いよいよ花粉症の季節が・・・ ニュル夫です。
木曜あたりから急に花粉症がキツくなってきました。。。 ヨーグルト食べ続けて症状軽減出来ればイイけど。。。
さて、先週イグニスが発表されたので乗ってきました。
IM-4からほとんど変わらないデザイン。 アルトと同系のプロポーション追求型の造形で存在感は凄まじいものがあります。
ただ、車はデザインだけが評価の対象ではありません。
機械的に優れているのか?
両者が如何にバランス良く成立しているかが重要です。
では、
①外装
ほとんど文句の無いデザインだと思います。
以前書きましたが、スズキの過去のデザインへのヘリテージ、規格外のフェンダーなど存在感は国産随一!!
もはやポルシェ911やジュークに匹敵する実車のインパクト。
上記二台って写真で見ると【へぇ~存在感あるな~。結構大きいのかな?】って思うんですが、実車見ると想像よりだいぶ小さくてビックリしますw
それだけデザインにインパクトがあると言う事です。
イグニスもその例にもれない「うおっ!?」があります。
アルトよりもコスト的に有利な為、細部に幾分お金が掛かっているように見えます。
ホイールアーチ内側が黒く塗装されていたり、前後バンパーの別パーツが多くて充実感があります。
メッキが多いのでそこは評価が分かれるでしょう。
イグニスのデザインは細部に若干気に入らない部分があるのも事実ですが、あのフェンダーと佇まいの良さに前では大した問題ではありません。
それくらいデザインレベルは高いと思います。
最近はマツダデザインが評価されていますが、あれはプロポーションを理解していない人の発言だと思っています。
マツダはFFであるにも関わらずAピラーを後退させて疑似的にFRチックに見せることでデザイン性をアピールしています。 これは世界的に行っている手法の一つです。
対してイグニスはキャブフォアード系でAピラーは一般的なFFのプロポーションです。
マツダ、MB・Aクラスのような手法ではFF特有のフロントオーバーハングが目立ってしまいます。さらにやや大きめなディーゼルと載せる為、余計にエンジンルームを大きく取らなくてはいけない。
おまけにAピラーが下がっているからアリクイのような骨格になります。
ノーズの長さがある程度車格を上げてくれると言うのも事実ですが、その長さが適正な位置に配置されていなくては意味が無いのです。
そんなみっともないデザインをするくらいなら潔くFRにすればいい。
その点においてイグニスはFFである事を受け入れFFとして本来の価値を引き出す(パッケージングの有利性)デザインになっています。
更に前後バンパーをかなり丸めていてクォーターから見るとオーバーハングがほとんど見えない。 故にタイヤが車の骨格の一番外に見えて佇まいが良い。
最近流行りの手法を追わずに車としての佇まいを意識した王道のデザインです。
あえて気に入らない点を上げれば、
ウインドウウオッシャーノズルがボンネットに付いている。
リアバンパーの黒い部品が梨地の材着部品であること。
上級グレードだとドアバンドルがメッキになってしまうこと。
サイドのハイブリッドエンブレムが斜めってること。
リアコンビランプの灯火配置がズレててガチャガチャして見える。
こんなとこですかね。
ノズル以外は自分で対策出来るからあまり気なならないのですww
②内装
外装に負けないくらい遊んでますw
立体としては極端な形状にしないで色や各パーツで遊ぶ。
この手法凄く好きです。
これってニュル夫の車作りと同じで、絶対にエアロパーツは付けないけどボディカラーや部品の質感で魅力を出す。
見てもらいたい部位に主従関係を明確にして最終的に全体の魅力を引き出す。
イグニスは主従関係がハッキリした内装になっています。
まずはヒーコン。
明らかに異質なそれがゴロンと横たわっています。
なかなか触りたくなるデザイン。 ボタンのタッチ感もかなり良いです。
メーターもゼロ針が真下にあって妙にスポーティw でもカラフルだから汗臭い感じは無いかな。
足踏みパーキングプレーキだと思ったらレバータイプだったw 探しちゃったヨwww
センターコンソールも塗装部品でインパクトあるし、Cピラーの造形を反復していて魅力的です。 ジュークの手法パクったか?w
あとビックリしたのがFFだと子供が入りそうなくらいデカイトランク下のアンダーボックスがあります。 独身ならあの空間だけで事足りるw
シートもサイドサポートが思いのほか高いのが印象的。 SUV系でロール量が大きい車には必要な高さになっていました。
フロントはそんなに問題無し。
シートの背もたれ調整のレバーがメチャクチャ小さくて操作しにくいのとテレスコ付けなよ。
リアシートは座面が短くでモモ裏が浮くし背もたれも小さい。
【5人乗りなら中央もヘッドレスト付けろ!】って言う人もいますが、真面目に5人乗ると思ってんのかな?w
付いてない事は勿論問題だけど、あんな狭い場所に3人乗せる方が人権侵害だろとwww
あとルーフサイド(ドア開口)が低くて降りる時に頭に近いドア開口を避ける様にしないと絶対ぶつける。
まぁデザインが商品性と考えれば問題は無い。 それが嫌ならソリオ買えばいい。
ちょっと気になったのはインパネの艶が高くて安っぽく見えました。
前後ドアの質感も白黒で遊んでいるんですが質感がついてきていない。
全面が樹脂打ちっぱなしで固い! せめて一部ファブリックを貼って欲しい。 デザインとのマッチングもあるけどアームレストとか体に近い場所や触れる場所はソフトな触り心地にした方が質感に繋がるかと。
あと、サイドブレーキ。
あの位置だとアームレストを下げているとサイドブレーキが目視出来ない。
特にサイドが引いてあると完全に隠れてる。
ステアリングもちょっと似合ってない気が・・・
使い回しだからしょうがないのかな。 使い回す前提ならもう少し汎用性の高いデザインの方が良いと思います。
③走り
内外装でテンション高まった状態で乗ると、真水をぶっ掛けられたかのような気分になります。
今まで高まったテンションが一気に冷静になる。
とにかく普通wwwwwwwwwwwww
実際普通のレベルまで仕上げるのって結構難しい。
特にSUV系のやや背の高いモデルだと操安性も厳しいのも事実。
ハッキリ言って文章化しにくい走りです・・・
なので個別に話をします。
エンジン自体は馴らし前でも十分スムーズです。 K12Bの初期モデルはかなり酷かったけどドンドン洗練されてきましたね。 4気筒の恩恵を感じるフィーリングです。
パワー感は想像より良かったです。
900kg以下のボディの恩恵は大きいですね。 CVTの制御に大きな問題がありますが、動き出せばそれなりに走ってくれます。
ステアリング自体はやや軽め。15インチはちょっと中立が甘いけど16インチならまぁまぁ。 もう少し重ければ直進性も良くなるんだけど、車のキビキビ感が削がれるからバランスが重要。 でも重い方が良いな。
CVTは大問題。
巷ではゼロ発進のデュレイが話題ですがそれよりも問題なのが空走感。
CVTと電スロ両者の問題かもしれません。
アクセル全開で5,60km/hまで加速してから一気にアクセルオフすると0.1秒くらいスロットルが戻らない。
え!?って思うくらい車の速度が残ってしまいます。
加減速、特に減速方向の応答性の悪さってもの凄くコワイ。。。。
プリウスで問題になったけど、感覚的には0.5秒くらい空走してる気がします。
でも運転中の感覚は過剰に感じるので、応答遅れに集中して判断すると多分その1/5くらいだと思います。
そんな加減速すらまともに制御していないクセに、Mモードの変速感がバカみたいにダイレクト感出してて多段ATやリニアトロニック並みにコクンコクンとシフト制御します。
まぁ、全ての制御がクソでは話にならないけど、まずはDレンジでまともに走るように作って欲しい。
ゼロ発進は応答性が悪くて動き出すまでに時間が掛かります。
自分が想像しているよりも車が動かないから前走車がどんどん先に行ってしまいます。
ISからの発進に問題があるのかと思ってISオフにして再トライしても大して変わらず。 エンジン始動が無い分コンマ秒早くはなるけどエンジン→ミッション→タイヤ回転の応答遅れがあります。
足周り・ボディは車重を考えると十分良い。
足もだらしなくロールせず適度にコシのある仕上がり。路面の過ぎ目や段差もドタつきは少なめ。
現行スイフトよりリアのスタビリティに粘りが無い。
ちょっと先代スイフトみたいなフィーリングで個人的には好み。 リアシートに乗せられた人は辛いか?w
ブレーキはそれなり。 走行中IS付きのスズキの軽は明確に効かない感じがするけど、そこまで酷くはない。 普通に使って不足を感じる事は無いと思います。
④問題点
1・まず最初に書きたいのがカーテンエアバックがセーフティパッケージのセットになっている事!!
事故には自損と被害の2種があって、エアバッグに関してはその両者を満たしている。 だからこそ標準で付けるべきです。 最低でも上級には付けて欲しかった。
自動ブレーキは自分のミスで突っ込むんだからそんなミスをするヤツだけが付ければいい。
カーテンエアバッグは気を付けていても側突されてしまう時に助けてくれる。
安全性の質をミソもクソも同じと考えている事にスズキのいい加減さを感じてしまいます。
2・パドル使う場合はパドル先行で操作すれば強制Mモードだから気にしなくてイイのかもしれないけど、Mモードは左右に倒して操するほうが好ましい。
AGSはそうなってるんだから小型でもやるべき。 Dの下にM付けたからボタン押しながらじゃないとMモードに入らないし操作性悪過ぎです。
3・カラーバリエーションに安っぽい色が多過ぎ。
例えばワインレッドやブリティッシュグリーンのような色を用意すればメッキ部品の正当性が出るのに、薄い青なんかを平気でラインナップしてしまう・・・
スズキ車全般に言えますが、とにかく色が安っぽい。
塗装品質の低いのに色味まで安っぽい。 カラーアワードは受賞できてもエキセントリックな色遊びするんじゃなくて価格以上の車格を与えるような色もラインナップして欲しいですね。
N-BOXなんかはしっかりしていて、標準でも濃いめの色があって実にバランスの良いラインナップになっています。
4・ハイブリッドで客寄せするの止めた方がいい。
別にモーター走行出来るワケでもないし、変にハイブリッドって言葉だけが先行してる。
そんな言葉で釣るくらいなら、「ハイブリッドは価格差が〇〇万あって、一年の走行でガス代が〇〇円安いけど元を取るには何年も掛かります。 更にバッテリーにも劣化があって交換する場合は多額の費用が必要です。 だからウチは軽量化と熱効率の向上で安く提供します」くらい真っ当なプレゼン出来ないのでしょうか?
騙されるほうも悪いですけどね。 各メーカーに言える事なので、もう少し真面目に商売して欲しいです。
こんなとこでしょうか。。。
やっぱり現行・先代スイフトのレベルが高過ぎますね(^_^;)
先代は少しナーバスな面もあって、それが不出来なわけではなくてドライバーが打てばそれに応える一体感がありました。
現行は全ての面でそれを引き上げ、躾の悪い部分をキッチリ修正しています。
それらと比べてしまうとイグニスの評価は下げざるを得ない。 でも単品として見ればまぁまぁのレベルにはなっています。
今回特に感じたのが、ニュル夫のスイフトは1.5有段ミッションなんで機械的優位性があって、イグニスは880kgとエコタイヤで物理的優位性があるなと。
その両者が揃った時にアルトワークスのような完成体になるのかもしれません。
一部で書きましたが、スズキ車は一部車種(スポーツモデル)を除くと極めて普通の車なんですよね^^;
サイオンみたいに若者専門みたいなブランドじゃ無く10~90代まで幅広くユーザーがいるから仕方が無いってのも分かります。
ただ、デザインが魅力的でも走りに魅力が無いなら車という機械としてどうなのか?
価格的に良心的ではありますがもはや価格と燃費だけでは購入動機にはなりえません。
安全性能の充実、高い質感、乗りたくなる走り。
車の性能全てに魅力を付加していく事が今後のスズキに必要だと感じたイグニスの試乗でした。