この夏から秋にかけて,同行号がバッテリー上がりを起こすようになった。
エンジンを停止した状態でパワーウィンドウの動作チェックをしたり,
数時間にわたってドアを開けたままサブウーハーの移設作業などをした後のことである。症状はエンジンが始動しなくなるだけにとどまっており,ブースターケーブル接続直後のジャンプスタートで難なく一発で再始動する。停止中の電装品の動作に支障が出ることはないので,極端な電圧の低下や放電は生じていない。
それ以前から,停止中の電装品の使用を繰り返していたのがいけなかったのだと思う。この夏には読書灯を消し忘れたまま一晩放置してしまったこともある。これまではそんなことをした後でも問題なく始動していたため油断していた。近頃は停止後の短時間の電装品の使用でもエンジンが始動しないことがある。おそらく以前より充電に時間がかかる&放電が早くなったのだろう。そういえば,真夏にエアコン(クーラー)の冷気がエンジンの回転数を上げないと冷たくならないという症状も散見された。
バッテリー延命装置を取り付けている同行号では,バッテリー上がりよりも,オルタネータのトラブルが気になっていた。欧州フォード車ではST220を除くモンデオmk2のオルタネータが数万kmで故障してしまうことが有名である(ディーラーのメカさんは「オルタネータ交換をしていないモンデオはない」とさえ言っていた)。フィエスタに関しては,同行号より走行が延びている例はないものの,オルタネータのトラブルは今のところ皆無だそうだ。
とはいえ,総走行距離が19万kmに迫っている同行号であるから,いつオルタネータが機能しなくなっても不思議ではない。突然止まることもあるので気休めにしかならないかもしれないが,オルタネータからの発生電圧をテスターでときどきチェックしている。いままでのところ,アイドリング時で14.5V以上と良好である。
同時にバッテリー電圧もチェックしていたが,問題はなかった。ジャンプスタート直後でも12V強の値が示され,その後の充電状態では未だ12.5Vを越える。元気なバッテリーなら13V程度あってもおかしくないが,一般的な感覚では停車中の電装品の使用を控えればバッテリーをあわてて交換すべき状況ではないように思われる。
やっぱりコレのおかげでしょうか
しかし,欧州車は始動時に要求する電流量が高めに設定されていること,同行号では後付けの電装品が増えていることから,そろそろバッテリー交換を検討しても良さそうだ。エンジンの停止中に電装品を使用しなければしばらくは問題なさそうだが,再発した時の場所や時間帯によっては面倒なことになる。このところのバッテリー上がりは,幸いにもディーラーや自宅の駐車場だったために即座に対応できたに過ぎない。漏電やレギュレータの不具合を疑うにしても,バッテリーが元気な状態で診断すべきだろう。
現在装着しているバッテリーは
ユアサのEU-545-042。装着してすでに
3年半以上・9万km以上使用している。現在はみんカラのお友達の
鼻毛パンチさんにかつてmixiでご紹介いただいたもので,
CCAが420,保証が2年4万kmと当時としてはそれなりに優れた内容だった。
ユアサのホームページの工業製品的な解説や付属品の至れり尽くせり感も秀逸。何より自分の中でユアサと言えば信頼できるブランドの一つであった。
それから数年を経てみると,Panasonic の caos シリーズがもてはやされる時代に。確かによくできた製品に違いないのだが,CCA値は非公表,
バッテリーの状態が確認できるインジケータなし,ラインアップされるサイズが少ないなどの問題点がある。
こちらはユアサのバッテリーのインジケータ。同行号では充電後の青の面積が減ってきている
caos ではインジケータは別売り・・・(追記: ユアサ同様の確認窓もあります)
Panasonic のサイトの適合表では,61-25HがフィエスタGHIA/GLXに適合することになっているが,実際に適合するのはフィエスタSTであり,フィエスタGHIA/GLXには長すぎて純正のバッテリーケースには収まらない(追記: Panasonic にこの点を指摘したところ,適合表を修正していただけることになりました)。
ユアサ EU (EU-545-042):
長さ 207.5mm,幅175mm,高さ175mm(フィエスタGHIA/GLXに適合)
caos WD (61-25H) :
長さ 246mm,幅175mm,高さ175mm(フィエスタSTに適合)
ちなみに,他のサイト/他の製品でも「フィエスタGHIA/GLX用」として,フィエスタST用のサイズのバッテリーが販売されていることは少なくないので注意が必要だ。下は
純正のバッテリーケースを加工して「無理矢理」お取付なさった例。
同じように大きめのバッテリーに換装するという手もあるが,重量増や取付後の安定性・干渉などに不安が残ることから却下。これまでと同じ大きさのバッテリーで今回のようなトラブルが生じにくいように配慮するとしたら,高めの
CCAを持つバッテリーを取り付けることだろう(本当はRC値も参考にしたいのだが,情報が乏しい)。
調べてみると,安価で出回っている適合サイズのバッテリーはCCAが400などと低い。非公表の caos のCCAを自ら計測したり Panasonic に直接問い合わせた方々からの情報によると,近い容量の caos の CCA も400~420でとくに高くはないようだ。
調べれば調べるほどユアサの良心と良品ぶり&広告下手,Panasonic の家電的フレンドリーさによる商売上手ぶりが分かってくる(caos のCCAの情報は不確かなものですし,caos の性能が低いということではありません^^;)。
欧州車の定番中の定番である
ボッシュのシルバーのCCAも420と,ユアサのEUと変わらない。保証期間・距離はボッシュのシルバーが2年3万kmなのに対し,ユアサのEU と caos WD は2年4万km。実勢価格も照らし合わせてみると,ユアサのEUが総合的に最もバランスがよろしい。
ではまたユアサに・・・と心が傾きかけたところに,最近になってボッシュから新シリーズ「
シルバーX」(シルバーの後継)が発売されていた。
シルバーXにはフィエスタGHIA/GLXに適合するサイズ/形式(
SLX-4E)があり,
CCAが460と大幅アップ。保証も2年4万kmに延びている。caos と同じシルバー合金を極板に採用し,信頼性もアップしている。インジケータはない代わりにバッテリー液の補充も要しないようだ。それはそれで不安もあるが,欧州車に乗るようになってからはバッテリー液の補充など要したことはないので問題にはならないのだろう。実勢価格も手頃で,前モデルのSL-4Pとの価格差はほとんどない。ユアサEUよりは1000円程度高くなるが,近いサイズの caos 系よりは数千円は安い。
というわけで,純正サイズにこだわるなら,ボッシュのシルバーXが現状ではベストのようだ。ユアサの次期モデルにも期待。本当は
オプティマに適合サイズがあれば試してみたいのだが。
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追 記:
その後,廉価バッテリーもあらためて見直してみると,あなどれない製品もあることが分かった。とくに
イタリアのFIAMMのカーバッテリーの「
Titanium Plus」シリーズ。
国内に流通している旧モデルは,フィエスタGHIA/GLXに適合する型(L1B 46+)で
46Ah・CCA450を誇り,以前に
tame-kさんからご紹介いただいた
オリエンタルでの価格は6600円と,上に挙げている他メーカーの製品の実勢価格より
数千円は安い(場合によっては半額)。
欧州で販売されている現行モデル(L1B 50+)は,同型で
50Ah・CCA520と秀逸な仕様だ。日本には入っていないようなのが残念である。
Posted at 2011/11/04 02:32:35 | |
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