
欧州オイル規格はC3やC5が主流ですが、その中にC2という規格があります。
画像の
Mobil1 5W-30がACEA C2適合品です。
ACEA C2とは何ぞや?
早見表を作ってみました。
乗用車用のACEA規格はDPFやGPF詰まりに影響のある硫酸灰分とHTHS粘度(高温高せん断粘度@150℃)とSP規格のLSPI、チェーン摩耗試験の組み合わせによりどの規格に適合するか判ります。
Aがガソリン、Bがディーゼル、Cがガソリンディーゼル共通。
今はC規格が主流です。
C1は便宜的に掲載していますが既に廃止されています。
粘度的にもSAPS的にもDL-1とドンピシャなので残して欲しかったところ。
Mobil1 5W-30はC2適合品で、Mid-SAPSでHTHS粘度が3.0です。
同じMobil1 5W-30でESP 5W-30がありますが、あちらはHTHS粘度が3.5なのでACEA C3適合品になります。
ACEA C2がちょっと面倒なのはHTHS粘度が2.9以上となっているところ。
「以上」なので3.5でもC2に適合してしまいます。
世の中のACEA C3品がC2/C3と併記されているのはそのため。
純粋にC2だけに適合する硬さ(2.9≦HTHS<3.5)のオイルが意外と少ないです。
とは言えC2相当の粘度の5W-30は世の中に沢山あります。
C2のHTHS粘度ってSAE30相当(>2.9)です。
SAEの5W-30ならそれはC2相当の粘度です。
C2が美味しいのはSAE並みの低粘度でACEA品質のオイルと言うこと。
当然C3適合の5W-30より柔らかいので燃費性能も優れます。
面白いのはアメリカ製のMobil1 5W-30はACEA C2適合ではありません。
元々C2に適合する性能はあったので日本仕様だけ記載した?
Dexon1 Gen3認証オイルなので適合させるのは難しく無い筈。
このオイルもアメリカ製の方が優れているとは限らない一例ですね。
余談ですが、Mobil1 0W-30はアメリカ製はVHVIベースです。
日本仕様はGTLベースを継続。前にも書いたかな?
日本仕様のMobil1 5W-30はベースオイルは一応GTLのようです。
一応と書くのは理由があって…

SDS第3項ではVHVIが34%と書かれています。
普通30-40%とか書くのでこれは珍しい。
第15項で見ると鉱油は40%未満なのでGTLや他の合成油が60%入っているようです。
上の第3項ではGTLは30%未満と書いてあったので「らしい」と書いたのはこのためです。

Mobil1でGTLベースのSDSはこんな感じで計算が合わないもの多数…
とは言え、Mobil1 5W-30はMobil1の中でも比較的安価なのでおススメ出来るオイルなのは間違い無いです。
ESP 5W-30がVHVIベースに変わってしまったので、欧州アプルーバルにこだわらないならこちらの方がベストバイかもしれません。
ESP 5W-30と無印5W-30どちらを買ったらいいか判らない方は
・ACEA C3やBMW、VW認証エンジンならESP
・5W-30指定の国産車だけどもうちょっと信頼性が欲しい人は無印
・一時期のプジョーのようなC1指定エンジンは無印
ですかね。
ハイエースで高速をメインで乗り、トヨタC5 Diesel 0W-20ではちょっと心許ないという方もMobil1 5W-30は丁度いいと思います。
C2のみ適合ってのが絶妙にいいです。
C3まで適合してしまうと0W-20指定エンジンには「硬すぎ」です。
0W-20のHTHS粘度は2.6ですが、Mobil1 5W-30は3.0です。
ACEA C3だと3.5まで上がってしまうので丁度その半分。
GTLベースだからDPF再生間隔も純正0W-20同等でしょう。
ACEA C2オイルちょうどいい粘度なのですが、残念ながら全然ラインナップがありません。
写真のMobil1 5W-30はありますが、その他だとトタルとリキモリとユニオパールくらい。
ミカドオイルにもC2表記の商品はありますが、あれはHTHS粘度が3.5なんですよね。
それはC2/C3だからよくあるC3オイルと変らないのです。
C3単体表記のオイルもあるし謎です。
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Posted at 2025/08/19 08:46:17 | |
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