先日、208GTiのリコール対応でディーラーへ点検に行ってきましたが、その際に感じたことを、先日のPSAによるブランド戦略の見直し/車種の集約の発表にからめてお話しします。
まず始めにお断りしておくことは、私は208GTiを購入したディーラーのセールスやサービス窓口の方の対応には十分に満足しているということです。
第一に、彼らはとても誠実/フレンドリーで、(いい意味で)輸入車ディーラーへ行く時に感じるある種の緊張感(言い換えると”敷居の高さ”)を感じさせません。第二に購入後のアフターサービスの品質/対応も期待した水準のものを提供してくれています。私のディーラーの場合は、国産メーカーのクルマから乗り換えてもディーラーの品質に関しては全く心配ないと言うことができます。
ただ、いつも気になっていたのは作業をするメカニックの方達の顔に笑顔が少ないことです。先日、作業が完了するのを待つ間に窓口の人から聞いたところ、サービス拠点の拡大でメカニックの配置が分散したため休みをとても取り辛くなっているとのこと。繁忙期なのでかなり無理をしているのかもしれません。
今回のPSAの発表でDSブランドをプレミアム路線として独立させると知った時、まず思い浮かんだのは、日本の現状の販売体制下ではかなりハードルが高いだろうということでした。それは、プレミアム・ブランドはクルマを買ってから如何に上質なアフターサービスを提供し続けることができるかが鍵だと思うからです。
過去にVWグループが日本で(かなりのVWとの併売期間の後に)AUDIをプレミアム路線として独立させた時は、販売チャネルを完全に分離した上、VWのチャネルについても販売部門とサービス部門を同拠点に配置できないディーラーは契約を更新できなくするなど、そのサービス品質を維持するために厳しい条件を課しました。
下位ブランドであるVWのディーラーですらメンテナンスでクルマを預け、作業完了後にクルマを受け取りに行くと(昔はAUDIを併売して習慣になっていたからか,もしくはサービススタッフの人数が多いためか)いつも綺麗に洗車されていてありがたかったものです。
私がそんな素晴らしいVWからプジョーにチェンジした理由の1つは引越先の別のVWディーラーのビジネスライクな対応に”?”がついたからでした。
では、日本のPCJはどうかというと、現在の販売規模の中でDSの販売チャネルやサービス拠点を完全に独立させ、プレミアム・ブランドとしての高いサービスレベルを維持するには相当な先行投資が必要ですし、ディーラーをそのような投資に踏み切らせるには、相当に競争力のあるクルマを開発し日本市場へ投入することが必要だと感じます。
現体制のままDSブランドをいきなり独立させプレミアムを前面に押し出しても、"プレミアム”の名に適ったサービスを提供できず、顧客側に”?”のつくネガティブな体験を蓄積させてしまいブランド価値を毀損する恐れがあります。
個人的には、PCJには魅力的なラインナップが揃い(プロモーション強化で)DSブランドが日本市場で認知されるまでは、背伸びしてチャネルを分散せず、サービス拠点が3ブランド同拠点でもいいから十分なサービススタッフを配置し、皆がニコニコ応対してくれるような店を増やしてくれる方が、顧客の満足度やブランドに対するローヤルティーはより高まると思います。
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Posted at
2014/04/29 19:00:20