先日アップした
Mobil1とその他オイルのSDSのブログですが、結構PV出るので追加検証してみることにしました。
各社0W-20のエンジンオイルを購入して250度以下で規定時間熱してみて劣化具合を確認します。
耐摩耗性を測る装置を持っていないのでただ熱するだけです。
ベースオイルの違いでスラッジ性能に違いが出るか?が注目点。
不純物が多ければ焦げるよね?という安直な発想が起点w
オイルの単価は4Lか5L缶を1L当たりに換算して表記しています。
まずはエントリー商品の紹介から
エントリーNo.1
トヨタ純正 0W-20 C5ディーゼルオイル 1061円/L (以降トヨタC5と表記)

先日もお伝えした通りディーゼル用と銘打ってますが、ACEA C5認証取得しているのでガソリン車もOKです。
代わりにAPIは未適合でSNもSPも取ってません。
ベースオイルはエクソンモービル版のXHVI(GTL)とも言える「重質蒸留物(C-18-50 )-分岐、環状、直鎖」です。(以降はC18-50と記載)
鉱油は10%未満でありながら低コストと今回の検証で期待No.1オイルです。
エントリーNo.2
トヨタ純正 SN 0W-20 C5 for GR Toyota Supra 1780円/L (以降GRC5と表記)


GRスープラ純正オイルです。
輸入ボトルで形状やSDSフォーマットから察するにシェル製の模様。
鉱物油表記が最小限なのでこちらもGTLがベースオイルと思われます。
こちらはACEA C5以外にAPIのSNも取ってます。
ボトルのシール剝がしてみたらBMW Longlife-17FE+でした。
BMW用が入手困難なので、困ってるBMWオーナーはこのオイルをどうぞ。
LSPI非対応なので直噴ターボ車(GRヤリスなど)には使えません。
早くSP規格適合した同オイルがリリースされて欲しいですね。
エントリーNo.3
日産純正 SP ストロングセーブX 0W-20 880円/L (以降日産純正と表記)

モノタロウのサイトの表記では非危険物(引火点250度以上)となっていたので購入したのですが、実際には第四石油類(引火点200度以上)の普通のオイルでした。
SDSを日産から郵送!(これも今時あり得ないけど)で取り寄せてビックリ。
鉱油が20%未満です。成分からすると添加剤用のオイルが鉱油でベースオイルはそれ以外ってことですね。
SNからSPになって「フル」シンセティック表記に変わったのも伊達じゃない。
(後日調べたところ旧SN品も0W-20"だけ"はシェル製でGTLでした。)
製造元がシェル!鉱油では無い、更にこの価格帯ということでベースオイルはGTL(XHVI)で間違いないでしょう。
意外なところにダークホース居ました。
スペックで言えばトヨタC5といい勝負ですし、モービルとシェルのGTL対決にもなりますね。
こちらはSP規格適合でLSPI対応しています。
しかも400RやRZ34純正指定オイルもこれなので400psオーバーもOKなオイル。
ディーラーで入れてくれる0W-20はSPスペシャルという別物の可能性があります。
(トヨタで言うキヤッスルみたいなやつ)
言うほど良くないけど?と思う方はどちらが入っているか確認してみてください。
エントリーNo.4
TAKUMI モーターオイル SP HYBRID 0W-20 1225円/L(以降TAKUMIと表記)

PAOとHIVIベースで「100%化学合成油」として売っているのは果たして問題無いのか?
(鉱物油がベースの場合、精製や分解はしていても「化学合成」はしてません。)
この程度のオイルは他社はせいぜい「全合成油=Full Synthetic」表記で済ませているのですが。。
HIVIってGrIIですよね?粘度指数が高いから合成油って謳ってるっぽいです。
HIVIの実力を見せてもらおうじゃないか。
SDSはリクエストしたのですが、
「誠に申し訳ございませんが、SDSの公開は出来かねます。」
だそうです。
ホームページにはこんな記載が。
”輸出お取引業者様へは全製品の製品安全データシート(MSDS)、日本語版・英語版が提供可能です。”
SDSはあるけど開示しないってことですね。
この会社に限った話では無いですが、100%化学合成油を謳ってるオイルで100%化学合成油で作られてるオイル無いですよね。。
エントリーNo.5
Mobil1 X2 ESP 0W-20 1100円/L (以下ESP0W20と表記)


ヤフオクで破格で購入しているのでこんな単価ですが、本来は2000円以上です。
VW508 00/509 00認証を取得してる最新オイル。
ベースオイルはPAOとC18-50(GTL)で今回の優勝候補と勝手に予想してます。
(このPAOはホモポリマーじゃないので一般的なPAOと別ものかも?)
エントリーNo.6
コメリ CRUZARD SP 0W-20 527円/L (以降コメリと表記)


コメリの激安オイルですら全合成油表記です。
SDSも普通にダウンロード出来ます。CAS#もちゃんと表記してるし。
添加剤少ないですが、VHVIが90%とすごく真っ当なオイルです。
別で添加剤買ってきて入れても面白そう。
これまで見てきたSDSはエクソンモービルが一番詳しかったのですが、コメリも中々良いですね。
現行のクルザードシリーズ限定ではありますが、ホムセンがこのクオリティのSDSとは恐れ入ります。
コメリ大好きですが、こういう誠実なところで益々好感度アップ!
エントリー No.7
エーゼット SN ハイブリッド 0W-20 1238円/L (以降AZと表記)


先日のブログでエステル+PAOがベースオイルのエンジンオイルなんてほぼありません、と言いいましたが、全くない訳では無いのでこのオイルをエントリー。
鉱油がほぼ表記無しなのでベースオイルはGTL以上が確定しますが、オイルメジャーでも無いオイル屋さんがGTLレベルのオイルを入手できるとは思えないので表記通りPAOとエステルベースと思われます。
ただ、労働安全衛生法の項が無いので潤滑油基油に鉱物油が含まれている可能性がありますね。
(添加剤の鉱油が何%と書いてあるだけでこれ以外に基油にも鉱油が入ってる可能性がある)
有害物質のところに鉱油を記載する場合、鉱油の総量が表示されるので便利なのですが。
余談ですが、VHVIも国内製造はほぼ無いはずで、韓国のSKルブリカンツかS-OIL製だと思います。
GrIIIは国内3社でも製造してるようですが、国内消費の1割ほどらしい。
殆どがSKルブリカンツのYUBASEの輸入だと思いますが違っていたらコメント下さい。
エネオスの製油所閉鎖って話もこういうところとも関係してくると思います。
日本企業の悪いところですね。設備を更新しない。
(設備が古くてVHVIが作れない or それっぽいものを作ってもVHVIと認められない)
設備投資にお金を掛けないで運用でカバーするからいよいよ手遅れになる→閉鎖。
どんな世界でもそうですが「道具8割」です。
相手もプロですからね。道具(設備)の差があったら勝負にならない。
半導体も同じパターンで韓国に全敗。
閑話休題
エントリーNO.8 参考
Mobil1 ESP 5W-30 1745円/L (以降ESP5W30と表記)


私のブログではお馴染みのMobil1 ESP 5W-30です。粘度違うので参考出展。
VW 504 00/507 00認証を速攻で取得した社外オイル。
ベースオイルはGTLでPAOは添加剤程度。
足し算しても全然100%の届かない組成はいったい何なのか?
ESP0W-20とはPAOも違うし結構違いますね。
エントリーNo.9 参考
カインズ SN 0W-20 495円/L (以降カインズと表記)

コメリ0W-20に対抗して友情出演w
自宅物置にあったオイルを拝借しました。シビックとアルト用か?
こちらも表記は全合成です。
コメリと違ってこちらはSN規格、SDSのフォーマットも違いますね。
石油系炭化水素、高度精製基油ということなのでHVIなのかVHVIなのか不明、CAS#の掲載も無いですし。
同じカインズで0W-20ハイブリッドというオイル(2480円/缶)があるのですが、そちらはPAOが10-20%入ってます。
VHVI+PAOで2480円なら中々いいんですけどHVI+PAOなんて離れ業をやってのけるお店もあるので性善説が成り立たない…
このまま結果まで書こうかと思ったのですが、長すぎなので一旦ここまで。
明日以降にアップします。
実験が成功してますように…
つづく