オートサロン行った。後輩からチケット貰えるって聞いて忙しいけどちょっと悩んで即決した。
既に色々忘れかかっていますが、これ以上忘れないうちに書きとめておきます。
昨年度はひたすらタイヤ攻めでしたが、今年は
尾根遺産の足なんぞ目もくれず自動車の足(主にバンプラバーとか縮みストローク)ばっかり見てきました。
ちなみに今回は
一眼レフはかさばるし重いので持って行きませんでしたw
テキトーに全体を回るだけでだいぶ時間が経ってしまったのと、貴島先生とお会いできなかったので、真面目にお話を聞いたのは、足周りが丸見えになっていたトヨタ自動車のニュルブースと、TRDブースと、テインのブースでした。ホントはHKSとかクスコとかいろいろ聞きたかったのですが…
まずニュル仕様のLFAのフロントです。
LFAのそばにいらっしゃったトヨタ自動車の担当者の方に聞いたところ、現状で「ニュルに対応するセッティング」とのことでした。
今までLFAのアームを拝んだ事がありませんでしたので、
テキトーにしっかり採寸です。市販車にしてはそこそこ長いAアームです。
比較対象として手に持っているのはA4のパンフレットです。
比較対象はCUSCOさんで頂いたパンフレットです。
0G状態からバンプタッチまでは25mmくらいしかなさそうです。
ばねのばね定数は25kgf/mmぐらいだそうで、車体質量とレバー比を聞いていないのですが、ざっくり1G状態で半分縮み、残り半分でニュルのギャップと戦うそうです。
リアのばね定数は27kgf/mmくらいと言われた気がしますがはっきり覚えていません。
それよりも「フロントに対しリアが1.1Hzで、トラクションがかかりやすいように…」と教えていただいたのですが、その概念が何の事かわからず自分の知識不足を痛感いたしましたw
続いてリアです。
0G状態の写真です。
こちらはなんと上下にバンプラバーがついています。
最近の市販車のトレンド?と同じ様にバンプラバーにがしがし当てて走るそうです。
ちなみにお話を聞いた方はなんと市販段階のLFAのシャシー設計を担当されたそうです!
「車高下げるとロールセンター云々カンヌン」のお話については、LFAでも「過度な下げ過ぎはよくないが、下げた方が良い」「今よりアッパーアームが上を向くとよろしくない」とのことでした。
具体的には、決勝より予選の方が車高を下げるそうです。
その理由としては、予選では腹下をガリガリ擦ってでも車高が低い方が「走行性能」が向上するが、決勝でその車高だと削れ過ぎてしまう、とのことでした。
以前辰巳英治さんからも「ジオメトリが変化するデメリットより、低重心化のメリットの方が大きいのではないか」というご回答をいただきましたので、自分の中での「ロールセンターうんちゃらかんちゃら理論」は、日本のミニサーキットをスポーツ走行する場合は「それなりに」車高を下げた方が良いのではないかという持論(他論?)になりました。
今思えばレーシングカーで前引きタイロッドにする際の利点をお伺いしておくべきでした。
ちなみにブレーキの方は
鬼のように分厚いパッドがついており
フロントにはうっすらとヒートクラックがありまして
リアにもびみょーにヒートクラックがありますが非常に軽微です。
と思いきや、なんとLFAは
レース中に「ブレーキロータ、キャリパ&パッド、ホース」ごと3回も交換するとのことで、ニュルを8時間走った後の状態ではなさそうでした。
さて次に86に注目しました。
86のフロントのアップライトとアブソーバのブラケットの結合部です。
なんとネジの山が全然出ていません!
学生フォーミュラのレギュレーションで、「ボルトのピッチは2山分出す事」という擦り込みが頭の中に植えつけられている自分には信じられない光景でした!
これに関してお話を伺うと、もちろんトヨタ自動車内には市販車の「ネジの径とかみ合い長さの比」に関する規定があるものの、レーシングカーでは極限の軽量化を求めて「緩まないギリギリの長さ」にそぎ落としているそうです。
ちなみにストラットマウントの部分も次の通りでした。
アッパーマウントから生えているボルトがギリギリまでそぎ落としてあります。
そしてもう一点気になる部分があります。
フランジボルトのフランジの厚み薄いじゃんΣ(゜Д゜)
しかも、「フランジボルト+ワッシャー」で締結されています。
フランジの厚みがなんちゃらかんちゃらでどーのこーのって086AのZさんが仰っていたのはいずこへ…
(レーシングカーと市販スポーツカーの求める操安性が違うのだと理解しておくことにします。)
ちなみに、GRMNの86のストラットマウント部分は…
余裕のボルトの長さと、余裕の厚みのあるフランジナットで留まっていました。
次に軽量化の参考写真です。
…(^ω^;)
同じくトヨタブースでみかけた表記です。
モーターショーやテクノロジー展でもないのにB-P/Fという表記をみかけるとは思いませんでした(笑)
それよりもBプラにダブルウィッシュボーンってありましたっけ…?
(ヴィッツの4WDグレードを見てもトーションビームです…)
ないからMCか何かのを改造搭載?
次に向かいのTRDブースにお邪魔しました。
なんと86関係の本によく出てこられる(当時は知らなかったのですが)、しかもワークスチューニングディでお話しした、凄い方がいらっしゃいました!
そんな凄い方から直々にドアスタビライザーの効果について教えていただきました。
一言で言うと「ボデーのねじれが減少し、ヨーレートの立ち上がりが向上する」という事でした。
個人的にはGD系涙目インプレッサSTIがそうだったように、「ステアリングギア比がクイック志向であれば体感的にはヨーレートが上がりませんか」とお伺いしたところ、確かにそれもあるが、車としては結果的に「大きなヨーをかけられているので、ボデーのねじれ、車のヨー運動の収束に時間がかかる」との事で、根本的な解決策としてドアスタビライザーが有効とのことでした。
末次トオル:「(AE)86につくのなら、こいつ(AE111)にだって!!」
最後にテインのブースにお邪魔しました。時間にして40分ほどお話させていただきました。
現在自分が思っていた疑問を、自分の考えがどこまで合っていて間違っているか確認したく、片っ端から聞きました。
曖昧な記憶からざっくり抽出します。
Q:いわゆる車高調でバンプタッチで、突き上げ感が来て乗り心地が悪いとするのならバンプラバーのバネレートの立ち上がりを工夫すれば快適になるのではないか?
A:そう、なんだけど…なかなかそうもいかない。
Q:1G状態からのバンプタッチまでの縮みストロークが+0.5Gは少ない?
A:少ない。バンプラバー込みで0~2.5Gまで対応させる足が望ましい。
Q:マツダの開発者いわく、ばねに0.5Gもたせて4.5Gをバンプラバーにもたせるべきとあるが?
A:テインでは最大Gよりも最大ピストンスピードを考慮している。4?40?m/sで耐えられるようなアブソーバを作る。
(結局バネに何Gもたせればいいか不明のままです…)
Q:結局はどんな速度でどんなギャップに突っ込むかの問題?
A:その通り
Q:アブソーバのどの位置からロッドが動いても(初期位置が変化しても)乗り心地は変化しない?
A:しない。乗り心地にはピストンスピードが支配的なので、変位は関係ない。(ガス室等の概念を自分はあまり知らないので、今度はこれについても聞いてみたいと思います)
Q:自動車の質量、速さ、ばね定数、段差の大きさなどから、衝撃を表す式は作れないのか?我々素人が乗り心地を議論するにはそういう式を元に考えないと議論が始まらない気がするのだが…
A:そういう式はある。けどめちゃめちゃ複雑。開発においても理論式からある程度は作れるが最終的には実走行試験で開発する。
Q:ピロアッパーマウントのピロボールの動きは本来シブいモノ?
A:その通り。動きが軽くなるとあっという間にガタがでるようになるはず。そうしたら交換。
Q:ピロアッパーマウントの正しいメンテナンスは?
A:エアを吹くだけがよい。油関係は絶対に使ってはダメ。
Q:ピロアッパー含め、車高調の寿命はどのくらいの期間の想定?もちろん使用環境によると思いますが。
A:4万kmまで。
参考:
テインHP
その他
・アブソーバのシリンダーロッドが太い方が横力の影響を受けにくくなるので、ストラットタイプは太いモノが多い
・逆にSA式(サスペンションアーム式)は細くても無問題
・倒立式はそもそもストラットタイプのためにある。倒立式=エライの必要十分条件は成り立たない。そもそもダブルウィッシュボーン、マルチリンクには倒立式がない「はず」。
・スポーツカーであってもストラットを採用する車には、ラリーのサービスでの交換のしやすさを求めている場合もある。(例、GD系インプレッサ)
つまり「競技」においては、必ずしもSA式が全てにおいて「速い」とは限らない。
ハリーポッターで出てくる憂いの篩が欲しくなりますねw
…憂いの篩があれば自分のサーキット走行の同乗が可能?!(違)
最後に、、、
会場内でみかけた赤のF50は超赤レビン以上に色あせていましたcrz
special tnx to mr. scion tc!:)