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去る8月。
幌をはじめとする、そこそこまとまった額のメンテナンスのためにカミムラさんへのビート入庫が目前に迫る中……ミニカのフロントガラスが割れました。

人為的に割られた雰囲気でもなく、夏の暑さにやられたのか、よりによって高額出費が予定されていたタイミングでこれとは。

…ツイてない時ゃこんなもんでしょうか。


さて、グレードにより、透明・ブルー・ブロンズの色違いと、年式によってサプライヤー違いの複数種類の設定が存在するH20系ミニカの純正フロントガラス。
2018年のオールペン時に調べた際には、そのいずれかが三菱ラス1の在庫として残っていたと記憶しているのですが…

…2022年時点ではあえなく欠品。


また、2018年の時点で既にAGCにもH20系用の金型が無かったため、ワンオフクールベールの製作も出来ません。

それに当時、フロントガラスの脱着無しで100万円に達したオールペン費用を見て、性能的に何も変わらない純正新品ガラスに交換する判断が出来たか、と問われれば、今でも間違いなく「無理」だと断言出来るので後悔は全く無いのですが……



…その無理が通っていればきっと今頃割れなかった事でしょう。



ただ、2022年時点でも新品ガラスはFUYAO製が存在しているため交換は可能で、ひとまず身近な範囲で修理は出来そうです。


が、問題なのはモールの方。

分解時要交換になる外装モールは全て入手不能。
幸い、オールペン時にガラスを外さずに交換したアッパーモールは分解・再利用可能な状態でしたが、ルーフ一体型の左右モールは取り付けクリップの単体入手も出来ず…最悪はまるっと左右モール無しの残念な状態もあり得ると。


いずれにしても、最早素人に出来る事は無く、後はガラス屋さんに託すしかありませんが…



…どうにか再利用してもらえました。
ガラス屋さん曰く、左右のモールは接着したとの事で、次に外そうとすれば確実に破損する、二度と分解出来ない状態になっているそう。


このダンガンZZ用の赤モールは2010年から用意していたこだわりのある部品だったし、更に塗膜の弱いオールペン車でガチガチに固まった32年物の接着剤と、悪条件が重なっていた中で、外観を元通りに仕上げてもらっただけでも御の字です。






と言う事で、今回装着したFUYAOのガラス。
中国系メーカーとは言えN-BOXでの純正採用や、市販品では「コートテクト」という特徴的な商品で名前だけは聞いたことのあった会社でした。

何なら現在のビート用社外幌のガラス窓に使われているのもFUYAOなので、そんなに身構える必要は無いメーカーなのだろうとは思うのですが…

H20系ミニカの場合、ラインナップされているのは「ソーラーティント」という最もスタンダードな物のみで、これが特にネット通販等では不安になるほど安いのです。新品フロントガラスが1万円とか…。

これほどの安さでUV97％、IR74％カットを謳っているので、実に胡散臭い。
確かに一目で分かるグリーンガラスではありますが、1万円でクールベールの代わりになるか？って話ですからね…


で、実際の所は…


本当に断熱されてました。
厳密には本家クールベール程の性能は無いようですが、元々が全面UV＆IRカットなど無いガラスなので、フロントとそれ以外で、直射日光のジリジリ感がハッキリ分かるくらい違います。

細かい事を言えば、外周部の黒セラミックのプリントが若干傾いていたりするので値段相応の出来ではありますが、断熱ガラスが一般的でなかった年代の車に、手頃な価格で断熱機能を付与出来るのはなかなか悪くないものです。


それこそ新品が完全に絶版化した車種のガラス交換においても、加工流用元のガラスとしてこれを使っている業者もあるようですし、このFUYAOガラスは意外にも、王道を外れたマイナー旧車維持の強い味方なのかも知れません。






…しかしUV＆IRカットの代償か、ヘッドライトの仕様が旧車のままだと…

暗すぎて前が見えねえぞ…