「コレクター・ユイ」という思い出①

2000年の初頭、(再放送を含めると)約２年にわたってＮHＫ教育テレビで放送された「コレクター・ユイ」という作品があります。僕の初の少女マンガにして、初のＮＨＫのアニメでした。あらすじは、ここを見ていただくとして（＾＾；）、今日の夕方、ＮＨＫエンタープライズさんから電話がありました。

その内容は、年末にやる特番でＮＨＫ教育で放送された番組のもう一度みたいベスト５０の発表があること。その中で、コレクター・ユイがアニメベスト１０で上位にランクインされたので、３０秒ほどですが紹介させていただきますというお知らせでした。何位に入ったかはここでは教えられませんので、ぜひ放送を見てご確認していただきたいのですが（＾＾；）、アニメファン向けの作品のみのランキングではなく、「忍たま乱太郎」や「おじゃる丸」など含めた全てのアニメのランキングということで、その中での上位は凄いことですよね、という事でした。

コレクター・ユイという作品は、蒸気探偵団と同じく、アニメがセルからデジタルに移行する時期の作品で、サザエさんをのぞけば最後のセルアニメ？なんて言われ方もしていたと記憶しています。そして、ユイはビデオにはなっているのですが、レーザーディスクにもＤＶＤにもなっていません。（；；）事あるごとにＮＨＫさんや、版権管理もとの小学館プロダクションさんにＤＶＤ化をリクエストしてはいるのですが・・・。

ユイは一言で言ってしまえば「電脳魔法少女モノ」です。そんなジャンルがあるかどうかはさておき。（＾＾；）企画がスタートしたのは、９６年の頃で、プロデューサーからＡ４の紙一枚に箇条書きの概要が書いてあったものを基にして、僕が肉付けとキャラクターやら世界観を構築していき、企画書にまとめたのが始まりです。

ベースにしたことがいくつかあります。対象が幼稚園から小学生までの女の子ということでしたので、自然と少女マンガ、とりわけ僕が経験のある魔法少女モノというスタイルをとりました。過去のアニメーターの時代、クリーミィマミ、ペルシャ、マジカルエミ、パステルユーミと作画にかかわっていましたので、ある意味得意分野というかなんと言うか。（＾＾；）

個人的には一番思い入れの強い、「魔法のスター　マジカルエミ」のスタイルを踏襲してます。ユイの周りのキャラクターのバランスなどですね。憧れの男性は自分より年上な大学生だったりと。エミでは魔法を使いますが、ユイでは魔法＝ネットという概念です。ネットの世界に入り込み、そこで色々なアイテムや仲間とともに変身、事件を解決するというくだり。今ならばもっと自然に理解されやすい設定ですよね。

ネットの世界に飛び込むというのは、過去にサイレントメビウスという作品で、ビジョネイルのレビア・マーベリックが五感を電子変換してネットの世界に自分を作り出すということをやっていますが、ユイではもう少し簡単に表現しています。
ネット世界に意識が飛んでいる間は、現実世界では生身の体は寝たままで無防備。そこがウィークポイントにもなりうると。（まったく同じことが後年、映画「マトリックス」でもやっていたので映画を見たときは苦笑しました）

そしてＮＨＫといえば、僕にとっては人形劇の「新八犬伝」です。このネタがわかる人がいたらあなたは僕と同じ世代です。（＾＾）ＮＨＫでやるんだから八犬伝だろうと！そんな理由で、ユイに協力する八犬士の「コレクターズ」を設定しました。コレクターズ、個々のテーマには、ちゃんと「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」を配しています。ＩＲを含め、コレクターズが玉を持っているのは、新八犬伝のオマージュでした。

長くなりそうなので、続きます。すいません。（＾＾）