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2019年12月01日 イイね!

やっぱりエンジンが好き②

やっぱりエンジンが好き②過去に乗った色々なクルマやバイクのことを思い出すと、試乗だけでは分からない良さというのはたくさんあったなぁ、とつくづく思います。AMGや歴代GT-Rは分かりやすい方だと思いますが、それでも本質にまで辿り着くには試乗だけでは難しいように思いますね。それが楽しいところでもあるわけですが、全てを所有することも出来ないわけで・・・難しいですね。2回目はちょっと変わったところと今所有しているC63です。



Honda SC42E (CBR1100XX)
バイクのエンジンの話は反則かもしれませんが、でも良いエンジンだったので。CBR1100XX SuperBlackBirdは1996年にリリースされた当時のホンダのフラッグシップモデル。



この分野ではカワサキが圧倒的な強者だったのですが、そこへ「量産市販車世界最速」という超シンプルな目標をコンセプトの一つに掲げて開発されたモデルでした。この世界最速というのは1999年にスズキGSX1300Rハヤブサがリリースされるまでの短期間でしたが、実は最速だけでなく上質さも狙ったのがCBR1100XXでした。このエンジンのスペックをクルマと比較しても当然意味がないのですが、164ps/9500rpm。ボアxストは79.0 x 58.0。レッドラインは10800rpmでした。最新のCBR1000RR-Rが1000ccで15000rpm近く回して217psも出すことを考えるとかなり大人しい感じがしますが、当時は最速でした。
このエンジンの特徴は、優等生とも言われるホンダらしい綺麗なトルクカーブ、直線的に伸びていきつつ最後に盛り上がるパワーカーブ、そして実は振動特性を最適化するためにバランスシャフトを組んでいる点です。基本コンセプトがサーキットを走るスーパースポーツではなく高速ツアラーであるため、速さだけでなく快適性にも配慮しているんですね。ライダーが振動を感じないようにするだけならスズキがハヤブサでやったようにハンドルやステップをラバーマウントしてしまうなどの方法もあるのですが、ホンダはそれによる操縦フィーリングの悪化を嫌い、ダイレクトマウントを前提にエンジン自体の振動を減らすようにしたんですね。(実際ハヤブサのハンドル・ラバーマウントはちょっと気持ち悪い)



このエンジンのとても好きなところは、正にカムに乗ったフィールと言える高回転域へ二次曲線を描くように上り詰めていくそのエンジンの回り方です。それが1速、2速だけではなく、3速、4速と200kmを大幅に超える速度はもちろん、そのまま実速300km近い最高速域(メーター読みだと310km/h超えますw)まで本当に気持ち良く伸びていくのです。数年後に乗ることになったCBR954RRやCBR1000RRの方がパワーは出ていましたし車体が軽いので圧倒的に速かったのですが、エンジン自体の気持ち良さはこちらの方が上でした。電子スロットルやトラクションコントロールなんて余計なものがない時代だったのも良かったですね。


AMG M177(Mercedes AMG C63)
やっぱりこのエンジンを外すわけにはいかないですね・・・。誰もが認める名機、M156 6.2リッターV8 NAの後継として開発されたM177/M178。AMG GTに載っているM178をウェットサンプ化したものがM177です。



83.0 x 92.0というロングストロークからC63では476ps 650Nmを出します。エンジン設計の一部はA45のM133を踏襲しておりボアxストも共通です。M133では8.6という低い圧縮比で1.8barという凄いブーストをかけていますが、M177では圧縮比を少し高めの10.5としてブーストは1.2barに抑えており、こういったこともあってA45のレッドライン6700rpmに対して排気量がより大きいこのV8の方が7200rpmと高回転型になっているのは興味深いところです。ちなみにC63ではシングルスクロールのツインターボですが、E63になるとツインスクロールのツインターボになります。基本となるクランクケースなどはかなり高強度な設計がされており、クランクケースはアルミ砂型鋳造でクローズド・デッキ。そこへさらにかなり念入りにビーム類が入れられおり、相当な強度耐性があることが分かります。ヘッドは放熱性を狙ってアルミ・ジルコニウム合金、ピストン、クランクシャフトとももちろん鍛造で、クランクシャフトはクロスプレーンです。YouTubeでアッセンブリーの光景を見ることが出来るのですが、組まれているパーツ一つ一つが何しろ高そうw。



ピストンの形状なんてスカートがクルマ用にしてはかなり短く、レース用ピストンに近いですからね。その他最新のトレンドを全て盛り込んだエンジンになっていて、ホットVレイアウト(外側吸気、Vバンク内排気)、ピエゾ・インジェクター高圧直噴(200bar)、シリンダーのNANOSLIDE LDSコーティングなどなど・・・。

このエンジンを走らせた印象は、以前書いたようにとにかくチューンド的な味わいを持つエンジンというものです。始動時から吠え、アイドリングでもドロドロ言うこのエンジンはアイドリングで駐まっているだけで威圧感がありますw。低速から素晴らしい大トルクで正に蹴っ飛ばされるように加速し、そして高回転域へ淀みなく回っていく・・・。とにかく速い。そしてその過程全てにおいてワイルドさを感じられる音で、これはM3のV8とは正に対極にある感じを受けます。

・・・ところが。

確かに音はそういうワイルドな感じなんですが、エンジンそのものについては実は非常に繊細にスムーズに回っています。振動はとても少なく、燃焼の粒も細かいんです。ブーストをかけずにパーシャル近辺だと良く分かるんですが、フリクションの低減と高出力化を狙っているのでとてもスムーズ。英語的に言えばクリーミーとすら言えると思います。そういう基本設計の上に、チューンドカー的なトルク・パワー特性、音を作り込んでいる感じがします。結果的にはめちゃくちゃ気持ち良い楽しいエンジンになっている。最近AUTOCARで後期型マカン・ターボのインプレがあり、クルマは最高だけどエンジンのキャラクターがGLC63に敵わないというのを読みましたが、そりゃそうだろうと思います。何しろ緻密な設計の上に分かりやすい楽しいキャラを作り込んでいるんですから。
次期C63はハイブリッド4気筒だなんて言われると、本当に寂しいですし、今のC63を降りるに降りられないことになってしまった感が・・・
Posted at 2019/12/01 12:03:32 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ | 日記

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