
個人的にカストロールのオイルは好きではありません。
合成油論争の仕掛け人でオイル業界の秩序を崩壊させた張本人ですし。
そんなカストロールも元々は良いオイルを提供するサプライヤーでした。
本国版カストロールRSとかブレーキフルードのSRFとか有名でしたよね。
富士興産時代のカストロールも割と良かったイメージ(RS)。
今も高性能なオイルがあるのか?調べてみました。
最初に言ってしまいますが、Edgeシリーズにせよマグナテックにせよ価格に見合ったオイルは殆ど無い印象です。
Edgeシリーズが現行のハイエンドだと思いますが、例えばMobil1シリーズと比較しても価格差は殆どなくてベースオイルがワンランク下という感じです。
Mobil1も一部VHVIを使用していてバッシングされてますが、Edgeシリーズは更に下という感じ。
例えば0W-20同士で比較するとこんな感じ
カストロールEdge 0W-20 SP \5,121(Amazon)
モービル1 0W-20 SP \5,254(Amazon)
価格差は100円くらいですが、EdgeがVHVIベースでMobil1がGTLベース。
例えばEdgeが3000円台なら検討の余地はありますけど、100円差だと…
添加剤が違うからベースオイルが貧弱でも問題ない!という話もありそうですが、それはこの後カストロール自ら否定してくれます。
カストロールのオイルで特徴的なのはVHVI(Gr.III)からGr.Iまで色々な鉱物油が混ざっていること。
SDSが詳しく書いてあるのでもしかしたら他社もこの位色々混じっている可能性もありますが、こんなに色々鉱物油混ぜたらそれは不純物にならないのか?心配になります。
後日記:海外生産になったMobilのSDSもカストロールと同じフォーマットになりました。
恐らく同じ外注先に作成委託しているようでSDS内の鉱物油の記載もカストロール同様細かく記載されるようになりました。
添加剤の溶剤として鉱油を使用しているので添加剤ごとにCAS No.が異なるのだと想像します。
それでもMobilの方が鉱油の種類は少ないですけど。
色々混ざってる代表格がこれ。
カストロールEdge 10W-60 SN \10,633(Amazon)

日本仕様だと BMW M-ModelsとVW 501 01/ 505 00認証になってます。
そのSDSがこれ

下2つ以外は全部鉱物油です。
もしかするとパッケージ添加剤では無くて単品添加剤を色々混ぜているのでしょうか?
一見フル鉱物油に見えますが、このオイルは鉱油の割合が20%しかありません。
ここに書かれていない化学合成油が80%も入ってます。
恐らくPAOベースだと思います。
何故かPAOの記載がありません。
そんなカストロールでもこれはいいんじゃない?というオイルがありました。
カストロールEdge 0W-40 \7,568(Amazon)
SDSはこれ
VHVIとPAOが半々です。
これならMobil1 0W-40に匹敵する性能もありそうですが、Mobil1 0W-40の方が安いです。
Mobil1はVHVIの添加はあるもののGTLとPAOがベースオイルですし。

中国向けのEdge 0W-40 SPはVHVIベースなのでカストロールは同じような名前でも仕向け地で色々変わるみたいですね。
国内のEdge 0W-40は2種類あって「Castrol EDGE 0W-40 RN 17 RSA」というルノー純正?と思われるオイルもありますね。
プラボトルなので所謂本国仕様。(日本法人のシールは貼ってある)
これは3000円/L以上するので超高級オイル。
Castrol EDGE 0W-40 RN 17 RSAのSDS

こちらはVHVIも入ってないようですね。PAOのみ。
鉱物油を合成油として売り始めたカストロールが未だに本物の100%化学合成油を作っているとは確信犯。
VHVIがPAO相当のパフォーマンスが無いことを自ら証明してます。
このルノー純正オイルは相当良さそうですね。
プジョーもそうでしたがルノーもオイルの規格厳しい?
カストロールはPAOベースのオイルのラインナップが実は結構ありますね。
この他にも0W-30 C3 Professionalもそうだったかな?(今は不明)
Mobil1よりPAOベースのオイルが多いのは皮肉ですね。
GTLが使えないからこういう展開するしか無いのでしょうが、PAOとVHVIを使い分けてるのでまだ健全かもしれません。
国内大手元売りは何でもかんでもVHVIで作りますし。
以上Edgeシリーズだけ見てもピンキリでした。
日本国内流通品(金属缶)はOEM品なのでそこも心配の要素。
またOEM先が変わるようですし。
委託生産のせいで中身の割に高くなっていると想像します。
あとはブランドイメージで買うだろうと高を括っているのか。
総括
Edgeシリーズ買うとすれば安いレンジなら3000円台で購入する。
旧来のカストロールらしさを求めるならSDS確認しつつPAOベース7000円以上のものを!
ハイエンドのEdgeシリーズですら要求仕様が厳しいオイルはちゃんと作って、それ以外は適当にって雰囲気を感じます。
マグナテック以下は推して知るべし。
カストロールの表記の合成油、部分合成油、鉱物油の中身はどれも似たような感じですが、安くなるにつれてGr.I、Gr.IIの比率が増えるようです。
SDSが詳しく書いてある、価格に比例して性状が良くなるので、ある意味判りやすいメーカーでもありますが、他社と比較すると値段の割に中身が微妙。買うならPAOベースの高いやつがいいと思います。
あまり良く書いてませんが、SDSが出てCAS#詳細書いてあるだけマシですからね。
私たちが良否を判断する基準はちゃんと提示してくれていますし。
以上、個人の感想文なので信用しないでください。
私に限らずオイル関連の情報は嘘ばかり。
お店のブログや動画も自分たちの都合(商売)に良いように書いてあります。
自分で調べて正しいオイル選びを!