ちびーたのブログ一覧

誰にも見れない景色がみれます(´∀｀)

　読みやすいように、スタリオンが戦艦になるまで1にリンク貼りました。

　いままで、遡るの大変だったと思います。
　もっと早く思いつけば良かった。

よく聞く・見かける言葉に「一生、乗り続けます！」というのがある。

自分の気に入った車を手に入れた時や車に乗り始めて、あまり時間がたっていなく、他の方への自分自身の意気込みとして「一生乗ります！」と、謂わばマニフェストを発表しているわけだ。

俺は少し前までは、この言葉が大嫌いだった。

見聞きする度にムシズが走った。

これを簡単に言える人間を心の中では正直、軽蔑した。



しかし、この「スタリオンが戦艦になるまで」の連載を書いているうちに、俺の中では大きな変化が起こった。

「一生乗ります」
「頑張って下さい」

実は、この二つが嫌いな言葉だったのだが、今なら聞くことが出来る。




愛車に惚れこみ、「一生乗ります」という方は、その今の気持ちを大切にして頂きたいです。

そして将来、あなたが車を乗り換える時に最初の頃の気持ちを思い出してあげて、「今日まで有難う」と言ってあげて下さい。

一生乗るという言葉自体は勢いだったかもしれませんが、気持ちは本物だったはずです。

実際に一生乗ることは出来ないのですから、せめて気持ちだけは大切にして、愛車と楽しくすごしましょう
頑張って下さい!
「完」

「まあ、、俺で出来ることがあれば、やらせてもらいますよ」
ショップオーナーは、謙遜してそう言ったが、このショップが、何処にでもある腕のショップではないことは一目瞭然だった。

綺麗な作業場に10台ほど並んでいたのは、全て作業進行中のポルシェだった。

「細田の作ったエンジンだから、まあ、壊さないように乗ってやって下さい」

そう。
本人は、至って普通の意味で言ったのだろう。

だが、俺にはもっと重い意味を持っていた。



まだまだ乗り続けてくれるよな？

これからも少々のことで降りると言わないよな？

「もしかしたら」「一生乗り続けてくれるよな？」



全く他の意味には聞こえなかった。


俺の返事は、決まっていた。

「細田と釣り行く約束していたんだよなあ」

そうショップのオーナーは呟いた。

「もしかさたら、そんな長くないかもしれないからってんで、仲間と細田と一緒に釣りにいくべって言って、本人も喜んでたんだけど、その行く週になって行けねえってなってさ、、、」

それは、まさに俺が細田さんと最期に会った週だった。

俺は、その時の様子を説明した。

ショップオーナーは「そうか、、、」
と言い、無言になる。

思い出したように「そういや、細田んとこからノートやら資料が俺んとこに全部きてるよ」

Ｙさんが「それに、客の車に何をいつしたかが全部書いてありますよ」と解説した。

「でも、アイツそういうのってどこまで、、、」

「いやいや。あの人、そこだけは物凄く几帳面にやっていましたよ」

細田さんは、あまり細かいことを説明するのが面倒だったのかも知れない。

戦艦を雑誌に載せてくれた時も、俺は写真ポン載せ程度だと思っていたのだが、蓋を開けてみると見開きで俺の知らない戦艦のデータが詳しく載っていた。
言わなくても、言う以上のことはやる。

細田さんは、そういう男だった。