トヨタ純正モーターオイル 0W-20 SN PlusをGRカローラに入れて3000km走行しました。
このオイルは恐らく出光製なのですが、新油時からあまり良い印象では無かったので
アルキルナフタレン(AN15)を5%添加して3000kmが経過しました。
アルキルナフタレンの効果は素晴らしくて、イマイチだったオイルの印象はワンランク以上アップしました。
それでもベースオイルが劣化するのかサーキット走行無しでも3000km手前から油圧低下など諸症状が出てきています。(510kPa→460kPa)
アルキルナフタレンのスムーズな感じは残っているのですが、ベースオイルがせん断されてしまったような感じ。
もしかするとポリマーがせん断されただけかもしれませんが。
イメージはこんな感じ

ベースオイルとポリマーが中抜けした感じ
打音などは増えてないので添加剤はまだまだ生きてる模様。
アルキルナフタレンも同様でまだ生きてます。
油圧が下がってきているので体感の粘度も落ちた印象です。
いわゆる「ヘタる」感じ。
VHVIをベースとしたエンジンオイルの大半がこの傾向があります。
簡単に言えば「持ちが悪い」
なのでVHVIが合成油と言う程の性能が無いと個人的に思うところ。
今のトヨタ純正0W-20 SPの
SDSを見ると溶剤精製パラフィン油が入ってます。
CAS#入ってませんが水素化処理していないので恐らくGr.I鉱物油です。
このオイルでは5%くらいですが、添加剤溶剤にしては少ない。嵩増し?
ただ、VHVI+だとこの傾向が無い場合もあります。
酷評したGRエンデュランスはこんな感じでした。

GRオイルはエステルたっぷり配合のようで新油時はウルトラスムーズですが200km位から劣化が始まり2000km時には完全に終了してました。
特徴的だったのは油圧が全く落ちなかったこと。
エステルのスムーズさは1000km時には既に無くなり2000km時には振動やら打音やら…
こちらはベースオイルは生きていたけど添加剤とエステルが終わってしまったような感じでした。
ベースオイルはVHVI+を使っていると記事で書いてありましたので一般的なVHVIより良いものだったのだと思いますがエステル含め添加剤が残念でした。
GRエンデュランスのSDSによると鉱油の割合が60-70%なのでVHVI+が50%と添加剤の鉱油が12%位で残り4割が合成油っぽいのですが、もしかしてエステルだけで4割なのでしょうか?
mPAO入っていればPAO配合と書くだろうし…
エステル4割だとするとPOE(ポリオールエステル)やコンプレックスエステルが4割ってことは無さそうなので安物のジエステルを大量に入れた?
それなら加水分解が早いのも納得だし。
素人が作った感があると言ったのもそういうところ。
で、本題のVHVIの話ですが、一般的に流通しているVHVIの耐久性はせいぜい5000kmだと思っています。
逆に言えばベースオイルが5000kmしか持たないから添加剤もポリマーも大したものを入れなくてもいい、とも言えます。
耐久性の低いポリマー(PMA)を入れるのも「どうせ持たない」のを知っているから。
あるいは私たちが普段VHVIと思って使っているオイルが実際はGr.IIやGr.Iも混ざっているただの鉱物油だったとしたら?
VHVIが半分以上入っていれば合成油表記でOKとか独自の定義を勝手に作ってオイルを売っているとしたら、残り半分がGr.II以下の鉱物油の可能性もありえます。
SDSではどれも鉱油なのでCas#なければ判別不能ですし。
そもそもSDSすら出てないところが大半なのでやりたい放題。
ここで気になるのが欧州メーカーのアプルーバル適合品オイル。
最近はSP規格とACEA規格、メーカーアプルーバル共通の添加剤も発売されています。
比率の細かいところは判りませんが、SPなら8%添加、メーカーアプルーバルなら12%添加とか添加量が異なっていると思います。
ロングドレインだとそれだけ清浄分散剤も入れなくてはいけないですし。
この場合添加剤はロングドレインに対応出来ていますがベースオイルはどうでしょう?
上でも書きましたが5000kmしか持たないベースオイルに15000km耐えられる添加剤を入れても意味があるでしょうか?
認証品は自動車メーカーがテストしているので15000km保証、対して適合品はアプルーバルが取れる添加剤を入れているだけ。
ベースオイル含めての検証はしていない。
アルキルナフタレンの件も同じですが、添加剤が生きていてもベースオイルが劣化していたらエンジンオイルとしての機能はありません。
5000km交換推奨と書くのは作っている側もベースオイルが持たないことを理解しているからでしょう。
Mobil1のESP 5W-30は昨年からベースオイルがGTLからVHVIに変更になりましたが、このオイルは各社認証品です。
BMW Longlife 04
MB-Approval 229.31
MB-Approval 229.51
MB-Approval 229.52
OV 040 1547 – D30
OV 040 1547 – G30
PORSCHEC30
VW504 00
VW507 00
適合じゃないですよ。認証です。
これだけテストして合格してる。
これだけ認証を取るには億単位のお金が必要です。
なのでVHVIベースとは言えVHVI+以上のベースオイルを使用していると想像します。
2023年からMobil1 Extended High Performance(日本未発売)の一部もVHVIベースに変わっていたりするのでもしかしてGTL以上の凄い耐久性のあるVHVIが開発されたりしたのでしょうか?
Extended High Performanceは2万マイル保証です。
普通のMobil1 はGTLベースで1万マイル保証。
ユニオパールはVHVIでもVW 504.00/507.00取得してるのでVHVIでもロングライフ化出来る術はあるみたいなのでVHVI+とは限りませんが。
(ユニオパールはVHVI+を使用している場合は表記あり)
話を戻して、
ベースオイルの出発点がVHVI以下だから、添加剤もポリマーも安物。
先にも書いたGr.II以下の可能性もありえるので尚のこと安物でもいい。
最近じゃ商用車のオイルもVHVI以上の採用が増えてますし、国産Gr.II鉱物油は余っている筈なので3000km文化の乗用車で鉱物油を消費したいはず。
直噴ターボエンジンがお国柄少ないのもこれ幸い。
NAエンジンなら煤もそこまでじゃないのでGr.II使ってもどうせバレない。
どこかのHIVI100%化学合成油はホントにGr.IIなのかも…
先日アップしたEXLINEのブログでもVHVIでは5000km使えないって話になっていました。
私のような素人が理想論で好き勝手言ってるだけなら説得力に欠けますがサプライヤーからそういう話が聞こえてるのはいいことですね。(ロシアだけど)
彼らは更に過激でGTLすら合成油と認めない感じです。。
結局、VHVIを合成油なんて言うからこんなややこしい世界線に入ってしまった訳ですよね。
カストロールの罪は重い。
元の世界線に戻して欲しい。
合成油≒VHVI
かつ
VHVI≒鉱物油
ならば
合成油≒鉱物油
も真なり
そんなワケあるかい…
前提条件が間違ってる。
合成油表記が使えなくなったら100%化学分解油とか言うのかなw