MASERATI ディーラーを訪れて、
『GHIBLI』を試乗させていただいたのですが、私のあまりの無反応ぶりに営業さんから新たな提案をいただきました。
「パジェロに乗られているならこの
『LEVANTE』はいかがでしょう?こちらは新たに追加されたフェラーリ製V8エンジンを搭載した特別なモデルです。」
正直なところ、近年流行りのSUVというジャンルには否定的でした。
(そもそもSUVの定義がよく判りませんが、パジェロみたいなRVも入るのかな?)
レンジローバーイヴォークやボルボXC40を乗ってみて、これはこれで良いかも?と感じたりしましたが、車雑誌を読んでもSUV車はすっ飛ばしで、この
『レバンテ』という名前は知りませんでした。
【MASERATI LEVANTE Trofeo】
V8 3.8L ツインターボ
590ps/734Nm 車重2,310kg 8速AT 4WD 1,990万円
初めてこの車をマジマジと見ましたが、格好良いじゃないですかっ!
特にこの面構え。マツダのCXなんとかに似てるような気もしますが、イカツくて
◎!
大きな縦栓グリルに大きなトライデント。キリリとした細目。ホント格好良い!!
サイド、リアはフロントに対して普通かな?ボディサイズにしては締まって見えます。
セダン系ではクラシカルな内装デザインが欲しいと思いましたが、SUVなら今風でも良いかな~。この赤やブラウンの本革仕様が似合う気がします。
営業さんは何度も
「フェラーリ製V8ツインターボエンジン搭載」をアピールしてきますが、マセラティを買うような方にはそれが最大のアピールポイントになるのでしょう。
でも私には魅力は感じません。逆にマセラティの象徴たる自社製
『ビトゥルボ(Biturbo)』エンジンじゃねぇのかよっ!と思ってしまいます。(マセラティのイメージは20年前で止まってますw)
きっと下品な爆音を発するんだろうな、と思いながらスターターボタンをプッシュ。
あれっ!? 拍子抜けする程静かにエンジンに火が入りました。
試乗コースは京葉道路の無料で走れる一区間を往復するコース。
ですが店舗を出た国道は渋滞。京葉道路に入っても一瞬踏めたのは出入口車線のみ。
試乗中にこの状態に陥ると決まってあれこれスイッチ類を弄りだすのが私のパターン。
走行モードボタンを押しまくって
「corsaモードにだけはしないでくださいね」と釘を刺されたり。(もうしちゃったけどw)
sportマニュアルモードにしてシフトを忘れてレブリミットに当ててみたり。(苦笑)
そしてオーディオが
Bowers & Wilkinsと知ると何か音楽を聴きたいとワガママを言って営業さんのスマホからBluetoothで飛ばしてもらったり・・・
こんな事をやっている内に試乗終了。判った事は渋滞でも普通に走るという事。
店舗に戻りカタログを見ながら営業さんと話をしていると、「アレではトロフィオの魅力を全く体感していただいていないので、もう一度試乗に出ませんか?」とのお誘い。
しかし外を見ると既に夕刻となり渋滞は更に激化してるのでお断りすると、「今度は東関道で成田あたりまで行きませんか?」と・・・再度試乗に出掛ける事となりました。
激渋滞の京葉道路を抜け東関道に入ると、期待していた道路状況♪ グイっと踏み込むとこんな図体でも
“パシャァ~~~”と素晴らしい加速を披露してくれます。
やはりどんな車であろうと、胸のすく加速は麻薬の様な魅力があります。
そしてこの
官能的なサウンド!
これはフェラーリのソレではなく、まさにマセラティの音。
いや、マセラティの音なんて知らないはずの私ですが、何故かそう感じます。
後で調べてみると、確かにエンジンブロックのベースは共通で、フェラーリ工場で組立しているようですが、ピストン・クランク・カム・タービンも専用品で制御マッピングや排気サウンドチューニングもマセラティによるものらしい。
これはもう
マセラティ製エンジンと謳ってもよいのでは?
少し気になったのはブレーキの効きが弱い事。この前日に登録したばかりで走行距離もこの試乗中に100kmをやっと越えた卸したてのド新車なのでアタリが出てないのか?
標準で22インチホイールを履きながら18か19インチでも履けそうなブレーキが外観でも気になってましたが、特別なモデルなんだからホイールぱんぱんのブレーキを奢ってほしいですね。
もう一つ、シフアップ時に時折発する、
“ベベッ” という音。
これは何でしょう? ブリッピング音とは違う、ラリー車のミスファイアリングとも違う、バブリング音というのでしょうか?これは何かの作動音なのか、ただの効果音なのか??? 効果音であるならばもう少し格好良い音質に拘ってほしいところです。
0-100km/h 3.9秒、最高速度 304km/hと、SUVの最高峰
『Lamborghini Urus』に迫る性能。世界中のほとんどのスポーツカーに勝る実力を体感できました。
近い内にフェラーリからも兄弟車とも言えるSUVが出るらしいですが、現在のフェラーリデザインではレバンテより魅力的に見える事はないでしょう。(個人的見解)
【ALFA ROMEO STELVIO Quadrifoglio】
V6 2.9L ツインターボ
510ps/600Nm 車重1,910kg 8速AT 4WD 1,167万円
次はAlfaRomeo。実はジュリアのクアドリフォリオを試乗するつもりで行ったのですが、直前に試乗車が売れてしまいステルビオクアドリフォリオを試乗する事に。
ハイパーSUV二車の比較となりました。
外観はジュリアを縦方向にストレッチしたような感じ。
内装もジュリアそのもの。シートポジションもこの手の車にしては低くジュリアを運転している感覚。
エンジンはV6 2.9L ツインターボで510psとかなりのハイチューンエンジン。
このエンジンもフェラーリとの共同開発と聞いています。
試乗してみると、クイックなステアレシオも相まってとてもスポーティーな走りです。
エンジンはレバンテトロフィオのような下から潤沢なトルクを発生するタイプではなく、回せば回す程活気を出してくる特性。走らせていてホントに楽しい!
当初ノーマルモードで走ってましたが、柔らかくストロークのある脚。グワっとロールしながらカーブを廻っていくのは少々怖い。この車は常にスポーツモードが良いかも。
レバンテもステルビオも試乗させていただいたディーラーにはパジェロエボで行きましたが、試乗を終えパジェロエボに乗るとホントにハードな車だなと実感します。
オフロードタイヤを履いたパジェロと比較するのもどうかと思いますが、22インチ30タイヤのレバンテ、20インチ40タイヤのステルビオに対して、17インチ70タイヤのパジェロエボですが非常にハードで路面の状態を正直に伝えてきます。
現代の車はハイパフォーマンスカーであってもホントに乗り心地は良いですね。
しかしステルビオという車、乗ってみるととても楽しく魅力的なのですが、このスタイリングは???これが新世代アルファロメオの流れなのでしょうか?
走りはあまり評価が高くないブレラ/159のスタイルが私は好きなのですが、一代限りで終わってしまうのか? ・・・と思ったらあるじゃないですか!
ステルビオの下のクラスのSUV、
『Tonale(トナーレ)
』というらしい。
これですよ、コレ!
前後6連丸目のブレラ/159のスタイルを現代風に再現したこのスタイル。
これは格好良いなぁ~