
今までオイル関連のブログを色々書いてきましたが、
「じゃあ、どういうエンジンオイルがいいのさ?」
という当然の疑問はあると思います。
今回は日本語で選ぶエンジンオイルについて記載します。
必要な知識は「日本語」です。化学の知識は無くても行けます。
例として
GRオイルのサイトを引用します。
毎度悪い例で使ってしまって申し訳ないと思いますが、オイルがダメだと記述もやはりダメ。
日本語がおかしいサイトはオイルの中身もおかしい好(悪)例です。
まずは白缶、サーキット、ツーリングの説明

これは特に問題なさそうですよね?
次はエンデュランスの説明

ベースオイルのところに注目
「高粘度指数の炭化水素系合成ベース」
とは何ですか?
高粘度指数…これはいいです。
炭化水素系合成ベース…これは日本語が変です。
炭化水素は油のことです。
潤滑油やガソリン、軽油、灯油、重油なんでも炭化水素。
「炭化水素系」 これ変じゃないですか?
鉱物油を石油系炭化水素とは言いますが、炭化水素系石油とは言いません。
石油は炭化水素しか無いですからね。
何系の炭化水素なのか?と説明しなければいけないのにその逆とは如何に?
トヨタじゃないですが「化学合成系炭化水素」も同様に意味が判らない。
化学合成に「系」は要りません。化学合成炭化水素 or 合成炭化水素です。
〇〇系とは系統、分類を意味するので炭化水素ならば大まかな物質名が入ります。
パラフィン系、ナフテン系、エステル系炭化水素など。
次は「合成ベース」
合成ベースって何でしょうか?
合成のベースオイル?ベースオイルの合成?
ベースオイルが合成油(化学合成油)だと言うのなら
ベースオイル:化学合成油
と書けばいいのです。
ベースオイルを略してベースと言うことは海外でもあると思いますが、それなら炭化水素系合成ベースなんて長ったらしい日本語がおかしい。
炭化水素系合成潤油と言ってしまうと鉱物油から精製するVHVI+は該当しなくなってしまうので苦し紛れに合成ベースで止めてる訳ですね。
特殊エステルベースも同様に意味不明。
「特殊エステルベースオイルを使用」と書けばいいのに、炭化水素系合成ベースとおかしな造語を作ってしまった手前、エステルもベースオイルと言えなくなっています。
エステルは純然たる化学合成油なので、炭化水素系合成ベースオイルないし、炭化水素系合成潤滑油と言えるのにね…
ベースオイルに鉱物油の精製油(VHVI+)を使っているからこのような後ろめたい表記なのでしょうが、GRオイルで使用している鉱物油は非常に良いものです。
本当の意味でPAOに近いVHVI+だと思います。(エンデュランス以外は不明)
だから高度に精製された鉱物油を使用とか、粘度指数を掲げて他社よりこれだけいいんです!とかアピールすればいいのです。
こういう表現をするってことはエネオス(トヨタ)のエンジニアはVHVI+は化学合成油に敵わないと自ら言っているのと同じことです。
素晴らしい鉱物油を開発したのなら堂々と鉱物油ベースであることを言うべきです。
GRオイルがダメなのはベースオイルでは無くて添加剤(エステル)の方です。
今回はGRオイルを例として挙げましたが、こう言った表記で消費者を煙に巻くようなオイルのサイトが非常に多いです。
なのでエンジンオイルを選ぶ際には日本語に違和感が無いものを選びましょう。
また、専門用語を使うこと自体は悪くないですが、その場合はgoogle検索で出てくる一般用語を使用しているか?意味の分からない造語を使ってないか?なども判断基準になります。
一般用語の略称もどれも大したものではありません。
ZnDTP、ZDDP、MoDTC、MoDTP、HIVI、VHVIなど入ってて当たりまえの添加剤、ベースオイルです。
これらが書いてあるから「何か凄そう」とか思わないでくださいね。
HIVI(HVI)なんてGr.IIの鉱物油です。むしろダメ。
余談ですが、「ペンシルバニア産」を良い意味で使っていたらアウト。
ペンシルバニア産が良かったのは純然たる鉱物油しか採掘出来なかった時代の話。
揚げ足取りと思う方も居るかもしれませんが、こういった感じでちょっとずつトラップを仕掛けて純度の高い「カモ」に仕上げて釣っているのかもしれませんよ?
NGワード
・炭化水素系○○
・化学合成系○○
・ペンシルバニア産
・独自の造語が多い
他にもあったら教えてください。
炭化水素系○○に入る言葉はあるにはあります。
例えば炭化水素系合成潤滑油、それに対してフッ素系合成潤滑油。
フッ素系合成潤滑油はC-F結合なので炭化水素のC-H結合は含まれません。
なので言葉としては成立しますが、〇〇には入るのは結局「潤滑油(材)」しか無いと思います。
だからエンジンオイル界隈で炭化水素系○○と言う必要が無い。
ちなみにフッ素系潤滑油は超高額(100g1万)なのでエンジンオイルの土俵にあがることはありません。
このブログが皆様にとって違和感のあるブログになっていないことを祈ります(笑)
続編はこちら
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Posted at
2024/04/11 21:12:56