
SDSのCAS#が何を表しているか判らない場合のデータベース。
海外サイトやジュンツウネットをベースに誤記修正加筆して随時更新しています。
ロシア語サイトは間違いはありますが、情報が揃っているのでそこは仕方なし。
書いてあることを鵜呑みにしない、これ万事に大事。
このブログも間違いだらけ。
カッコ書きは当該CAS#の商品名、一般呼称です。
ホントはCAS#で鉱物油のカテゴリー(グループI-III)を判別するために作成したのですが、グループを跨ぐCAS#もあるのであいまい表記になっています。
鉱物油、鉱油、石油系炭化水素 (グループI?)
64741-50-0 留出物、石油、軽質パラフィン
64741-50-5 留出物、石油、軽質パラフィン系
64741-52-2 留出物、石油、軽質ナフテン系
64742-65-0 留出物、石油、溶剤脱ろう重質パラフィン
64742-70-7 留出物、石油、触媒脱ろう重質パラフィン
64742-57-0 水素化処理した残油(aramcoDURA)
64742-58-1 水素化処理された使用済み油 (リサイクル油の水素化処理)
鉱物油、鉱油 HVI、HIVI、VHVI、VHVI+、石油系炭化水素 (グループII~III?)
64741-89-5 高度に加水分解されたパラフィン基油
64742-55-8 高度に加水分解されたパラフィン基油 (SK Yubase2,3 S-Oil Ultra-S2,S3)
72623-85-9 C20-50 水素化中性油を原料とする潤滑油
72623-87-1 C20-50 水素化中性油を原料とする潤滑油
72623-86-0 C15-30水素化中性油を原料とする潤滑油
178603-64-0 C15-30、分岐および環状、高粘度指数
178603-65-1 C20-40、分岐および環状、高粘度指数
178603-66-2 C25-55、分岐および環状、高粘度指数
64742-54-7 水素処理重パラフィン系石油留分
(SK Yubase4,6,8 S-Oil Ultra-S4,S6,S8、aramcoPRIMA、aramcoULTRA)
74869-22-0 潤滑油(C15-C50) グループI~IIIのいずれかに属する鉱物油
GTL Gas-to-Liquid XHVI、GTL、合成炭化水素(グループ III+)
848301-69-9
(Shell XHVI,カタールGTL QHVI3,QHVI4,QHVI8、Risella X 415,Risella X 420,Risella X 430)
(Mobil「重質蒸留物 C-18-50 分岐、環状、直鎖」)
1262661-88-0 (Shell Ondina X 415,Ondina X 420,Ondina X 430)
植物由来合成炭化水素(グループIII+)
2241366-04-9 α-アルケン C16-18 (偶数) のオリゴマー化生成物、水素化、水素異性化(SynNovaシリーズ)
PAO 合成炭化水素 (グループ IV )
68037-01-4 1-デセン、水素化処理したホモポリマー(シェブロン Synfluid® PAO、 EM SpectraSyn)
68649-11-6 1-デセン、水素化処理したダイマー(Synfluid® PAO 2cst、EM SpectraSyn2C)
68649-12-7 1-デセン、水素化処理したテトラマ-及びトライマ-
151006-63-2 1-ドデセン、ホモポリマー、水素化-1 - 1-ドデセン、トリマー、水素化
151006-62-1 - 1-ドデセン、トライマー、水素化(Synfluid® PAO 5 cSt)
151006-60-9 1-ドデセン、1-デセンを含むポリマー、水素化 (EM SpectraSyn)
157707-86-3 デク-1-エン、トリマー、水和物
163149-28-8 1-デセン、1-オクテンおよび 1-ドデセンを含むポリマー、水素化 (EM SpectraSyn)
163149-29-9 1-デセン、ホモポリマー、水素化; オクテンのポリマー、デセン
1000172-11-1 ペンタデカン、7-メチレン、1-テトラデセン/二量体/三量体と混合、水素化(Durasyn16x)
エステル 、アルキルナフタレン(グループ V)
エステルは危険有害成分に非該当なものが多いのでCAS#記載が殆どありません。
ExxonmobilのEsterexシリーズもSDSにCAS#無し。
改質したコンプレックスエステルなどもあるので各社ノウハウあるのかもしれませんね。
ポリオールエステル
57675-44-2 TMPトリオレート (BASF Synative、PANESTER)
CAS#調査中 脂肪酸TMP エステル (BASF Synative、EsterexNP343)
CAS#調査中 TMP コンプレックスエステル (BASF Synative)
メチルエステル
67762-26-9 メチルオレート (BASF Synative)
モノエステル
109-32-0 ペラルゴン酸イソドデシル (BASF Synative)
ジエステル
CAS#調査中 ジイソトリデシルアジペートなど (BASF Synative、Esterex A51)
26761-40-0 ジイソデシルフタレート(Esterex P61)
りん酸エステル
15625-89-5 トリメチロールプロパンイソステアリン酸エステル
アルキルナフタレン
56388-49-9 アルキルナフタレン(ライオン拡散ポンプ油S)
56388-48-8 アルキルナフタレン(ライオン拡散ポンプ油A)
56388-47-7 アルキルナフタレン(ライオン拡散ポンプ油A)
添加剤
16958-92-2 ジアルキルジチオリン酸亜鉛、 ZDDP、ZnDTP
68649-42-3 ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ZDDP、ZnDTP
4259-15-8 ビス(2-エチルへキシル)ジチオりん酸亜鉛
68412-26-0 ジ-μ-オキソジオキソジ-モリブデンの硫化物、有機モリブデン、MoDTC
68958-92-7 モリブデンジチオフォスフェート 、MoDTP
68958-92-9 モリブデン ジ (2-エチルヘキシル) ホスホロジチオエート、MoDDP
1317-33-5 二硫化モリブデン
12138-09-9 二硫化タングステン
9011-14-7 ポリアルキルメタクリレート 粘度指数向上剤、流動点降下剤、ポリマー、PAMA
9003-27-4 ポリイソブチレン 粘度指数向上剤、流動点降下剤、ポリマー(ハイモール、テトラックス)
127883-08-3 アリール ポリオレフィン、エチレン/プロピレン (Infineum SV205)
CAS#調査中 ポリオレフィン ポリアミン スクシンイミド、ポリオール、分散剤
91745-46-9 リン酸エステル
CAS#調査中 ポリ メチル メタクリレート エステル
147880-09-9 ポリオレフィンポリアミンコハク酸イミド(無灰分散材)
68411-46-1 アルキルアミン(酸化防止剤、Irganox® L 57)
石油系炭化水素(鉱油)のAPIグループカテゴリーをCAS No.で識別したかったのですが、残念ながら同じCAS No.でも商品によって粘度指数が異なるものがあります。
例えば、CAS No.64742-54-7はVHVIの代表性状ですが、S-Oil(韓国)の商品で例を挙げると、aramcoPRIMAはGr.IIで、aramcoULTRAはGr.IIIです。
どちらもCAS No.は64742-54-7ですがPRIMAは粘度指数120未満、Ultraは120以上でした。
CAS No.でGr.IIIかGr.II以下かの判別は不可となると、石油系炭化水素(鉱油)に於いて我々がGr.IIIを判別する手段は、製品にVHVIまたはGr.IIIの表記を確認するしかありません。
HIVIをGr.IIIと言ったり100%化学合成油と言ったり無秩序なオイル界隈では何も信用出来ないです。
仮にSDSがあっても詳細書いてない場合が多く、鉱油はもはや何を信じて買えばいいか判らないです。
「オイルは宗教」とは言いえて妙。信じるか信じないかはアナタ次第。
私がGTL以上に固執するのはVHVIと鉱物油の判断が難しいから。
そのGTLだってキリは無くてもピンじゃないものもありますからね。
VHVIは更に迷宮。ホントにPAOみたいなピンから鉱物油みたいなキリまで。
注)
CAS No.74869-22-0 潤滑油(C15-C50)はエネオスX Primeの海外版SDSでよく見かけるのですが、グループI~IIIの鉱物油の総称みたいなものでC15~C50の石油系炭化水素としか判りません。
W-BASEはVHVIに+αの製法のようなので通常の製法の限りでは無いのでこんな記載なのか?
あるいは鉱物油を使ってるのでこんな表記で誤魔化しているのか?
「エンジンオイルに性善説はない」ので後者なのかなぁ?
誰かエビデンスありませんかね?
間違いなどありましたらコメントお願いします。