孝行

　今日は父の日。
　次男(年少児)の幼稚園では日曜参観がセットされており、幼稚園OBである長男と一緒に参加してきた。
　母子家庭や仕事の事情で父親が参加できない家庭に配慮して、ニュートラルに「日曜参観」とされているが、参加者は9割以上父親だった。


　私自身、父親が渋谷で或るサーヴィス業に就いていて日曜は休みが取れなかったことや、後々の家庭不和も影響して父親が授業参観に来た記憶がない。
　麗しき父子の記憶が希薄であることへの復讐と言うべきなのか、父親孝行など全くしていない。

　父親が参観できない子どもたちへ、私も想いを寄せると同時に、父親の参加率の高さは未来を担う次世代の育成および教育上、喜ばしい兆候だと率直に喜んだ。



　「日曜参観」では、歌やカスタネット演奏、親子共同での工作、お遊戯など趣向を凝らしたコンテンツが準備されていた。
　お遊戯は父親が向かい合って2列に並び、互いに腕を掴んで造った中空の道を這って進んでいくもの。母親の細腕では安全上心許なく、父親が多数参観してくれることを見込めるこの日ならではの企画。少々きつかったが(笑)、子どもたちも大喜びしてくれた。

　ちなみに次男は先頭切って「中空の道」に突入。しんがりは特別に参加を許されたOB・長男だった。つい数か月前まで幼稚園生だったとはいえ年少児に比して格段に重く、お父さま方も「んぁ、大きいのが来たッ」とリアクションされていた。



　日曜参観へは小雨が降る中、ゲレンデで出掛けたためタキシードブルーのボディーは埃と泥跳ねで汚れてしまった。
　幸い帰路についた午後はオープン走行できるほどに晴れたので、思い切って洗車を開始。
　子どもたちも出て来て、ブレーキダストで汚れたホイールの掃除を手伝ってくれた。

　ホイールの細かい部分は大人の手が入り難いので、小さくしなやかな子どもの手で綺麗にしてもらえるととても助かる。

　父親を讃える歌を聴き、似顔絵を飾られ、感謝の言葉を貰ったばかりか、愛車のクリーンナップまで手伝ってくれる孝行息子たちに、目を細め自らの来し方を省みる一日だった。