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2024年05月16日 イイね!

ニュージーランド、ワイナリー巡りDay1

ニュージーランド、ワイナリー巡りDay1ニュージーランドはワイン作りの歴史としては比較的新しい国なのですが、歴史が浅い分最新の技術や設備を導入することが出来たこともあってワイン作りは発展しており、近年では逆にフランスなどヨーロッパ各地から修行に来るほどだそうです。その一方、人口が500万人にも満たない国でもあるため、ワインの80%が輸出されるのだとか。ニュージーランドのワインはマールボローの生産者、クラウディ・ベイのソーヴィニヨン・ブランが評価されてから注目を集めて広がったこともあり、生産量の7割は今もソーヴィニヨン・ブランだそう。一方で今回バイクで周った南の地区ではピノ・ノワールを中心に生産されており、この2つの品種が代表的と言えます。しかしシャルドネやシラー、ボルドー系の赤の品種も多く生産されており、今では本当に多くの品種を見るようになりました。

また、歴史が浅いこともあると思いますが多くのワイナリーでCELLAR DOORを設けており、試飲や販売をやっているのも特徴です。以前ブルゴーニュを訪れた際はCELLAR DOORなんて全く見ることなく、ちょっとクローズドな雰囲気を感じたものですが、こちらは非常にオープンな印象を受けます。なのでワイナリー巡りが今回の旅の一つの楽しみでした。

バイクツーリングではセントラル・オタゴという主にピノ・ノワールが生産されている地区を周りましたが、クルマではNZ最大の生産地区であるマールボローと、その途中にあるワイパラを回ります。



クライストチャーチからマールボローの中心となる街Blenheim(ブレナム)までは約300km。高速道路がないので一般道です。もうひたすらState Highway 1号線で北上のみ。他のルート無し。

クライストチャーチを出てSH1号線で1時間弱、距離にして50kmほど、牧草地ばかりだと思っていたところで急に葡萄畑が広がり、そこがワイパラという地区。このワイパラも近年注目を集めている地区で、品種的にはリースリングで有名なところです。まずはワイパラの有名なワイナリー、ペガサス・ベイへ。

SH1を外れて5分ほどで到着。



これまた綺麗なセラードア。奥にはイングリッシュ(?)ガーデンがありとても美しいところです。



既に先客が2人ほどいましたが、それ以外には客はおらず(この日は木曜日)ゆっくりテイスティング出来ました。ここでは8種類をテイスティング。



おぉ・・・ここは・・・やはりどれも美味しい。白が中心ですが、青リンゴや洋梨、それに柑橘系を感じるようなものも。シャルドネはミネラルは強くなく、どちらかというと若々しい果実感。とするとやはりソーヴィニヨンとかリースリングの方が向いているところなのかもしれませんね。そして安い。この有名なワイナリーでも1本2000円から2500円程度で買えるのです。困った。1ワイナリー1本と決めていたのですが、もうバイクじゃないし良いや!ということでここではソーヴィニヨン/セミヨンのブレンドと、リザーブのドライ・リースリングを買いました。

そしてお腹が減ったこともあり、ガーデンで少し早めのランチを頂きました。(イギリス系の国ではパイを頼みがち)



さて・・・。この地区はあまり大きくないので、次のワイナリーもすぐ近く。クルマで10分ほどのテラス・エッジ・ワインズへ。



駐車場っぽいところでクルマを停めると、その辺にいた少し汚れた格好の足元のおぼつかない高齢の男性に「何しにきたの?」と声をかけられました。テイスティングをしに来たんだと答えたところ、「ついておいで」とセラードアの入口とは違う方へ向かいます。え?どこへ?・・・と思いながらついて行ったらセラードアのテラス側から中に入り・・・「5種類でいいかい?」 え???ここの人だったの??w 店のカウンターの中にはバーテンダー的な女性もいたのですが、その人と軽く話をすると私のところへグラスとワインを持ってきてくれました。そしてワインを注ぎ・・・ワインの説明をしてくれました。何とここのワイナリーのファウンダーだそうで。窓辺のカウンターに座り…客は自分1人だけ。



外を眺めながらワインを飲み、その説明を聞く。ここのワインも悪くないなぁ…というかドライ・リースリングは結構良い。なんかのんびりしたくなる状況だけど、次へ行かなくては。



ここではフレッシュさが印象的だったピノ・グリを買って帰ることにしました。さて次はどこへ行くか・・・。良いアイディアが無かったのでおじさんにお勧めのワイナリーがあるか聞くと、すぐ隣なんだけど良いから行ってみて、とテラス・エッジからクルマで2−3分のところにあるジョージズ・ロード・ワインズを紹介されました。



グラベルの農道を走っていくと畑の真ん中にポツンと建物が。そこが醸造所兼セラードアのようでした。セラードアに入り中にいた男性に声をかけると、外のテーブルどこでも良いから座ってて、と。

そこは本当にただの庭というか・・・醸造所の横の庭。横には葡萄を破砕する機械があり、目の前には葡萄畑、遠くには山が見渡せます。最高の天気の中、先ほどの男性が来ました。

「ちょうど今は収穫の時期でね、ちょっと忙しいけど良いかい?」

もちろん。

この男性がここの主人らしい。泥だらけの長靴と果汁で汚れたシャツを着た本物の葡萄農家。

「いや参った、ここ数日で収穫してるんだけど機械が壊れてしまってね。直るまで何日かかかりそうだ。」

少しすると奥様が来てワインを注いでくれ、主人が1杯目のワインの説明をしてくれる。説明を終えると

「せっかく日本から来たならゆっくりして行ってよ」

と言って機械の方へ歩いていって、他の従業員と話をしながら作業を続けます。

そうして2−3種類飲んだ頃、再び主人が今度は葡萄を持って来ました。

「これは昨日収穫した葡萄なんだ。食べてみてよ。何か分かるかな?」



・・・なんと。正直、ワイン用の葡萄なんて食べたことがないので比較のしようがないのですが、せっかくなのでもちろん頂きます。色からすれば赤ワイン用の葡萄なのは分かるけど・・・

甘い。物凄く甘い。巨峰のようなフレーバーがありつつ、糖度が高く風味豊か。何だこれ。食用だとしても物凄く美味いじゃないか。

「分かった?」

いや、正直ワイン用の葡萄を食べたことがないので分からないんだけど、でもかなり甘い。ピノ・ノワール?

「うん、そう思うよね。これはシラーなんだ。」

シラー!!!??? まさか!!! こんなに甘い葡萄があのスパイシーでタニックなシラー??

この地域でシラーはまだメジャーではないのだけど、トライしてるんだそう。今作ってるシラーはここのブドウが15%、Hawks bayのものを85%のブレンド比率。

少しすると、こちらも果汁だらけ・泥だらけの若い従業員の方が通りがかり、

「あ、シラー食べたの?どうだった?ボクはここのシラーが1番好きなんだ」

すごく美味いよ。ワインもシラーを買おうと思う。

それにしても・・・

最高の天気のワイナリーのテラスで葡萄畑と景色を眺めながら、ワインを作っている本人に仕事の合間に色々な話を聞きながらゆっくりとワインを味わう。。。これ以上のワイナリー巡りがあるんでしょうか…あまりに最高のシチュエーション過ぎる。



ブドウをつまみながら、もう今日はここが最後で良いや…なんて。そんなこんなで、何とここには2時間以上いましたw。今回の旅の話や日本でのニュージーランドワインについてなど、色々な話をしました。既に15:00近いのですが、しかし実は今日の宿泊地であるマールボロー地域の街、ブレナムまではまだ250kmも走らなくてはいけませんw。もうこの辺で泊まるか・・・いや明日のことを考えると移動しないわけにもいかない・・・。

そうしてクルマに乗り込みSH1号線をひたすら北上。ずっと直線のような道ではなく、山を越えるワインディングや海沿いも走る。幹線道路だから交通量こそ多いのですが、退屈しない道でした。しかしブレナムに着く頃には暗くなってきていました。今からレストランというのも・・・なのでこの日もスーパーで食材を買って自炊。


スーパーのワインの品揃えは素晴らしい

が、モーテルへ着いてびっくり。キッチンが超ショボいwww.



まともなキッチンナイフが無いし、ヒーターは火力が弱くてお湯が沸かず、パスタを茹でるのに最小限まで水を減らしてようやく沸騰。何とか作ってスーパーで買ったワインで乾杯。



いや〜、良い1日でした・・・。

Posted at 2024/05/16 13:16:52 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ旅 | 日記
2024年05月13日 イイね!

ニュージーランドツーリング Day6

ニュージーランドツーリング Day6ツーリング6日目、この日がツーリングとしては最終日。Lake Tekapoからクライストチャーチへ帰ります。距離は300kmもないので、朝はゆっくりと出発。ルート的には1日目に走ったルートの逆走です。いつもはツーリングでこういうルートにすることはあまり無いのですが、ニュージーランドは道路が少ないのでこうなります。

Lake Tekapoを出るとすぐに牧草地に出て遠くに山が見渡せる美しい景色。初日は雲で見えなかったのですが、やはり美しいところでした。State Highway8号線をクライストチャーチへ向かい、FairlieでSH79号線に入り、Geraldineの先でSH79からInland Scenic Route 72号線へ入りあとは72号線をフォローしてクライストチャーチまで行きます。



初日と同じく天気は曇り、時折雨が降ったり晴れ間が見えたりといった感じでこの日も遠くは見渡せませんでした。北海道のような広大な牧草地を抜け、たまに街を通り、淡々と進みます。





途中、工事で迂回させられたりなどはあったものの14:30くらいにバイクショップに無事帰還。トータルでちょうど2,000kmくらいのツーリングでした。バイクで気になったところをメカの方にレポートして終了。



フロントのブレーキローターに歪みが出ていたのと、ステムベアリングにガタつきが出ていました。まぁ2万km走っているバイクなので不具合というよりは普通のメンテナンスですね。

空港のレンタカー屋まで送ってもらい、今度はクルマに乗り換えです。借りたのはトヨタRAV4。ハイブリッドの4WD仕様。



それなりの距離を走るので変なクルマをアサインされるのも嫌だったので、車種指定が出来たGo rentalで借りました。RAV4にしたのは多少ダートを走りそうだったから。翌日からはワイナリー巡りの続きをすることにしていて、農道などを走ることを少し考えたんです。4WDは要らないけどダートで底付きとか気を遣うのが嫌だな、と。

レンタカーでクライストチャーチ市内へ向かいホテルへチェックイン。このホテルもStudioなのですが、洗濯機・乾燥機が部屋にあるのでまずは全てを洗濯。洗剤は日本から持ってきてます。フルに2回ほどぶん回すことになるのですが、洗濯をしている間に市内へ散歩に出ました。クルマでホテルに来るまでに電動スクーター(?)を結構見たので調べたら、どうやらポピュラーらしい。使ったのはLimeというサービスなんですが、それ以外にも複数の会社があるみたい。アプリをインストールし、アカウントを作成してクレジットカードをアサイン。でマップを見ると自分の周りにあるスクーターが表示される。このサービス、驚いたことに決められたステーションとかは無くて乗り捨て自由。近くで見つけたスクーターに乗って目的地まで行って適当に乗り捨て。以上終わり。いや凄い。あまりにも便利。



手順としては;

・マップでスクーターを見つける。予約も出来るがしなくても良い。
・スクーターまで行き、スクーターにQRコードがあるのでそれをアプリでスキャン。認証OKになると走行可能状態に。
・走る。
・乗り終えたらアプリ上で終了を押す。
・変なところに停めていないか(一応ルールがある)エビデンスとしてアプリから写真を撮る。

こんな感じです。クライストチャーチは比較的大きな街とは言え、東京とは比較にならない交通量の少なさなので、都内だと邪魔としか思えない電動スクーターも不安なく使える感じでした。この超小径ホイールで最高速は20km程度出て、ヘルメットも無しなのでリスクはありますね。置き場所のルールは基本的には歩道上で、人の家やビルの玄関前とかは避けること。バッテリーの残量もマップ上で確認出来ます。おそらく会社がマップ上で確認してバッテリーを交換、または車両の回収をするんだと思いますが細かくは分かりません。とりあえずどこに行ってもその辺で乗り捨てられているのでとにかく気軽に使え、これ以上便利な移動手段は無いと感じた次第。

そんなこんなで市内を少し散歩。2011年の地震で崩壊したクライストチャーチ大聖堂は現在も再建中のようで、どうやら随分モダンな建物になるらしいです。市内には大きな公園があり気持ち良い空間でした。







夜は自炊も考えたのですが、近くにアイリッシュ・パブを発見してしまったので脊椎反射で出撃。



ニュージーランドはビールも美味しいと聞いていたのですが、最近なかなか飲めないキルケニーのドラフトがあったのでこれも脊椎反射でオーダー。くぅ〜・・・、美味い。あとはNZビールを3種類ほど飲みました。中でもPANHEADのSANDMANというペールエールは美味しかったです。日本じゃ買えないのかな・・・。


あまりに客がいないので心配になる(19:00で貸切)



Posted at 2024/05/13 11:54:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | バイク旅 | 日記
2024年05月12日 イイね!

ニュージーランドツーリング Day5

ニュージーランドツーリング Day5ツーリング5日目、この日は1日目に宿泊したTwizelを通過し、Lake Tekapoで宿泊。特に予定は無いのですが、天気が良いようならMt.クックに登れるだけ登ってみたいな・・・くらいでした。この日は朝から曇っており、予報では途中までは弱い雨が降りそうです。ルートとしてはまずは東海岸をOamaru(オマルー)まで北上し、そこから山の方に入りMt.クックへ向かいます。オマルーまでの道はState Highway 1号線なので交通量も多く、リエゾン的な感じ。雨も降っており景色もあまり綺麗に見えないので少し退屈さを感じながら北上。



オマルーの少し先でSH83号線に入り、Waitaki 川沿いに山へ向かいます。SH83号線は極端に交通量が少ない道路で、川沿いに段々と山へ近づき登っていく気持ち良いルートでした。途中いくつかダムがあり、湖が形成されています。



SH83号線沿いの小さな街(というか集落レベル)、Krowで初めての休憩。ここまで既に200km近く走ってます。既に昼を過ぎていたので、コンビニ(?)でサンドイッチを買って道端のベンチとテーブルでランチ。


この写真で見える300mくらいがほぼ街の全て



クルマの通りも少なく、もの凄くゆっくりと時間が流れています。。。ずっとここで休みたいような気になってしまうのですが、暗くなる前にLake Tekapoへ到着したいので出発です。

出発して少しすると湖が見えてきました。まずはLake Waitaki。



続いてダムがあってLake Aviemore。天気も良くなってきたので気持ち良く快走。フィヨルドの壮観さとはまた違いますが、実に気持ち良いルートです。





段々と山間に入っていき、OmaramaでSH8号線を右折。このSH8号線は1−2日目に走った道路です。まずはClay Cliffという景勝地があるらしいのでそこへ向かいました。結構な距離のグラベルを走りゲートまで来ると、どうやら私有地らしく$5を支払うとのこと。



特に誰もいるわけではなくBoxへ入れるだけなので無視することも出来るでしょうが、実は現金を全く持っておらず、払わないのも気が引けるので引き返しました。(因みにこの旅では最後まで一度も現金を使わず、そのつもりもなかったのでATMで下ろすことも両替もやってません)

再びグラベルロードを戻り、今度はいよいよMt.クックを目指します。とは言えもちろん山頂まで行けるはずもなく、登山のベースキャンプ地となるところにあるView Pointがとりあえずの目的地です。SH8号線をLake Pukakiで左折、SH80号線に入ってLake Pukaki沿いに北上、Mt.クックを目指します。



Lake Pukaki・・・何という湖の色なのか・・・。初日に見た時は普通の(?)大きな湖でしたが、太陽光が射すととても美しいミルキーなターコイズブルーの湖でした。写真では全然再現出来ている感じがしませんし、この何倍も美しいです。この湖からMt.クックを望む景色はニュージーランドの観光ガイドなどで使われている代表的な景色の一つです。あぁ、加工じゃなく本当にこんな景色、こんな色だったのか・・・本当に素晴らしい、美しい景色です。



しかし一つ残念なのはMt.クックの方がどうやら雨のようで曇っており、山頂が見えなかったこと。雲行きから見ると目指すView Pointに行くまでに雨が降り出しそうです。雨自体は全然良いんですが、景色が見えないのでは行く意味がありません。しかし行けるところまで行くことにしました。美しい湖を眺めながら山を目指すこの道路もまた、素晴らしいルートでした。しかし遂に雨が降り出しガスってきました。やむを得ずここでUターン。宿泊地となるLake Tekapoへ向かいました。

Lake Tekapoへ着いたのは夕方16:00くらい。Lake Tekapoはかなり有名なリゾートで、多くのホテルやモーテルがあります。Mt.クック観光の拠点にもなりますが星空が美しいらしく、夜の星空見学ツアーなどもあります。しかし火曜日のこの日は多くのレストランが休みで、星空見学ツアーもお休み。こんなこともあろうかと取っていたモーテルはStudioタイプの部屋だったので、この日は自炊することにしました。



まずはスーパーで買い出し。あまり手間をかけるつもりも無いので肉を焼くこととしてワインを物色・・・。うぉ・・・凄い。NZワインのラインナップが素晴らしい。行きたかったけど行けなかったワイナリー、Rockburnを買い、肉を焼きながらワインを開けたのですが・・・美味い。ほんのりスパイスを感じさせるフレーバーの、しかしバランスの取れたこれまた素晴らしいピノ・ノワール。美味過ぎて野菜や肉を焼いている間に半分くらい無くなってしまい焦るw。もう1本くらい何か買ってきておくべきだった・・・。(それは飲み過ぎ) それにNZビーフがまた凄く美味い。オーストラリアもそうですが当然のようにGrass Fed(=牧草のみを食べて育成)です。赤身の旨さと脂のしつこくない感じが非常に好み。



こうしてLake Tekapoを観光もせず、ゆっくりと夜を過ごして5日目が終わるのでした・・・。



Posted at 2024/05/12 13:49:16 | コメント(2) | トラックバック(0) | バイク旅 | 日記
2024年05月03日 イイね!

ニュージーランドツーリング Day4

ニュージーランドツーリング Day4素晴らしいツーリングとなった3日目の翌日。この日は東海岸のDunedin(ダニーデン)に宿を取っていましたが、ルートを決めていませんでした。というのも、2日目に行けなかったワイナリー、フェルトン・ロードに行きたかったからです。事前アポのメールを送っていたのですが、土日だったので返事がなく、月曜日となる今日、アポが取れればセントラル・オタゴのフェルトン・ロードへ向かいます。9:00前に早速メールが来たのですが、今日は10:30からの枠が一つだけ空いている、と。今はテ・アナウにいて10:30は間に合わないので、午後に枠は無いか、と聞くと空きは無し。このフェルトン・ロードというのはニュージーランドの最高峰とも言われる有名なワイナリーで、そもそもNZでも中々手に入れられないほど人気なのです。そんなワイナリーに直前に「空いてる?」なんて、ちょっと無理がありました。でもとても丁寧で良い対応のワイナリーでした。(行きたかったなぁ・・・買いたかったし)

さて、そういうことであればニュージーランド最南端の町、Invercargill(インバーカーギル)を目指すことにします。



インバーカーギルへの道はほぼ一本道なのですが、遠くに山を見つつ牧草地をひた走り、丘を登って降りてまた牧草地を走って・・・。



インバーカーギル。本当に何も無いこの田舎町は、しかしニュージーランドのバイク界にとっては重要な町。”World’s fastest Indian”(世界最速のインディアン)という映画(2005年 アンソニー・ホプキンス主演)にもなった、バート・マンローが住んでいた町なのです。バート・マンローは1920年製のインディアン・スカウトを「自分で」チューンし、1962年のアメリカのボンネビル最高速チャレンジに参戦、324.847kmで世界記録を樹立。その後も継続して参戦し1967年に出したレコードは今だに破られていないのです。バート・マンローが凄いのは、メーカーやショップの力を借りずに全て独自でチューニングしたことと、チャレンジをしたのは60歳になってからという点です。映画にも描かれていますが、ピストンは何と自分でアルミを溶かして製作。フレームも自分で溶接。当時ですら40年前のマシン、そして60歳という年齢。「そんな馬鹿な」とみんなから笑われるがしかし世界最速を記録する。自身は60歳を超え、心臓と前立腺に病気を抱えながら「夢を追わない人間は野菜と同じだ」と言ってチャレンジを続けたのです。

そしてインバーカーギル出身ではありませんが、ニュージーランド・バイク界の伝説のもう1人、ジョン・ブリッテン。ジョンはクライストチャーチ出身のエンジニアで、こちらもメーカーやショップの力を借りず、完全に独自でバイクを設計・製作。エンジンはDOHC 4Vの1000cc V2をクランクケースの鋳造型から自ら製作。超ショートストロークで166hpという当時世界最強パワーを発揮。さらに1990年代初期にエンジンを中心にカーボンを使った車体周り、フロントサスはダブルウィッシュボーン、ホイールも自作のカーボン、などなどで車両重量はわずか138kg(!!!)と、とにかく革新的なマシンを製作。デイトナのBOTT(Battle Of The Twin)で優勝するなど世界各国のレースに出場し大活躍。話題沸騰でこれから市販レーサーや公道用マシンが製作される・・・というときに癌に罹患し、45歳の若さで亡くなってしまったのです。

そんな彼らのマシンなどが展示される博物館がインバーカーギルにあるのです。

インバーカーギルは高い建物の無い典型的な田舎町で人口は50,000人程。南緯46度を超えていて、なんでも世界最南端のスタバとか世界最南端のマックとかがここにあるようですw。その街の中心部の商店街っぽい並びの一角にその「Classic Motorcycle Mecca」はあります。





Classic Motorcycleというだけあって、展示の中心となるのは戦前から1960年くらいまで。従って日本車はほとんどなく、イギリス車(BSA, Triumph, Nortonなどなど)、アメリカ車(HD, Indianなど)、ドイツ車(BMWなど)、イタリア車(Ducati, Bimotaなど)がほとんどです。通常の展示車についてはほとんど解説らしい解説はないのですが、所狭しと並べられたコレクションは素晴らしい数とバリエーションで見応えがありました。



そしてこちらがブリッテンV1100。見れば見るほど、その存在感、特異性が際立ちます。メインフレームを持たないカーボンシャシー、カーボンスイングアーム、カーボンホイール。ラジエーターはシート下にマウント、フロントホイール直後にあるショックユニットはリアサスペンションです。



1990年代初期でこれですから、確実に20年以上先を行っていました。ボアxストロークは99.0mm x 64.0mmで985cc(V1100では99.0mm x 72.0mmで1108cc)、ボアの99mmというのはオメガ製のジャッドV10(F1)用ピストンが簡単に手に入ったからだそう。シリンダーヘッドの設計はCADではなくクレイを使って実験・調整。実験を繰り返して満足いく結果が出たのでそれを鋳造し、エンジンを組んでシャシダイに載せるといきなり170hp/12000rpmを叩き出した・・・とか。当時のバイクはまだキャブが中心でインジェクションの採用自体がほとんどない時代。なのにシリンダー毎にインジェクターを2つ持ち、しかもそれをシーケンシャルで噴射するという、現代の最新ハイスペックバイクがここ10年くらいで採用したことを30年前にやっているのです。カーボンスイングアームだってMotoGPマシンに採用され始めたのはここ数年です。そしていくつかのパーツを除いて全て本当のハンドメイドで、少人数の助けを借りてはいたもののジョン・ブリッテンが自ら工房で鋳造し、ファイバーを貼り込んでパーツを製作していたのです。

・・・とまぁ、とにかく凄い人、凄いバイクだったのです。10台(生前に6台、死後に4台)しか生産されなかったV1000/V1100。理想を実現しようとする情熱の塊。これをロマンと言わずなんと言う。因みにここにはV1100以外にも初期のエアロシリーズなども展示されています。

そしてバート・マンローのインディアン・スカウト。ここにあるのは外装のモックアップと車体のレプリカです。レプリカとは言えなかなか凄いんですが。





1920年型スカウトの最高速は諸説あるのですが、ノーマルでは120km/h程のマシンを40年かけてチューニング。60歳を超えてからアメリカのボンネビル・ソルトフラッツへ持ち込み、324.847kmという世界最速を記録します。映画は多少脚色されているようですがとても良いロードムービーで、今でも好きな映画の一つです。インディアンとはインド人でもなくアメリカ先住民でもなく、バイクのメーカーです。でもそんなの普通分からないから「世界最速のインディアン」というタイトルを見てどんな映画なのか想像もつかないですよね。それもあってか人気は今一つで興行収入は上がらなかったとか。いずれにしても映画自体は素晴らしく、バイク好きじゃなくても観て頂きたい映画です。





・・・何のブログでしたっけ・・・






そう、私はニュージーランドを旅していますw

Classic Motorcycle Meccaは横にカフェが併設されていたのでそこでランチ。今考えれば、もう少し頑張ってブラフまで行って有名なブラフ・オイスターを食べるべきだったんですが、この時はそこまで考えが及びませんでした。。。さて、今日の宿ダニーデンへ向かいます。インバーカーギルからダニーデンまではState Highway 1号線で行けるのですが、海沿いにSouthern Scenic Routeとしてローカルな道があるようなのでそちらへ。海沿いとは言っても少し内陸部でたまに海外沿いに出る感じで、ひたすら広域農道のような道を走ります。



交通量は極少、遠目に海を見ながら気持ち良く走ります。牧草地の丘を登ったり降りたり、たまに酪農家の集落を通りながら・・・。



すると低めの山が現れ、ここからはしばらくワインディングが続きました。そのワインディングを抜けると海に出て綺麗な景色が見れました。Florence Hillというところのようです。





ここからは海を離れ、再び牧草地を登ったり降りたりしながら広域農道をBalclutha(バルクルーサ)まで走り、ここからはState Highway 1に合流し、ダニーデンまで。流石に主要幹線道路なだけに混んでおりクルマやトラックと連なってダニーデンまで走りました。ダニーデンは想像よりもかなり大きな街で南島ではクライストチャーチに次ぐ2番目に大きな街のようです。とは言っても人口は13万くらいみたいですが。。。着いたのは暗くなり始めた夕方だったので市内観光も諦め。これはダニーデンに限らずニュージーランド南島全体的にそうだったんですが、多くのレストランが20時くらいには閉まってしまうのです。スーパーも早く閉まるので、自炊にせよレストランにせよ日が暮れたら食事しないとちょっと面倒なことになります。まぁダニーデンは大きな街なので遅くまでやっているところもあるとは思いますが、中心部から少し外れたところに宿を取ったので探すのも少し面倒でした。そんなわけで近くのレストランで夕食と取って早めに寝ることになりました。



Posted at 2024/05/03 12:17:44 | コメント(2) | トラックバック(0) | バイク旅 | 日記

プロフィール

「うーん、何しろカッコいい😍」
何シテル?   08/07 13:50
10年以上続けていた2輪レース活動を休止し、のんびりとバイク/クルマ生活を楽しんでます。今はやる方ではなく観る方に変わりましたが、モータースポーツは2輪・4輪問...
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