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2011年11月30日

自然吸気(Natural Aspiration)のレシプロエンジン

自然吸気(Natural Aspiration)のレシプロエンジン 「マニュアルの試乗車が入庫したんですが、試乗に来ませんか?」

ホンダベルノの営業のS氏からだった。1991年11月だった(と思う)。

遡ること一ヵ月半程。9月19日に四代目プレリュードがデビューしていた。
プレリュードといえば、稀代の軟派車である(笑)。

硬派なピュアスポーツ志向のボク(苦笑)には本来無縁なクルマだが、そこはクルマ好きのこと。
日産のディーラーと軒を並べていたこともあり、9月の下旬に実車を見にディーラーを訪れていた。

第一印象はそのインテリアデザイン。
"宇宙船のような"と形容されたインパネデザインは、実はマツダ・ニューコスモとデザインが似てはいたが、ボクは思わず「なんじゃこりゃ?」と口走ってしまったくらい、斬新で好印象だった。

Si-VTEC(4AT)の試乗車もあったので、勧められるままに試乗もさせてもらった。感想は…
「まぁ、なかなかイイんじゃないでしょーか?」
その程度。

元々次期愛車の候補として見に行った訳でもなく、どちらかと言えば冷やかしであった上、特段の感動もなし。
バランスシャフト付きの2.2Lの四発は振動が極めて少なくスムーズにヒュンヒュン回り、さすがホンダエンジンと思わせるものはあったものの、そこまでであった。

「ATを買う気はないので、MTの試乗車があれば乗ってみたい。その上で検討したい。」

これはほとんど、営業に対するその場限りの逃げ口上だった。


自然吸気(Natural Aspiration)のレシプロエンジンに乗ってみたい。

この想いは、ロータリー乗りであった自分のレシプロエンジンに対する対抗意識や劣等感に由来したのかもしれない。
しかし愛車がロータリーでも、レシプロに全く乗ったことが無いわけではない。何しろロータリーはRX-7ただ一台。その他のクルマは全てレシプロエンジンなのだから。
実家のマークⅡ(1G-G、1G-GTE)は言うに及ばす、4A-GもZCも運転させてもらったことはあったし、リッター100psのB16Aにも試乗した。しかし、全くピンと来なかった。

欲しい欲しいと言いつつ「レシプロNAエンジンはレスポンスが素晴らしい」という話だけで、それが一体どういった事なのか知らなかったのだから、今から思い返せば変な話である。

故に当時、クルマと並んで趣味だったスキーに有益な4WDであることを優先事項として一旦は検討したものの、既に述べた通りで候補の二台は決め手に欠き、愛車選びは暗礁に乗り上げていた。

そんな中での試乗のお誘いである。

新型プレリュード(BB1)を買う気は全く無かったが、暇つぶし、気分転換にまぁイイかとお気楽にディーラーに赴いた。

なぜ買う気が無かったか?理由は極めてシンプル。プレリュードがFFだったからだ。


ベルノを訪れると、営業のS氏がニコニコしながら迎えてくれ、早速MTの試乗車へ案内してくれた。
そして、助手席に同乗することなく、いつもの試乗コースを自由に走ってきて構わないと言ってくれた。望むなら二周でも三周でも良いと。

お言葉に甘えてディーラーを後にする。
お店が隣接する幹線道路を左に出て、直ぐの信号を右に折れ住宅街を突っ切るのが試乗コース。

幹線に出ると右折の信号が赤である。停止線までクルマを進めるべくアクセルを軽く踏むと「!」

「あれ?・・・なに?」

信号が青に変わり、直進車をやり過ごしてからソロリと右折し、ギヤを2速へ。クラッチをミートしてから、意図的にややラフにアクセルを煽ってみる。

フォン!…フォン! → グワッ!…グワァ!

な・な・な・なんだこりゃ?(*_*)

右足のアクセルのON/OFFに、エンジンが即座に応答(レスポンス)し、クルマがまるで下手クソが運転しているかのようにスナッチする。

そのままグゥーとアクセルを踏み込むと「クォー」とエンジン回転が伸びていく。
3速にシフトして更に踏む。アクセルを離して、また踏み込む。
踏み込むと即応してトルクが立ち上がり「ククッ」と車体を前に押し出す。

「こいつぁ・・・ロータリーは敵わないわ。。。」

本当の意味で、ボクが初めて「レシプロの自然吸気エンジンのレスポンス」を体感した瞬間だった。

カルチャーショックというのは、正にこういうことを言うのであろう。
感動というより驚愕。
試乗中はとにかく驚くばかりであった。
何度も何度も、意味も無くアクセルのON/OFFを繰り返しながら、試乗コースを一周だけしてお店に戻った。

まさかそんなに早く帰ってくるとは思わなかったのか、S営業はボクがクルマを駐車スペースに停め、店舗に向かって歩き始めたところで外に出てきた。いつもの愛想の良い笑顔でニコニコしながら話しかけてくる。

「どうでした?(^_^)」


「コレ、ください・・・(-o-)」


「えぇぇぇ!(*_*)」

いつもの笑顔は少し引きつっていたようにも見えた。相当に驚いたようだ。

当然だ。ボク自身が、自分の発した言葉に驚いていたのだから。。
ブログ一覧 | クルマ選び | クルマ
Posted at 2011/11/30 00:32:12

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この記事へのコメント

2011年11月30日 17:11
はじめまして
四代目プレリュード(M/T)初試乗記
私にも懐かしい記憶です

初めて走らせた時の感動は大きかったです
特にハイカムに入った時の官能的な快音がたまらなかったです

今でも楽しんでいます♪
コメントへの返答
2011年12月1日 1:31
はじめまして。

コメントありがとうございます。

H22A含め、DOHC-VTECは3基乗りましたが、今でもお気に入りです。

とにかく気持ちの良い、爽快感溢れるパワーユニットだと思います。

どうか大切に乗ってくださいね♪

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何シテル?   12/08 20:22
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