィの位置関係、微妙な高低差など色々楽しめました。
もっとこの辺で過ごしたかったのですが、20時にレンタカー屋が閉まってしまうので足早にパリへ戻ります。ボーヌから再びオートルートA6に乗り、一路パリへ。再び退屈な330㎞。。。と思ったら、結構ペースの早いクルマがいまして、行きよりも遥かにペースアップ。大体160-180kmくらいでクルーズすることに。それはそれは良かったのですが、こうなるともう致命的といえるのが3気筒1リッターの控えめなエンジン。ちょっとした追い越しにエラい時間がかかる。パワーがないのでシフトダウンして回しても全く意味なし。せいぜい6→5速へ落としてひたすら全開にするだけ。それでも後ろからはメルセデスのVito(バンね)に追い上げられたりして・・・。
フォーカスはひとつ前のモデルでしたが、3気筒1リッターのエコブースト仕様でパワーは何と100psだったのです。エンジン・オブ・ザ・イヤーを数年に渡って取ったエンジンですが、1300kg近くあるフォーカスの大きなボディは荷が重過ぎるようで、トルク・パワーとも全く不足。ボディが重いので相対的にトルク不足で、それでなおさらターボラグも感じることになります。シャシーやハンドリングは相変わらず素晴らしく、モデル末期ですがそこはゴルフを含めライバルより全然良く、未だにベンチマークと言える出来だと思います。特に微舵領域の穏やかながら正確なレスポンス、フィードバックも十分な辺りはCクラスにも欲しいところ。乗り心地も十分素晴らしく、当たりは柔らかいながらもダンピングは効いていて、高速域でも極めて安定していました。また、空力も悪くないようで100psでも時間をかければ何とか180km近くまで引っ張ることが可能です。ちなみにパワーが極端にないのでスリップストリームが滅茶苦茶効きましてw、メルセデスVitoのスリップストリームに入った参考記録(もちろんそれなりの車間は取って)では200km出ましたw。
ところでフォードのガスフィラーキャップは非常に良いですね。リッドを開けるとキャップを開ける(取る)必要がなく、そのままノズルを差し込めます。フォードが関連特許を取っているようですが、非常に使いやすく、全てのクルマでこうして欲しいですね。うっかり閉め忘れとか緩いとかもないわけで。
そんなわけで慌ただしいドライブだったのですが、とりあえずブルゴーニュは楽しめました。まぁ下見ですね、今回は。いつかまたゆっくりプライベートで来たいと思います。その時はオーベルジュかなんか泊まって・・・。

Posted at 2018/09/06 02:20:28 | |
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クルマ旅 | 日記