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2008年01月18日 イイね!

電気回路図(続々・「アーシング」の効果)

電気回路図(続々・「アーシング」の効果)昨日書いたアース・ラインの電流測定結果に基づいて、簡略化した電気回路図を作成した。

図1は、バッテリーが充電中の状態における、電流の方向を示したものである。赤いラインがホット(プラス側)、黒いラインがコールド(マイナス側)の既設ラインであり、青いラインが今回増設したアース・ラインに対応する。これをみれば、青いラインがバッテリーからエンジンへ環流する電流をサポートしている様子がおわかりいただけるであろう。

一方、図2はオルタネータが停止している状態、すなわち全電力をバッテリーがまかなっている場合の電流を示したものである。これをみれば、既設のエンジンからバッテリーへ伸びる黒い太い線はエンジンスタータを回す際に莫大な電流を必要とするためのものであることが容易に想像付く。よって、ヘタに青いラインを増設して、そちらの方に大電流が流れてしまった場合、最悪の事態として「アーシングが燃える」などの災害に見舞われる危険がある。素人は滅多なことは出来ないものである。(笑)

オルタネータ停止状態というのは必ずしもエンジン停止状態とイコールではない。オルタネータは他励式といって、バッテリーや自分が発電している電気などから電力供給を受けて電磁石を作動させ、その強度の調整によって発電量を変化させることができるので、最新のオルタネータであれば、内蔵の専用制御素子の力でかなり自由に動作状態を制御できるのである。最新のものでなくとも、ほとんどのものはスイッチ式に発電をオン・オフする制御は可能であるから、バッテリーの電圧が下がってきたらオン、満充電電圧になったらオフ、といった制御は以前からされている。よって、オフ状態での電流回路はエンジン作動中でもあり得るのだ。

ところで、図2のBのところを見ていただこう。矢印は一応、エンジンからボデーへと書いてあるが、実は、ボデーへの電装系の配線の仕方やエンジンとボデー間の接続の位置によっては、この向きは逆転する可能性がある。もし逆転している場合は、本来バッテリーに環流すべき電流が無駄にエンジン筐体を経由して流れることになり、電流ロスにつながると考えられる。従って、エンジンとボデーを直接接続する導線は、その位置や太さの選択が非常に重要であることが解る。私の場合は、既設のBラインのすぐ側に青いラインを増設したため、この状態での電流は恐らくBの図の方向に流れるものと思うが、昨日書いたようにクランプメータがその場所に入らないため、確認は出来ていない。

さて、図1はオルタネータだけで電力がまかなわれ、図2はオルタネータが全くあるいはほとんど機能していない状態を表しているが、理論的には図1と図2の間の状態というのが存在しうる。図1に戻ってAの部分に注目していただきたい。実は、Aの矢印を逆転させてもこの回路は成立するのである。いわば、オルタネータとバッテリーが協調して電流を供給している状態である。そのような場合は、オルタネータが供給する電流相当分がバッテリーの負極からオルタネータ負極=エンジンへと流れることになる。そういった状態が実際に存在するかどうかよくわからないが、瞬間的に大電流が流れるなどしてAの矢印が反転する状態というのは割合よくあるのではないだろうか。その時に青の増設ラインが存在すれば、エンジン各部位の電圧低下が軽減され、スムーズな動作をキープできるという可能性はあり得る。

巷の「アーシング」の効果に関する説明をみると、図2のような状況を想定したものが割と多い気がするが、上にも書いたように、最近のクルマならオルタネータの出力をかなり自由に制御できるので、エンジン運転中の電力は定常的にはほぼオルタネータがまかなっていると考えてもよい。よって、回路的にはほぼ図1のような状態を念頭におかなければならない。それを前提とした上で、「アーシング」を施工する場合の“効果的な”ポイント選びに関するサジェスチョンとしては、以下のようなことになろうか。

1)電装系、特に古いクルマのヘッドライトを明るくしたり、オーディオの音質を改善したい場合は、その電装系のアースポイントのなるべく近くからバッテリーへのアース・ラインを増設する。このとき、エンジン(オルタネータ)を経由して配線しない。バッテリーとエンジンを結ぶ導線が老朽化している場合は、その線と同等かそれ以上の太さの導線によって結合を増設してやることが効果的かもしれない。
2)エンジンの電装系を安定動作させたい場合は、バッテリーとエンジン筐体の間のアース・ラインを増設する。ただし、エンジンスタータに流れる大電流を拾うようなポイントにむやみに増設してはいけない(危険なので)。
3)ボデー・エンジン間の既設アース付近にバッテリーからのアース・ラインを増設すると、バッテリー動作時の不必要な電流の環流を防止することができる。結果としてセルモータの動きが良くなり、エンジンのかかりが少し良くなるかもしれない。

なお、ここに書かれたことは私の個人的調査と見解に基づいた情報提供であり、実際の効果を保証するものではない。また、これらのことを参考にされご自分で「アーシング」を施工される場合でも、それがもたらす全ての結果について、私はその責任の一切を負わない。あくまでも自己責任で行っていただきたい。

もし、これまで書いたことに間違いや勘違いなどがあれば、お知らせ頂ければ幸いである。
Posted at 2008/01/18 22:42:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | パーツ | クルマ
2008年01月18日 イイね!

アース・ラインの電流測定

増設したアース・ラインにどれくらいの電流が流れているのかをチェックしてみた。よくある方法だが、DC電流に対応しているクランプメータを使って、標準および増設したアース・ラインの電流量と方向を調べたところ、大変興味深いことが判明した。なお測定はアイドリング状態で行い、エンジンのみ回している場合と、エアコン・前照灯の負荷を掛けた場合とを行った。

まず、電流の方向について。

1)ボデーとバッテリーの負極を結んだライン(標準・増設各1本)は、いずれも ボデー→バッテリ負極 の方向。
2)バッテリー負極とエンジン周辺を結んだライン(標準1本、増設3本)は、いずれも バッテリー負極→エンジン の方向。
3)残念ながら、標準のボデーとエンジンを結んだラインは手が入らずに測定できなかった。しかし回路的に考えると、このラインについては ボデー→エンジン の方向で流れていると考えられる。(もし逆方向なら、アース電位のなかで電流がぐるっと回ってしまうことになる。)

ちなみにレガシィの場合、オルタネータはエンジンとボルト・金具で直接結合されているので、エンジン筐体とオルタネータ筐体は電気的にほぼ等電位と考えて良い。

そして電流量について。

4)アイドリングのみ・負荷時の双方で、どの線も概ね2倍程度の差異がみられた。全体では、3.3A→6.4Aという変化になった。
5)いずれの状態でも、バッテリーへのラインは充電中の状態。ただし、負荷時はオルタネータの発電量が負荷に食われるために、バッテリへの充電電流が減少する(1.5A→0.9A)。

こうしてみると、エンジンが掛かっている状態では、クルマの電力はほとんど全てがオルタネータの発電でまかなわれ、さらに余った電力でバッテリーへ充電が行われている状態であることが明らかである。

つまり、バッテリ負極とエンジンルームのあちこちを導線で結ぶ「アーシング」という行為は、ボデーへの接続とエンジン(オルタネータ)への接続とでは異なる意味をもつことになる。私のつたない電気の知識で考えると、おそらくは以下のようである。

A) ボデーへの接続増設は、クルマに接続された各種の負荷の負極からバッテリーへ環流する電流を、新たに接続した導線に分散させる効果がある。その結果、電流容量の増強を図れるとともに、銅線に比べると良導体とはいえない鋼鉄製のボデーでもしかしたら拾ってしまうかもしれないノイズや、容量性・誘導性の負荷(インピーダンス)をいくらか低減させるかもしれない。
B)エンジン・オルタネータへの接続は、バッテリー負極へ環流してきた負荷電流をオルタネータへ戻すための、電流容量を増強し分散させる効果がある。もし、増設したポイントに負荷の負極が存在する場合、オルタネータ動作の変位や瞬間的な大電流負荷による電流の不足を、バッテリーから安定して補うことができるかもしれない。

以上のことは、「アーシング」行為を好意的に捉えた場合に考えうる“最大限の電気的な効果”であり、実際にそうなるという保証は一切ない。そして、このような電気的な効果が実際に「体感」できるような違いとなって現れるかどうかは、いまのところ全く不明である。

ただ、低速時のアクセル・ワークが改善したような気がするのは、もしかしたら、電子制御スロットルのせいではないかと思う。というのは、電制スロットルはスロットルの開閉をモーターで行っているので、ごくわずかに開閉する場合はモーターを微妙にコントロールしなければならず、アース・ラインを直接バッテリーから引いてやることで結果として負荷電圧が安定し、制御し易くなるのでは?ということなのだが、考えすぎだろうか。(笑)もしこの仮説が正しければ、伝統的なワイヤー式のスロットルには、アース・ライン増設の効果は全く無いものと思われるが・・。

同様の電圧安定性は、他に増設した2点にも期待できる。DI方式のEJ20エンジンの場合は、スパークプラグ周辺へのアース・ライン増設はそのままバッテリー負極との等電位性の強化につながるから、スロットル開度が小さい低回転域での、スパークが飛びにくくなる希薄な条件下でもより安定したスパークが出せるようになる・・・という可能性はある。特にレガシィの場合、2.0R/3.0Rやターボ車には熱価が高めのプラグが採用されているので、低回転での温度が低い領域は相対的に不得手な筈だ。まぁそんなことも、「体感」出来るほどの差異が現れるかどうかは、よくわからないが。

なんにせよ、「アーシング」施工した結果が電気回路的に解析出来てなんとなく落ち着いた。見様見真似でポイントを決めてしまったが、とんでもなく悪いことにはなっていないようだし、さらなる強化は当面必要なさそうだ。強いて言うなら、運転席側のボデーからの線を増強してヘッドランプなど電装系向けのアース・ラインを強化してもいいが、クルマがあたらしいうちは当面必要ないだろうと思う。「どうにも運転席側のライトが暗い・・・」などと将来感じるようになったとしても、今回の解析で、どこに何を施せばいいのか解ったから安心である。(笑)
Posted at 2008/01/18 03:23:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | パーツ | クルマ

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