巷で流通している「化学合成油」の大半は中身が鉱物油ベースのものです。
PAOやGTLをベースオイルとした本当の化学合成油をリスト化しました。
化学合成油の定義は
VHVI含む鉱物油が50%未満のオイルとしています。
カッコはSDSから計算したGTL、PAO、エステル、アルキルナフタレンの推定最低含有量です。
乗用車用の0W-40から0W-20までを対象としました。
小僧っぽいブログですが各社の方針がちょっと垣間見えます。
SDSが公表されていないメーカー、特殊な競技用は載せてません。
悲しいかなエネオスなど石油元売りの製造するオイルはここには出てきません。
自称化学合成油の殆どが中身99%鉱物油です。
オイル以外の添加剤の成分が1%で残りは鉱物油。
むしろ100%鉱物油と言った方がしっくり来ます。
鉱物油の中でもAPIカテゴリーGr.IIIに属する比較的高性能な鉱物油をVHVIと言いますが、このオイルを化学合成油と名乗っても不問となってしまったためややこしい世界線になりました。
最近ではGr.II(HIVI)で化学合成油を名乗る商品も出てきてもうメチャクチャです。
下記に記載のあるオイルはベースオイルの性能に優れている本当の意味での化学合成油ですので同価格帯の他社製品より積極的に選ぶ価値があります。
もちろん添加剤の差などもあるので一概に化学合成油の方が優れているとは言いませんが、一度使用してみて違いを体感してみるのもいいと思います。
鉱物油ベースの高性能オイルは交換直後はスムーズですが500km位で変性して3000kmではグズグズだったりしませんか?
優れた化学合成油は安定しているので交換直前まで性能が安定します。
なのでオイル交換をしても変化が少ないです。これとても重要。
オイル交換しても新しみを感じないですが本来これがオイルに求められる性能の筈です。
0W-40
モービル Mobil1 0W-40(90%)
モービル Mobil1 ESP X3 0W-40(80%)
モービル Mobil1 Formula J 0W-40(80%)
カストロール EDGE 0W-40 RN 17 RSA(99%)
カストロール EDGE 0W-40 A3/B4(50%)
バルボリン Syn-Power 0W-40(53%)
リキモリ Synthoil Energy 0W-40(60%)
フックス TITAN SUPERSYN LONGLIFE 0W-40(50%)
トタル QUARTZ 9000 ENERGY 0W-40(50%)
SKルブ ZIC TOP 0W-40(45%)
0W-40は各社フラッグシップ商品が多いので中々の品ぞろえ。
ACEA規格適合品も多くハズレが少ない印象。
SKルブリカンツのZIC TOPは45%でしたけどPAOベースなのでオマケ。
SKルブリカンツはVHVI製造の最大手ですけどちゃんとPAOベースのオイルがあるところがポイント。
つまりVHVIがPAO同等の性能が無いと理解してます。
VHVIとPAOを使い分けてるか?各メーカーの方針が見える重要なポイント。
何でもかんでもVHVIで作ろうとしないのはサプライヤーとして正しい姿勢。
カストロールのルノー純正RN17RSAは正真正銘100%化学合成油ですね。
SDSの第15項で鉱油が1%未満です。
これ添加剤の溶剤にもVHVIすら入ってないってことですからね。
添加剤から専用設計でしょう。
5Lで18000円らしいですが内容考えたら破格でしょう。恐るべし…
でも、それでカストロール全般凄いんだ!とは思わないこと。
Edge 0W-40も仕向け地によってはVHVIベースです。
以前にも書きましたがカストロールは0W-40以外はそうでも無い。
まあ、他社も似たようなもんですけど。
0W-40は外ブラばかりですね。
5W-40
シェル ヒリックスウルトラユーロ 5W-40(90%)
ペンズオイル プラチナムユーロ 5W-40(80%)
クエーカーステート アルティメット デュラビリティ ユーロ 5W-40(70%)
ワコーズ 4CR 5W-40(80%)
ワコーズ 4CR-SR 5W-40(85%)
ワコーズ ダブルR 5W40(90%)
モリグリーン PERFECT 5W-40(90%)
ワコーズは添加剤のベースオイルが鉱油っぽいですが、ほぼPAO+エステル混合のようです。
文句なしの化学合成油ですが4000~5000円/Lですからね。
さっきのルノーRN17RSA買える…
ワコーズもトリプルRになると鉱油が6~7割くらいに増えます。
4CTやプロステージSでも8~9割はVHVI。
シェル系はお得意のGTLですね。圧倒的コスパ。
そして完全ノーマークだった伏兵のモリグリーン
PERFECT 5W-40
なんとPAO+エステルの化学合成油です!

(これは5W-30のSDSですが5W-40も似たような感じ)
国内で売ってるか判らないので輸出向けなのかな?
にしてもこれは凄い。モリグリーン侮り難し。
PERFECTシリーズは25W-60、10W-60、20W-50、15W-50、5W-40、5W-30、5W-20、0W-20とラインナップ豊富なので、もしかするとAZ製かもしれません。
5W-30
モービル Mobil1 5W-30(60%)
シェル ヒリックスウルトラユーロ 5W-30(90%)
ペンズオイル プラチナム 5W-30(90%)
クエーカーステート アドバンスド デュラビリティ 5W-30(80%)
クエーカーステート エンハンスト デュラビリティ 5W-30(80%)
リキモリ TOPTECH 4200 5W-30(60%)
ワコーズ 4CR 5W-30(80%)
マツダ MP-5 5W-30 SP(80%)
スズキ エクスターF 5W-30(50%)シェル製のみ
モリグリーン PRO S SP 5W-30(80%)
モリグリーン PERFECT 5W-30(92%)
モービルはMobil1 5W-30はGTLがベースオイルなので該当しますが、Mobil1 ESP 5W-30はベースオイルがVHVIに変更になりましたので非掲載です。
クエーカーステートのアドバンスド デュラビリティはGTL80%の化学合成油ですが、自称「部分合成油」です。
これは以前購入した
ペンズオイルハイマイレージと同じくGTLでも低グレード品が使用されていると思います。
クエーカーステートはアルティメットデュラビリティ以外は「竹」以下だと思うので「GTLやっほーい」と期待して買わないこと。
不純物は少ないので同価格帯の選択肢としては大いにアリですけど。
リキモリはTOPTECH4200 5W-30がSDS鉱油が40%未満でした。
TOPTECHシリーズはPAO配合みたいですが、これだけ50%越え。
今回対象外でしたが、Synthoil Race Tech GT1 10W-60もPAO60%超えのようです。
マツダのMP-5 5W-30はディーラー扱いのオイルです。(シェル製)
トヨタで言うキヤツスルみたいなのなんでしょうか?
スズキエクスターFもシェル製ですがマツダとは中身が異なるようです。
GTL50%で化学合成油としましたが、こんな
リリースが…
これ、私もペール缶持ってて最近家族のクルマに使い始めたのですがGTL+VHVIの割に振動多いしイマイチでした。
出光orエネオス製はVHVIでしょうしこれに代替するってことはGTL+Gr.IIというトリッキーなブレンドだったってことでしょうか?
旧品番は買わないようにしてください。交換して欲しい。
そしてまたしてもモリグリーン。
モリグリーン PRO S SP 5W-30はSDSのフォーマットがシェルなのでGTLベースのようです。
GTLのグレードが気になりますが、PERFECTシリーズといい、ホムセンの安物オイルでは無かった…
プレミアムシリーズはVHVIベースでもPAO配合だったり
隙の無いラインナップ。
モリグリーン舐めてました、すいません!
0W-30
ワコーズ 4CR 0W-30(80%)
ワコーズ 4CR-SR 0W-30(85%)
シェル ヒリックスウルトラECT 0W-30(70%)
モービル Mobil1 0W-30(80%)
トヨタ 0W-30 DL-1(90%)
スバル レ・プレイアード・ゼロ 0W-30(75%)
0W-30はワコーズとスバルがPAO、シェルモービルトヨタはGTLですね。
トヨタのDL-1はESP Formula無き今DL-1唯一の化学合成油です。
個人的にDL-1にこだわるならこれ一択しか無いと思ってます。
ただ、添加剤少ないのであんまり良い感じはしないかもしれません。
アルキルナフタレン入れると面白いかも?
スバルのレ・プレイアード・ゼロはトタル製です。
トタル INEO FIRSTのOEMかと思ったらスバル独自ブレンドのようです。
スバル乗りはこれ一択でいいんじゃないですか?
0W-20も同じトタル製ですが、こっちはVHVIベースでした。
5W-20
ワコーズ ダブルR 5W-20(90%)
モリグリーン PERFECT 5W-20(92%)
5W-20は日本ではほぼラインナップがありませんがワコーズに5W-20ありました。
0W-20だと20側を確保するのに粘度指数向上剤が必要になりますが、5W-20だと20側に寄っているのでその割合も低い。
低粘度オイルでかつロングドレイン志向だと0W-20より5W-20になりますし、それを敢えて化学合成油でやるところが面白い。
普通なら0W-20で作るでしょうし。
GRオイルより「エンデュランス」志向。
これSP適合ならカローラに入れてみたい。
そしてまたしてもモリグリーン
PERFECTシリーズが5W-20にもあります。
0W-20
モービル Mobil1 0W-20(70%)
モービル Mobil1 X2 ESP 0W-20(70%)
モービル Super High Mileage 0W-20(80%)
シェル ヒリックス HX5 プラス 0W-20(70%)
シェル ヒリックス フューエル セーブ 0W-20(90%)
シェル ヒリックス シティー 0W-20(70%)
ペンズオイル プラチナム 0W-20(90%)
クエーカーステート アドバンスト デュラビリティ 0W-20(70%)
クエーカーステート エンハンスト デュラビリティ 0W-20(80%)
トヨタ 0W-20 C5 for Diesel (90%)
トヨタ 0W-20 C5 for Supra(90%)
日産 ストロングセーブX 0W-20(80%)
スズキ エクスターF 0W-20(80%)シェル製のみ
マツダ MP-0 0W-20 SP(70%)
モリグリーン PRO S 0W-20 SP(80%)
モリグリーン PERFECT 0W-20(94%)
スノコ ブリル 0W-20(90%)
0W-20はかなりラインナップあります。
特徴的なのは純正採用が多いと言うこと(大半がシェル製GTL)
シェルもクエーカーステートも部分合成油表記のものがあるのでこちらも低グレード品のGTLっぽいですね。
ペンズオイルはプラチナムで0W-20なのでこれはミドルハイクラス。
GTLはSDSでグレード判別出来ないので中々難しいですね。
VHVIもグレードあるので同じ話ですけど。
梅のGTLが竹のVHVIって感じです。
AZはSDS通知対象物のところで鉱油含有量が判断出来ないので今回未掲載としましたが、10W-60から0W-20までPAO+エステルオイルがフルラインナップです。
モリグリーンのPERFECTシリーズとだいたい一緒なのでAZ製造なんでしょうか?
AZのSDSの今のフォーマットが判らないので判断出来ず…
スノコは対象粘度での化学合成油はブリルの0W-20しかありませんでしたが、SveltシリーズのVHVIはYoutubeの検証動画を見る感じだと全然スラッジも出てなかったので良いVHVI使っているようです。
やはり自社オイル持ってるところは強い。
シェルヒリックスウルトラSP 0W-20も当然化学合成油ですが、国内正規品にラインアップが無いので未掲載としました。(タイ、香港製)
結構需要あると思うのでラインアップに加えて欲しいですね。
以上24時間で調べた分だけなので取りこぼしがあると思いますが、何となく傾向は見えた感じですね。
0W-40は各社ハイエンド品なので結構気合入ってる。
0W-20は省燃費性とオイル性能の両立でGTL使用率高し。
その他中国興産のデイトナPro-SpecシリーズとかLOVCAのPremium Racingシリーズも化学合成油のようですが今回そこまで調べきれませんでした。
今回の収穫はモリグリーンですね。
オイル製造元のオイルは一通り調べましたがここはノーマークでした。
製造委託先が少なくとも4社はある感じです。
廉価シリーズのセレクションだけでも粘度毎に外注先が異なるようです。
これ見ると輸出メインなんですかね。
オートバックス系列の会社のようです。
モリドライブはルート産業という会社で無関係のようです。